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Policy(提言・報告書)  科学技術、情報通信、知財政策 「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針の主要論点」について

2011年1月26日
(社)日本経済団体連合会
電子行政推進委員会
電子行政推進部会

政府社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会から2011年1月24日に公表された、「社会保障・税に関わる番号制についての基本方針の主要論点」は、経団連の意見#1と軌を一としており、本年6月の大綱取りまとめ、秋以降可能な限り早期の法案提出に向けて、着実に検討を進めて頂きたい。なお、本論点に基づく基本方針の取りまとめに当たっては、以下の点について十分配慮頂きたい。

1.わかりやすさへの工夫

番号制度の円滑な導入には、国民や企業などの各層の十分な理解が不可欠である。基本方針を示す際には、副題にある通り「主権者たる国民の視点」に立ち、一般の方が一読して理解できるよう、分かりやすい図を使用するなどの工夫が必要と思われる。

また、国民理解を得るためにも、「Ⅰ.理念」に記載されている「国民の負担や不公平」「本来国民へのサービスに振り向けられるべき財源や人的資源の費消」などを数値化していくこと、さらに、何故今必要なのか、という説明も重要である。番号制度という社会的な共通基盤が欠如していることで、産業の国際競争力に影響している点も忘れてはならない。

2.法人等に対する番号について

「Ⅱ.1.(1)「番号」において、法人等に対する番号について述べられている。現行、各府省や目的ごとに異なっている企業コードを統一的に整備することを評価する。一方、これまで社会保障・税に関わる番号制度の検討の中で、法人の番号については検討されておらず唐突感がある。今後、企業意見の聴取などを十分に行いつつ進めて頂きたい。

法人番号を通じて各府省・自治体間の情報連携を行うことで、行政事務の効率化や企業側の利便性向上(申請や届け出の利便性向上や添付書類削減など)を図るよう、番号整備のみならず、情報連携基盤の構築も着実に進めるべきである。

3.民間における利活用について

理念に示されている、「国民にとって利便性の高い社会」を実現するためには、行政のみならず、民間によるサービスも含めた社会全体での取組みが不可欠である。番号制度はそのための社会基盤であり、本人の希望やプライバシーに配慮しつつ、民間で利活用可能な制度とすることが重要である。

4.番号の利用場面について

「Ⅲ.番号はどのように利用されるか」において、利用場面が示されているが、例えば、年金や医療に加え、就労支援などの雇用分野への活用や、離職・住所変更などの際のワンストップサービスの実現など、国民のニーズを踏まえた多様なサービス提供を図っていくべきである。

5.推進体制

番号制度は、現代社会における国民共有の必須の基盤であり、早期構築に向けた作業が決して停滞、頓挫することのないよう、万全の推進体制を固める必要がある。「Ⅴ.今後の進め方」に示された図では、IT戦略本部と社会保障改革検討本部の二方向からの指示系統に基づいてWGが検討し、共同事務局が取りまとめることとされているが、二本部の動向が番号制度導入に影響することが懸念される。基本方針に基づいて着実に制度導入を推進するためには、番号制度の詳細検討から実施に至る責任・権限を付与した5年程度のプロジェクトチームが必要と考えられる。「5.番号制度創設推進本部」に恒常的な組織を設置し、責任者、権限などを明確化しつつ推進すべきである。特に、地方自治体との連携が重要であり、制度構築段階から地方自治体の主体的な参画が可能となる仕組みにすべきである。

以上

  1. 「豊かな国民生活の基盤としての番号制度の早期実現を求める」(2010年11月16日)
    「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会中間とりまとめ」に関する意見(2010年8月11日)

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