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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年6月20日 No.3641 10X10X実現に向けた2年目のレビュー -「経団連 Startup Summit 2024」を開催

経団連は5月27日、東京・大手町の経団連会館で「経団連 Startup Summit 2024」を開催した。同イベントは、2027年までにスタートアップの数・成功のレベルを共に10倍にするという目標「10X10X」の実現に向けて、現状認識を共有し、アクションを加速すべく開催したもの。岩田和親経済産業副大臣を来賓に迎え、大企業・スタートアップ・大学・行政等から約240人が参加した。概要は次のとおり。

■ 第2回スコアリング結果と目指すべき連携の姿

入山氏(左)と髙橋委員長

冒頭、入山章栄早稲田大学大学院経営管理研究科教授が、「スタートアップフレンドリースコアリング」の概要と第2回結果(24年1月実施)を説明。髙橋誠スタートアップ委員長は「スコアリングによって、企業の目指すべき方向性が分かりやすくなる。結果を踏まえた分析こそが重要」と意義を述べた。入山氏は「自社を見つめ直す良いきっかけになると思う。日本を変えるには経団連が変わることが一番。ぜひ次回スコアリングにも参加をお願いしたい」と呼びかけた。

続いて、目指すべき連携の姿について議論した。髙橋委員長は、「今後はスタートアップも小規模なIPOにとどまらず、グローバルでの活躍と成功を狙う必要がある。海外展開は大企業が支援できる部分でもあり、同時に、スタートアップ自身も高い目標を持ち、世界を目指していくべき」と強調したうえで、「スタートアップが日本を元気にすることは間違いない。世界の視線がもっと日本に集まるよう一緒に頑張りたい」と締めくくった。

■ スタートアップ政策のレビューと今後の課題

岩田副大臣(左)と南場委員長

続くセッションでは、まず南場智子同委員長から、スタートアップの数は2年で1.5倍に増加したが、成功レベルはまだ引き上げられていない状況と説明。同日発行した「スタートアップ躍進ビジョン レビューブック2024」に沿って、提言の実現状況と残された課題を整理した。

岩田副大臣はこれを受け、「10X10Xの実現にはやるべきことがまだある。政府は本気でスタートアップ政策に取り組んでおり、さらに熱を上げていかなければならない」と応えつつ、経産省の施策を紹介した。

その後の議論で、官民に必要なアクションとして、南場委員長は、人材の流動化および中途採用者の幹部登用、スタートアップと親和性の高い分野での重点的な調達等を挙げた。加えて、世界で活躍する大学発スタートアップの拡大・成長が日本の勝ち筋であると課題を提起した。

岩田副大臣は「失われた30年を打破するのがまさにイノベーションでありスタートアップ。かつそのなかでも、日本が注目される根幹はやはりディープテック」と強調。最後に南場委員長は「これからも官民で力を合わせ、互いに呼応しながら大きな変革を起こしたい」と締めくくった。

◇◇◇

セッションの後、(1)塩野義製薬、ピクシーダストテクノロジーズ(2)三菱UFJ銀行、SkyDrive(3)電通、ユーザべース、NewsPicks Studios――の3組から、大企業とスタートアップの連携事例を紹介。イベント終了後には、参加者による活発なネットワーキングが立食形式で行われた。

また、前述の「スタートアップ躍進ビジョン レビューブック2024」のほか、同イベントにあわせて、スコアリング結果概要スコアリングハイスコア企業の事例集を公表、経団連ウェブサイトで公開した。

【産業技術本部】

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