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月刊 経団連

月刊 経団連2024年8月号

特集 高度専門人材の育成と活躍推進に向けて

巻頭言

レジリエントな社会の形成

原 典之 (経団連審議員会副議長/三井住友海上火災保険会長)

美しい自然と四季の移ろいを持つわが国は、一方で自然災害の猛威に耐えながら世代をつないできた。古くは古事記や日本書紀に、また紫式部も源氏物語に光源氏が暴風雨におびえて過ごす記述を残している。

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特集

高度専門人材の育成と活躍推進に向けて

国際的な人材獲得競争が激化する中、わが国で継続的にイノベーションを起こし、持続的成長を実現していくためには、高度専門人材の育成、獲得、活用が不可欠である。経団連は、会員企業等へのアンケートなども踏まえ、2024年2月に「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を取りまとめた。加えて、経団連と国公私立大学のトップからなる「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」において、博士人材の活躍と大学院教育の充実をテーマに議論を行い、4月に報告書を公表した。

座談会:高度専門人材の育成と活躍推進に向けて

  • 南場 智子 (経団連副会長・スタートアップ委員長/ディー・エヌ・エー会長)
  • 小路 明善 (経団連副会長・教育・大学改革推進委員長/アサヒグループホールディングス会長)
  • 益 一哉 (東京工業大学学長)
  • 佐々木 泰子 (お茶の水女子大学長)
  • ■ 産学官連携による博士人材の育成・活躍
  • 日本の経済社会のあるべき姿と高度専門人材の役割
  • スタートアップによる社会実装の日米の差
  • 半導体業界や海外にみる産学連携の可能性
  • 流動性のあるキャリア形成支援
  • 博士人材に求める専門性+α
  • ダイナミズムの欠如と海外留学の必要性
  • 博士人材への投資と成長
  • ■ 女性理工系人材の育成・活躍
  • 女性博士人材と企業人との交流機会を設定していく
  • 「女子枠」の設定とアンコンシャスバイアス
  • 数多くの女性活躍のロールモデルを広く発信すべき
  • 子どもたちの興味関心を高められる教育環境の整備
  • ■ 高度専門人材の育成に資する初等中等教育
  • 教育のOSを記憶型から探究型へ
  • 大学入試が及ぼす初等中等教育への影響
  • 初等中等教育から磨き上げる本当の学力
  • ■ 未来の日本のあるべき姿を産学で共有していく

【特別寄稿】
博士人材の活躍促進に向けて

 盛山 正仁(文部科学大臣/博士(法学)、博士(商学))

  • 博士人材活躍プランの概要
  • 企業の協力等に関するお願い

教育とスキルの未来
 アンドレアス・シュライヒャー(OECD教育・スキル局長)

  • AIが突き付ける新たな課題
  • 日本の教育の強みと課題
  • 未来を見据えた教育と企業への期待
  • 学習における技術の活用

博士人材を起点としたイノベーション創出に向けて
 佐藤 康博(大学支援フォーラムPEAKS座長兼産学人材流動ワーキンググループ主査、
みずほフィナンシャルグループ特別顧問)

  • アクション・プランの全体像
  • イノベーション創出の根幹に博士人材がある

早稲田大学パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム
 須賀 晃一(早稲田大学副総長・PEPプログラム責任者)

海外における博士人材の育成からみる大学院の新たなあり方
 佐藤 法仁(岡山大学副理事・副学長、内閣府上席科学技術政策フェロー)

  • 国家の影響力のもとで育成される博士人材
  • 産業活用に特化した博士人材の育成
  • 新産業を生み出す博士人材の育成
  • ナレッジワーカーとしての博士人材を生み出すために

理工系分野に進学する女性比率の向上に向けた課題と展望
 横山 広美(東京大学教授・国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構副機構長)

  • 理工系に女性を増やすには
  • 理工系職種の男性イメージを是正する
  • DX人材の高校の理科選択は「物理」
  • 家庭、地域、そして社会

女性理工学人材の育成・活躍に向けて
―SWCCのダイバーシティ推進の事例
 長谷川 隆代(経団連ダイバーシティ推進委員長/SWCC社長)

  • 「女性」という冠を付けること
  • 誰もが輝ける会社を目指すSWCCarat(カラット)の活動

STEM分野における女性の活躍を拡大するために
 大洲 早生李(公益財団法人山田進太郎D&I財団
広報・マーケティング 調査・政策提言統括)

