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会長コメント/スピーチ  会長スピーチ グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて ~内外情勢調査会における十倉会長講演~

2022年6月16日(木)
於:グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3F北辰
講演資料はこちら

経団連会長の十倉でございます。

本日は伝統ある内外情勢調査会にお招きいただき講演の機会を賜りまして、誠にありがとうございます。経団連会長に就任して1年が経ちました。この間、新型コロナウイルスの変異株の流行やロシアによるウクライナへの侵略など、国内外の情勢は目まぐるしく変化しております。経団連会長としてまさに激動の1年目だったと感じております。

こうした中、経団連は、さる4月に、私が最重要課題と考えておりますグリーントランスフォーメーション(GX)に関する提言をとりまとめました。本日はこの提言の内容について、私の思いを交えながらご紹介させていただきます。気候変動問題、グリーントランスフォーメーションというシングルイシューでのプレゼンとなりますが、よろしくお願いいたします。

まずスライド1をお開けいただきたいと思います。言うまでもないことですが、資本主義あるいは市場原理が優れた制度であることは論を俟ちません。しかしながら昨今、行き過ぎた資本主義、行き過ぎた市場原理主義等で多くの問題、副作用が起こっております。大きなものがこの2つかと思います。1つは格差の拡大・固定化・再生産であります。もう1つは生態系の崩壊。これには、気候変動問題、新興感染症等があります。このうち特に気候変動問題は、経団連が掲げるサステイナブルな資本主義の大前提となるサステイナブルな地球環境の存続すら危うくさせるものであります。

そこで経団連は、私が会長に就任した直後より、「2050年カーボンニュートラル」に向け、経済・社会の根底からの変革であるグリーントランスフォーメーションの課題や道筋につきまして、集中的な議論・検討を重ねてまいりました。この検討の成果として、4月下旬に提言「グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて」を公表いたしました。岸田総理は、クリーンエネルギー中心の経済・社会・産業構造に転換し、気候変動問題に対応していくことを、これまでの資本主義の負の側面を克服していく「新しい資本主義」の中核的課題であると位置づけられております。今回の経団連提言ともまさに軌を一にするものと考えております。

スライド2をお開けください。まず提言の背景として、気候変動をめぐる現下の状況をご説明いたします。東大の石井菜穂子先生がお使いになった表ですが、人類は今、約1万2000年前から始まりました完新生にございます。この完新生というのは、ホモ・サピエンスが農耕を開始し、これを基盤に人口を増やしながら文明を発展させてきた時代であります。

グラフは過去10万年の気候変動でありますが、20万年前に誕生したホモ・サピエンス、人類の文明はこの間氷期である完新生という例外的に気温が一定の範囲で安定していた時代の地球システムに依存してきました。我々は希有な時代に生きていると言えると思います。

スライド3をお開けください。完新生におきまして、世界の人口はしばらく横ばいないし微増という状況を維持してきました。しかし、産業革命を契機に、20世紀以降爆発的に増加しております。20世紀初頭には20億人に満たなかった人口が、2050年には100億人近くに迫ろうとしております。

これとよく似たグラフがスライド4にございます。産業革命以降の人口の増加と経済成長に伴い、大気中のCO2濃度も急激な上昇が続いていることを示した表でございます。足元では400ppmを超えており、まさに地球が悲鳴を上げているような状況です。450ppmを超えますと、ティッピングポイントと申しまして、不可逆反応で温暖化が暴走反応を起こすと言われています。我々はすぐそこまで来ているわけでございます。まさに我々人類はプラネタリー・バウンダリーの境界に足を踏み入れており、完新生の次の時代、人が地球全体の環境に影響を及ぼすようになった時代を「人新生」、ひとしんせい、じんしんせいと呼ぶ所以であります。スライド3とスライド4のグラフを両方合わせていただきますと、いかに相似形のグラフになっているかというのが分かっていただけるかと思います。

スライド5をお開けください。こうした中、わが国は「2050年カーボンニュートラル」と温室効果ガスの2030年度46%削減に国際的にコミットしております。

27ページを開けていただきますと、各国のカーボンニュートラルへのコミットが書いてあります。横軸にEU、日本、米国、中国も書いております。縦に長期目標、中期目標とあります。EU、日本、米国はいずれも、2050年にカーボンニュートラルを目指し、達成することを掲げております。中国は2060年にカーボンニュートラルを達成するとしています。

最も多くのCO2を排出していた時から何%減という観点からすると、EUは1990年比55%、日本は東日本大震災の後の2013年度比46%、そして米国は2005年比50~52%としています。中国は2030年までに削減に転じさせるとしています。

5ページに戻っていただきたいと思います。2030年まではあと8年足らずであり、2050年もすぐ先であることから、豊かな地球環境を次世代に残していくための時間的猶予はありません。いまこそグリーントランスフォーメーションをわが国の成長戦略の柱として位置づけ、投資拡大を通じた持続可能な成長、グリーンリカバリーへとつなげていく必要があります。

一方、グリーントランスフォーメーションは、トランスフォーメーションの名の通り、あらゆる主体に行動変容を迫るものであり、その過程においては、大きな社会変革を伴います。個々の国民や企業は大きな変化にさらされ、特に、産業構造転換の影響を受ける労働者への影響は甚大なものがあります。さらに、エネルギー資源に乏しく、地理的制約のあるわが国においては、電力コストの上昇といった追加の国民負担が生じる可能性も高いと考えられます。このような「不都合な真実」も含め、国民の理解の醸成が必須となります。

