経団連は3月12日、今年度の夏休み期間に開催予定の「夏のリコチャレ2021~理工系のお仕事体感しよう!」に向けた説明会をオンラインで開催した。経団連では、内閣府および文部科学省と連携し、女子学生を中心に、理工系分野への関心を高めるためのイベント「夏のリコチャレ(理工チャレンジ)」の開催を会員企業・団体に広く呼びかけている。
内閣府と文科省がイベント概要や2021年度の募集要項について説明し、続いて、これまでイベントを実施したライオン、アマゾンデータサービスジャパン、芝浦工業大学の三者が事例等を紹介した。概要は次のとおり。
■ 理工系女性の育成に向けた政府の取り組み
イノベーションのためには多様な視点や発想を取り入れることが不可欠な一方、理工系に進む女性が国際的にみても少ないのが課題である。内閣府では、次代を担う女性の科学技術人材を育成するための取り組みを進めている。その一環として、職場体験やオープンキャンパス、女性先輩社員との交流等の機会を提供する「夏のリコチャレ」を開催している。2020年は新型コロナウイルスの影響で中止したが、19年は100団体のイベントに延べ約3万6000人が参加した。今年は、7月中旬から8月下旬までの夏休み期間に開催する予定である。
文科省では、「夏のリコチャレ」に関連した取り組みとして、出前授業や施設見学等の教育プログラムを提供する「土曜学習応援団」や、地域と連携した女子中高生の理系進路選択支援プログラム等を実施している。また、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ、AirBridge(若手有志によるワーキング・グループ)等を通じた博士課程に在籍する学生の研究環境の改善を推進している。
■ 各企業・団体における取り組み
ライオンは、理科教育支援活動に力を入れており、19年には口腔内細菌の観察や研究所見学、女性社員との座談会を実施した。今年は、オンラインならではのイベントを実施予定である。
アマゾンのクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」のデータセンターを支えるアマゾンデータサービスジャパンでは女性が活躍しており、理系分野に関連する教育プログラムも提供している。20年には、「AWS Girls’ Tech Day」を開催し、ロボット工学、人工知能等を勉強する機会を提供した。女性社員中心で構成された実行委員会を立ち上げ、今年は初めて「夏のリコチャレ」を実施する予定。
芝浦工業大学は、地域連携や生涯学習のために公開講座を実施しており、20年はコロナ禍においてオンラインで開講した。今年は、女性教員による女子生徒のための理系講座、保護者向けの理系女子のキャリア形成講座を提供する予定である。
イベント登録や詳細は内閣府ウェブサイトを参照。
https://www.gender.go.jp/c-challenge/rule.html
【ソーシャル・コミュニケーション本部】