スタートアップは社会課題の解決やイノベーション創出の重要な担い手であるとともに、日本経済全体を浮揚させ、再度競争力を取り戻すための切り札です。経団連では2018年11月の入会資格要件緩和以降、多くのスタートアップに入会いただいています(2023年4月時点で約50社)。こうした会員の声を反映しながら、日本のスタートアップエコシステムの活性化を目指して、スタートアップ委員会を中心に様々な活動に取り組んでいます。
とりわけ、現在は、提言「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」で掲げた「5年後の2027年までにわが国のスタートアップを数、レベルともに10倍に成長させる」という野心的な目標の達成に向けて、環境整備とステークホルダー間の連携促進に注力しています。
<5年後の目標:10X10Xの世界へ>
【目次】
- 活動1.スタートアップ振興のための環境整備
- 提言「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」
- 規制改革要望・税制改正要望等
- スタートアップフレンドリースコアリングの実施
- 活動2.ステークホルダー間の連携促進
- Keidanren Innovation Crossing (KIX) の定期開催
- Corporate Venture Capital (CVC) ネットワーキング
- 提言
- 委員会等開催実績 (週刊「経団連タイムス」掲載記事より)
- 月刊 経団連
- 調査ミッション
活動1.スタートアップ振興のための環境整備
提言「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」
経団連は2022年3月、提言「スタートアップ躍進ビジョン」を公表しました。これは、日本のスタートアップエコシステムの実現を目指し、企業の規模や産学官という立場を超えた視点から取りまとめたものです。ここでは、目標達成に必要となる経済や社会のあり方の抜本的な変化を示したうえで、具体的な戦略と38項目のアクションを提言しています。
経団連の働きかけを受けて、政府の「スタートアップ育成5か年計画」(2022年11月策定)においても、「スタートアップへの投資額を5年後の2027年度に10倍を超える規模(10兆円規模)とする」「スタートアップを10万社創出する」との目標が明記されました。
官民の目標の実現に向けて、経団連では、提言事項の実現状況についてもレビューを行っています。ぜひご参照ください。
規制改革要望・税制改正要望等
スタートアップが起業・成長しやすい環境の整備を目指して、経団連は税制改正要望および規制改革要望にもスタートアップの要望を盛り込んでいます。
2022年度には、エンジェル税制の拡充・手続き簡素化、オープンイノベーション促進税制の拡充、パーシャルスピンオフ税制の創設、ストックオプション税制の拡充、国外転出時課税制度の手続き簡素化等が実現しました。
また、外国人起業家の活躍に資する制度やスタートアップの参加を促す政府調達手法について、整備が検討されるなど、規制改革においても一定の前進が見られました。
経団連では引き続き政府への働きかけを行い、提言内容の更なる実現を目指します。
スタートアップフレンドリースコアリングの実施
スタートアップエコシステムの重要な一員である大企業の行動変容も必要との思いから、「スタートアップフレンドリースコアリング」の取り組みも開始しました。これは、自社がスタートアップにどれだけフレンドリーか、あるいはスタートアップエコシステムにおいて重要な役割を果たしているか、その度合いを見える化する仕組みです。
2022年度に第1回、2023年度に第2回を実施し、これまでに約200社にご参加いただきました。各社の取り組みを紹介する事例集を取りまとめましたので、ぜひご覧いただければ幸いです。詳細については、下記記事もご参照ください。
- 2024年1月
2023年度(第2回)スタートアップフレンドリースコアリングへのご回答のお願い - 2023年2月
スタートアップフレンドリースコアリングへのご協力のお願い - 2023年1月
スタートアップフレンドリースコアリングの取り組みをスタート
「スタートアップフレンドリースコアリング」の仕組み
活動2.ステークホルダー間の連携促進
Keidanren Innovation Crossing (KIX) の開催
大企業とスタートアップの連携を促進するため、2019年10月から、ネットワーキングイベント「Keidanren Innovation Crossing (KIX) 」を定期開催しています。
KIXに登壇したスタートアップは延べ250社以上にのぼります。経団連では、登壇企業のOB・OGリストを作成し、制度改革やイベント・説明会の案内をはじめ、スタートアップに対する情報提供も行っています。
Corporate Venture Capital (CVC) ネットワーキング
スタートアップに積極的に出資している大企業のCVCについて、担当者間のネットワーキングと知見の共有を進めています。
- 「経団連タイムス」2023年10月5日号掲載
CVCネットワーキングを全3回開催
-日本のCVCの課題と解決策を聴く
関連リンク
提言
- 2024年10月3日
令和7年度税制改正に関する提言 - 2024年9月17日
Science to Startup - 2023年9月12日
令和6年度税制改正に関する提言 - 2022年9月13日
令和5年度税制改正に関する提言 - 2022年9月13日
2022年度規制改革要望
―人・地域・グリーン― - 2022年3月15日
スタートアップ躍進ビジョン
~10X10Xを目指して~ - 2020年5月19日
新型コロナウイルス感染拡大に伴うスタートアップ支援策を求める - 2020年4月2日
スタートアップと大企業による協創を促進する契約実務の普及に向けて - 2019年10月2日
世界中の投資家や起業家を惹きつけるエコシステムの構築に向けて
