経団連のオリンピック・パラリンピック等推進委員会(豊田章男委員長、長榮周作委員長)は今年度、企業経営者がアスリートとともに全国各地を訪れ、アスリートとアスリートをサポートするスタッフとの交流を図り、委員会の活動に活かす取り組みを行っている。その一環として、長榮委員長が13日、大阪市此花区にある大阪市舞洲障がい者スポーツセンターで開催されている、日本ボッチャ協会強化合宿の現場を訪問した。
当日はまず、同協会の代表理事で大阪府立大学・総合リハビリテーション学研究科教授の奥田邦晴氏から、ボッチャが重度障がい者の競技スポーツへの参加を可能にするために考案されたスポーツであること、重度の脳性まひ者、および筋ジストロフィーや頚髄損傷のような四肢・体幹に重度の機能障がいがあり、日常、移動手段として電動車椅子を利用している人々を対象としたスポーツであることなどの説明を受けた。加えて、競技のルールやその面白さ、日本チームのこれまでの戦績、強化の方向性、トレーニング方法の開発などとともに、「大阪府立大学と同スポーツセンターがその科学的なトレーニングの基地として、2020年東京パラリンピックで好成績を挙げられるように努力している」との話を聞いた。
その後、体育館内で行われている強化合宿を長榮委員長が視察。ボッチャ日本代表ヘッドコーチの村上光輝氏や主将の杉村英孝選手らの指導を受けプレーを体験した。長榮委員長は同行したパナソニック野球部の梶原康司監督、田中宗一郎主将らとともに、ミニゲームに参加し、さらにリオ大会で銀メダルを獲得した代表選手4名らと懇談した。
長榮委員長は、「ボッチャを実際にプレーしてみて、ボッチャという競技が戦略性に富み、奥の深いスポーツだということが理解できた。今日は、野球部のメンバーを連れてきたが、彼らにも役に立つものがあったと思う」と述べたうえで、「日本代表チームは、前回のリオ大会で銀メダルを獲得したが、『東京大会で金メダル獲得』という強い意気込みを感じた。2020年は目前に迫ってきているが、経済界としてアスリートとサポートするスタッフの支援が極めて重要であることをあらためて感じた。私自身、今回の現場訪問を通じて、さらに何をしていくべきかを考え、アスリートの皆さんが東京大会ですばらしい結果を残せるよう支援を強化したい」と語った。
同委員会では今後も、こうした活動を委員会参加企業の経営者が主体的に取り組んでいくこととしている。
【教育・スポーツ推進本部】