  • STEM領域に興味を持たせる体験やロールモデルとの交流が重要
  • 理系進学を後押しする奨学助成金と交流・体験事業
  • 企業のリーダーシップと連携で「女性×STEM」を社会で啓発
  • 未来のSTEM女性リーダーを育てるために

REACHプロジェクトが目指す産学共創の姿
 飯田 順子(島津製作所分析計測事業部上席理事、大阪大学・島津分析イノベーション
協働研究所所長、大阪大学大学院工学研究科特任教授)

  • 大阪大学と島津製作所の組織連携
  • REACHラボプロジェクトの背景と取り組み
  • REACHプロジェクトへの展開
  • 今後の方向性

社会課題解決に向けた博士人財のさらなる活躍のための人財施策
―社会イノベーション事業をリードする高度専門人財の採用と育成
 大河原 久治(日立製作所人財統括本部人事勤労本部タレントアクイジション部長)

  • 社会イノベーション事業における人財戦略の転換
  • ジョブ型人財マネジメントにおける高度専門人財(博士人財)の採用
  • 博士人財の活躍を支えるキャリア支援・育成の施策

【報告】
産学連携による高度専門人材育成と、未来志向の採用を目指して

―「産学協議会2023年度報告書」を公表
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/036.html
 (経団連教育・自然保護本部)

  • 博士(前期・後期)課程の人材の活躍と大学院教育の充実
    1. ① 博士人材に対する経済的支援の拡充
    2. ② 大学院教育改革
    3. ③ 採用選考における改善
    4. ④ 企業・大学間の人材流動性の向上(行き来の活性化)
  • 質の高いインターンシップの推進状況
  • 2030年に向けた採用のあり方

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一般記事

【提言】
公正・公平で強靭かつ持続可能な貿易投資環境を求める

―自由で開かれた国際経済秩序の再構築に関する提言
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/047.html
 兵頭 誠之(経団連副会長、通商政策委員長/住友商事会長)
 吉田 憲一郎(経団連副会長、通商政策委員長/ソニーグループ会長)
 早川 茂(経団連審議員会副議長、通商政策委員長/トヨタ自動車副会長)

  • 再構築の基本的方向性
  • 具体的施策

【提言】
選択肢のある社会の実現を目指して

―女性活躍に対する制度の壁を乗り越える
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/044.html
 魚谷 雅彦(経団連審議員会副議長、ダイバーシティ推進委員長/資生堂会長)
 次原 悦子(経団連審議員会副議長、ダイバーシティ推進委員長/
サニーサイドアップグループ社長)
 長谷川 隆代(経団連ダイバーシティ推進委員長/SWCC社長)

  • 夫婦の姓を取り巻く社会環境の変化
  • 「選択的夫婦別姓制度」をめぐる政府・司法の動き
  • 旧姓の通称使用の拡大と課題
  • 政府への要望

【報告】
B7ローマサミットに参加して

―複雑な国際情勢におけるG7の役割
 東原 敏昭(経団連副会長/日立製作所会長)
 遠藤 信博(経団連副会長/日本電気特別顧問)

  • B7サミットにおける主な議論
    1. 貿易・経済安全保障
    2. 気候変動・エネルギー移行
    3. AI・人材育成
  • メローニ首相にB7サミット共同提言を手交
  • G7プーリアサミット

【報告】
日米関係の強化に向けた訪米ミッションの派遣

 澤田 純(経団連副会長、アメリカ委員長/日本電信電話会長)

  • 州知事との懇談
  • インディアナ・グローバル経済サミット

昭和天皇記念館の大規模刷新・維持事業
―昭和百年記念事業へのご支援のお願い
 伊吹 文明(昭和聖徳記念財団会長、元衆議院議長)
 御手洗 冨士夫(経団連名誉会長/昭和天皇記念館募金委員会会長、キヤノン会長兼社長)

  • 財団の設立と昭和天皇記念館の建設
  • 展示内容を大幅に刷新、幅広い世代にご遺徳を伝える
  • 大規模刷新・維持事業へのご支援・ご協力のお願い

アジア・アジアパラ競技大会の成功へ向けて
 大村 秀章(愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会会長、愛知県知事)

  • 世界の注目が集まるアジア最大のスポーツの祭典
  • 持続可能な新たな大会モデルを示す
  • パートナーシッププログラム/寄附金ご協力のお願い

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