わが国産業がさらなる成長・革新を遂げるためには、科学技術を核とし、価値創造力を最大化することが至上命題である。
折しも、東北・新潟においては、ITER(国際熱核融合実験炉)計画とそれに伴う「幅広いアプローチ(Broder Approach : BA)活動」、国際リニアコライダー(ILC)、次世代放射光施設(ナノテラス)、福島イノベーション・コースト構想など、最先端の科学技術プロジェクトが多数進められており、結集した科学技術力をトリガーにして、価値創造の最大化とイノベーション創出をもたらすポテンシャルが高い地域といえる。
東経連と経団連は、かねてより「震災復興の加速」(2015年7月 共同声明)「成長戦略の推進」(2018年7月 共同声明)、「地方分散の実現」(2020年10月 共同宣言)に向け、共同歩調で取り組みを進めてきた。グリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった社会変革が求められる今日において、こうした取り組みの加速に向けて、東北・新潟が有するポテンシャルに改めてフォーカスし、両団体の連携をさらに深化させ、下記の活動を積極的に展開していく。
(1)科学技術プロジェクトの着実な進展と産業競争力強化
ITER-BA、ILC、ナノテラス、福島イノベーション・コースト構想は、単独のプロジェクトとしての価値とともに、加速器技術など親和性のあるコア技術を有しており、これらプロジェクトを総合的に推進することを通じて、より、シナジーの効果が高まることが期待される。両団体は、関係者の合意を前提として、これらプロジェクトの推進を支援し、学術研究機関のみならず、企業の参画を推進することにより、わが国産業のさらなる成長に貢献する。
(2)イノベーションの推進に向けた多様な人材の活躍推進
これらのプロジェクトの推進にあたり、大学等のアカデミア・企業をはじめとする幅広い人材が活躍し、交流が生まれることで、新技術の提案や経営資源の新たな活用法の発見、スタートアップの振興等、新しい価値の創出につながるとともに、地域の活力の維持・向上にも大きく貢献する。両団体は、女性、高度人材をはじめする外国人を含め、性別、国籍、年齢を問わない多様な人材の活躍を推進し、イノベーションの創出を後押しする。
2022年10月18日
一般社団法人 東北経済連合会 会長 増子次郎 |
一般社団法人 日本経済団体連合会 会長 十倉雅和 |