-外為法の対内直接投資管理強化に対するコメント- - 2019年8月5日
スタートアップの成長を促進する上場市場のあり方について - 2019年2月19日
Society 5.0実現に向けたベンチャー・エコシステムの進化
(※ スタートアップ委員会の前身である起業・中堅企業活性化委員会にて検討。)
委員会等開催実績 (週刊「経団連タイムス」掲載記事より)
- 2024年10月31日
スタートアップフレンドリースコアリング参加企業限定勉強会を開催 - 2024年9月26日
提言「Science to Startup」を公表
-スタートアップを通じた優れた研究成果の社会実装を推進する - 2024年9月26日
日本のスタートアップエコシステムに対する国際的な評価 - 2024年9月5日
政府のスタートアップ支援施策~省庁・機関横断で聴く - 2024年7月18日
「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」説明会を開催 - 2024年5月27日
10X10X実現に向けた2年目のレビュー
-「経団連 Startup Summit 2024」を開催 - 2023年9月19日
「スタートアップ育成5か年計画」はじめ振興策をめぐり議論 - 2023年7月連載
わが国スタートアップエコシステムの過去・現在と未来への展望
- 2023年5月30日
10X10X実現に向けたレビューと機運醸成に向けて
-「経団連 Startup Summit」を開催 - 2023年4月11日
「スタートアップの海外展開に向けた官民連携カンファレンス」を経産省と共催 - 2023年2月14日
スタートアップに関するセミナーを開催 - 2023年1月24日
宮坂東京都副知事との懇談会を開催 - 2023年1月24日
南場副会長、出雲審議員会副議長が起業家教育推進大使に就任 - 2023年1月19日
スタートアップフレンドリースコアリングの取り組みをスタート - 2022年10月31日
スタートアップ等を対象とした技術・データ等の流出防止に関する経済安全保障説明会 - 2022年10月11日
「スタートアップ育成5か年計画」をはじめとする振興政策の検討状況 - 2022年9月5日
日本ベンチャー学会とシンポジウムを共催
-アントレプレナーシップ教育への取り組みをめぐり議論 - 2022年8月26日
小池東京都知事に提言「スタートアップ躍進ビジョン」を建議 - 2022年7月12日
カーブアウト活用法に関するセミナーを開催 - 2022年3月15日~23日
提言「スタートアップ躍進ビジョン」を三大臣に建議 - 2022年3月11日
提言「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して」を公表
-スタートアップの数と到達するレベルを10倍に高める
月刊 経団連
月刊経団連 2024年11月号
特集「Science to Startup」
- 座談会
ディープテックスタートアップの力で日本に飛躍を
南場 智子 (経団連副会長、スタートアップ委員長/ディー・エヌ・エー会長)
冨永 悌二 (東北大学総長)
稲葉 太郎 (Remiges Venturesマネージング・パートナー)
松尾 一輝 (EX-Fusion社長)
- 提言
Science to Startup
南場 智子 (経団連副会長、スタートアップ委員長/ディー・エヌ・エー会長)
髙橋 誠 (経団連スタートアップ委員長/KDDI社長)
出雲 充 (経団連スタートアップ委員長/ユーグレナ社長)
月刊経団連 2023年7月号
- 報告
「スタートアップ躍進ビジョン」公表から1年の動き
南場 智子 (経団連副会長、スタートアップ委員長/ディー・エヌ・エー会長)
髙橋 誠(経団連スタートアップ委員長/KDDI社長)
出雲 充(経団連審議員会副議長、スタートアップ委員長/ユーグレナ社長)
月刊経団連 2022年6月号
特集「成長の牽引役たるスタートアップの躍進を」
- 座談会
スタートアップエコシステムのさらなる飛躍に向けて
南場 智子 (経団連副会長、スタートアップ委員長/ディー・エヌ・エー会長)
髙島 宗一郎 (福岡市長)
松尾 豊 (東京大学大学院工学系研究科教授)
瀧 俊雄 (スタートアップエコシステム変革タスクフォース委員/マネーフォワード執行役員)
月刊経団連 2020年10月号
特集「変化への対応―スタートアップ・エコシステムのさらなる飛躍に向けて」
- 対談
イノベーションを起こす─自分のアタマでユニークなものをゼロから考えよう
濱口 秀司 (ビジネスデザイナー/Zibaエグゼクティブフェロー・monogoto代表)
髙橋 誠 (経団連スタートアップ委員長/KDDI社長)
- 座談会
変化への対応─スタートアップ・エコシステムのさらなる飛躍に向けて
出雲 充 (経団連審議員会副議長、スタートアップ委員長・スタートアップ政策タスクフォース座長
/ユーグレナ社長)
平野 未来 (シナモン社長CEO)
米良 はるか (READYFOR代表取締役CEO)
ヴィンセント・フィリップ (Plug and Play Japan社長)
齊藤 昇 (司会:経団連スタートアップ委員会企画部会長/日本ユニシス専務執行役員)
月刊経団連 2019年6月号
特集「スタートアップと共創する未来」
- 座談会
スタートアップと共創する未来
泉谷 直木(経団連審議員会副議長、起業・中堅企業活性化委員長(当時)
/アサヒグループホールディングス会長兼取締役会議長)
青柳 直樹(メルカリ取締役、メルペイ代表取締役)
髙橋 誠(司会:経団連起業・中堅企業活性化委員会企画部会長(当時)/KDDI社長)
端羽 英子(ビザスク代表取締役CEO)
後藤 勝也(AZX総合法律事務所マネージングパートナーCEO・弁護士)
調査ミッション
- 2019年11月24日~27日
訪イスラエル スタートアップ・デジタルヘルス調査ミッション
- 問合わせ先
-
経団連 産業技術本部(スタートアップ担当)
venture@keidanren.or.jp