経団連の榊原定征会長は23日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
榊原会長はまず、米国第一主義を掲げたトランプ新大統領の就任演説に言及。産業促進的な政策のもと米国経済が強化され世界経済を牽引し、日本経済の回復の足取りが強まることに期待を示した。一方、TPP離脱、NAFTAの見直し等、自国産業保護を重視する通商政策に懸念を表明。日本の経済界は政府とも連携し、自由で開かれた貿易通商体制の推進を働きかけるとした。
春季労使交渉の開始にあたり、収益が拡大・改善中の企業に、昨年に続き、年収ベースでの賃金引き上げの前向きな検討を呼びかけたと説明。ベアを含め賃金引き上げの取り組みは個社の支払い能力、業績、労使交渉次第だが、今後、各企業労使で真摯な議論がなされ、賃金引き上げのモメンタムが継続し、多くの人が経済の好循環を実感できるよう、期待を示した。
働き方改革では、長時間労働の是正に向けた36協定の見直しは、従業員の健康保持と事業の継続性の両面から検討する必要があるとした。また、同一労働同一賃金の実現に向けて、正規・非正規間の不合理な待遇差の是正が重要と指摘。非正規社員の待遇改善が進み、個人消費が活性化し、経済の好循環につながることに期待を表明した。
【広報本部】