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Policy(提言・報告書)  産業政策、行革、運輸流通、農業 民間企業の活力発揮に向けた「日本再興戦略」の一層の拡充を求める

2013年7月16日
一般社団法人 日本経済団体連合会

日本経済の再生には民間企業の活力の発揮が欠かせない。政府は、6月に金融政策・財政政策に続く第三の矢として、企業活動を積極的に支援する「日本再興戦略」を閣議決定した。目指す方向性と施策は、経団連の主張と軌を一にするものであり、3つのアクションプラン(「日本産業再興プラン」「戦略市場創造プラン」「国際展開戦略」)を工程表に沿って着実に実施することを期待する。

経済界は、「日本再興戦略」で講じられる施策を十分に活用するとともに、世界に誇る技術と人材を駆使して、力強い経済成長と豊かな国民生活の実現に向けて貢献してまいりたい。

グローバルな経済環境にあって、民間企業を取り巻く状況は常に変化する。産業競争力会議は、「日本再興戦略」を実行していく上で、成果目標が達成されるようモニタリングするとともに、同会議によるPDCAサイクルを仕組みとして担保することで、民間活力を引き出すために必要となる施策を追加・深掘りするなど、主体的かつタイムリーに戦略を進化させていくことを強く望む。また、今秋にも策定される見込みの成長戦略第2弾が一層効果の高いものとなるよう、下記の通り提言する。

1.「日本産業再興プラン」の拡充

(1)民間企業による主体的な取り組みの促進

  1. 経団連「未来都市モデルプロジェクト」のような民間の自主的な取り組みに対する包括的な規制・制度改革の推進(例:沖縄物流ハブ構想の実現にあたっての輸出先国の事前通関・事前検疫の実現、海外における流通プラットフォームの構築等)
  2. 骨太な規制・制度改革など企業が活用しやすい形での「国家戦略特区」や「企業実証特例制度」のスピード感ある展開
  3. 市場メカニズムを歪めない形での事業再編や産業構造の変革の促進

(2)労働法制の見直し

  1. 労使自治を重視した労働時間法制の改革(企画業務型裁量労働制の見直しの早期実施、事務職や研究職など高度な裁量を持つ一部の労働者に相応しい労働時間法制の早期検討)
  2. 勤務地・職種限定契約の普及に資する雇用保障責任ルールの透明化

(3)経済性のある価格での電力の安定供給の実現

  1. 今後3~5年の電力の安定供給確保に向けた具体的方策と工程表を明示
  2. 安全性確保と地元自治体の理解を大前提とした原子力発電所の再稼働プロセスの加速化
  3. エネルギー政策と整合性が取れた形での地球温暖化政策の策定

(4)税・社会保障制度の見直し

  1. 特定の法律に基づく認定等を要しない使い勝手のよい簡素で普遍的な投資減税制度の構築#1、アジア近隣諸国並みの法人実効税率25%に向けた法人課税の抜本改革の道筋の早期明確化等
  2. 社会保障給付の一層の効率化・重点化を念頭に置きつつ、医療・介護分野における質の高いサービスの提供と制度の持続可能性の確保
  3. 企業の防災・減災投資等に関する促進税制、優遇融資制度の創設

2.「戦略市場創造プラン」および「国際展開戦略」の拡充

(1)医療・介護

  1. 電子処方箋の全面解禁、ドラッグ・ラグ及びデバイス・ラグの早期完全解消
  2. 介護分野における株式会社と社会福祉法人の役割分担の明確化

(2)ICT

ビッグデータ、オープンデータ等の活用による分野複合的な課題解決の早期実現
防災・減災に関する各種情報を国・自治体・民間企業等がICTを活用してリアルタイムで共有できる「情報共有基盤」の整備

(3)農業

農業生産法人の構成員要件等の緩和(農業生産法人に対する企業の出資比率を過半数まで容認)、地域の農業の担い手となる企業による農地所有の実現

(4)観光

ジャパン・ブランドの情報発信力の強化とイノベーションの推進に資するMICE戦略の策定、および国家戦略特区の活用を含む大規模MICE施設の早期整備

以上

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