スライド28をお開けください。これは米国のピュー・リサーチ・センターが気候変動問題の国民意識を国際比較したものでございます。日本人の行動変容の意識は「ある程度変える」「大きく変える」がそれぞれ47%、8%で計55%です。例えばカナダは、両方合わせて82%です。イタリアは93%、ヨーロッパ諸国は軒並み80%~90%です。一方、「全く変えない」「少しだけ変える」というのは、日本が44%であるのに対し、欧米は10%~20%というような状況です。

5ページに戻っていただきたいと思います。政府は国民の理解を得るべく、「2050年カーボンニュートラル」を目指すことの意義や目指すべき経済・社会像について、ストーリー性のある分かりやすい説明を尽くす必要があると思います。また、GXによって生じる新たなコストを社会全体でどのように負担していくかについても、正面から国民的な議論を喚起すべきと考えます。

スライド6をお開けください。「2050年カーボンニュートラル」に向けた7つのパスウェイ、道筋を書いております。まずは、いかに化石燃料を使わないようにするかです。そこで、再エネや原子力といった化石燃料を使わないゼロ・エミッション電源を確保し、これによって、今まで熱源を利用してきたものを極力電化することです。そのためのインフラとして、送配電網の整備や蓄電機能の確保など、次世代電力ネットワークの実現も欠かせません。それでも残ってしまう熱源については、カーボンフリーの水素やアンモニア等の導入拡大を図るべきです。

ただし、有機物はすべからく炭素からできております。プラスチック、ゴム、繊維、農薬、医薬品などです。我々の体をかたちづくっておりますアミノ酸、タンパク質も全て炭素からできております。地球上から炭素を無くすことはできませんし、無くすべきでもありません。

そこで、材料における炭素をリサイクルする技術である、カーボンリサイクルやケミカルリサイクルを推進していく必要があります。併せて、鉄鋼業におけるゼロカーボンスチールなど、エネルギー需要側における生産プロセスの変革や、革新的な製品・サービスの開発及び普及による脱炭素化が求められます。それでも排出されてしまうCO2については、これを分離・回収するネガティブエミッションの技術も必要になってまいります。これらを組み合わせて、日本だけではなく世界で「2050年カーボンニュートラル」を実現すべきです。

スライド7をお開けください。これらの取り組みを進めるに当たりまして、4つの視点を踏まえる必要があると考えます。第一にイノベーションです。「2050年カーボンニュートラル」の実現は、既存の取り組みの延長では実現困難です。現時点では存在しない革新的な技術の開発と社会実装、すなわちイノベーションが不可欠となります。カーボンニュートラルに不可欠となるイノベーションというのは時間がかかります。開発から社会実装には、20年近く要すると言われています。開発で10年、パイロットプラントをつくって実証し、本格的な社会実装としてプラントをつくる。そのチューニングも行う。2050年から逆算すると、残された時間的猶予はありません。

第二にトランジションです。イノベーションは一朝一夕には成らず、カーボンニュートラルは一足飛びでは実現できません。そこで、カーボンニュートラルへの円滑な移行、すなわちトランジションに向けた対応が求められます。具体的には、BAT(Best Available Technology)と呼ばれる経済的に利用可能な最善の技術の最大限の導入をはじめ、現時点で取り得るあらゆる手段を総動員し、GHG(温室効果ガス)排出量の最大限の削減に取り組んでいかなければなりません。

スライド29をご覧ください。現在からカーボンニュートラルに一足飛びすることはできません。イノベーションも失敗するものもあれば成功するものもありますし、新しく出てくるものもございます。まずはトランジションを確実に進め、その上でカーボンニュートラルを実現するという道筋が必要になろうかと思います。

スライド7に戻っていただきたいと思います。第三は投資の促進です。イノベーションとトランジションを進めるためには、官民の投資を最大限引き出す必要がございます。とりわけ、民間投資を後押しするための環境整備が必須となります。

第四に、産業競争力の強化です。グリーントランスフォーメーションは成長戦略であり、わが国企業が国際競争を勝ち抜くべく、産業競争力の維持・強化に資することが不可欠です。主要な諸外国が、グリーン成長を国家戦略の柱と位置づけている中で、現状に手をこまねいていれば、産業競争力を喪失し、国際競争に大きく劣後することになりかねません。

スライド8をご覧ください。こうした4つの視点を踏まえ、政府は、GX政策パッケージを国家のグランドデザインとして早急に策定し、実行すべきと考えます。これにより、官民の投資を最大限引き出し、産業の国際競争力を維持・強化する必要があります。

このパッケージでは、8つの分野で具体的な政策の実行が必要であると経団連は考えております。上の段は主に技術に関わること、2番目の段はカネに関わること、最後の段は経済社会に関わることと分けています。技術関連では、エネルギー供給構造の転換、原子力利用の積極的推進、電化の推進・エネルギー需要側を中心とした革新的技術の開発ですし、カネに関わる分野では、グリーンディール、サステナブル・ファイナンス、そして経済社会に関わる分野では、産業構造の変化への対応、カーボンプライシング、攻めの経済外交戦略であり、これら8つの分野で具体的な政策実行を行なう必要があると考えております。

スライドの9をお開けください。これら8つの政策パッケージを総合的かつ統合的に進めるために、まずはロードマップと司令塔が必要です。企業によるGXに向けた積極的な投資を促進していくためには、「2050年カーボンニュートラル」に向けた中長期のエネルギー・気候変動政策に関する動向や、投資回収に関する予見可能性の確保が不可欠となります。そこで政府は、2050年に向けて社会実装が必要となる技術、投資額、政策に関して、時間軸を付した実効あるロードマップを明示すべきと考えます。

併せて、ロードマップの策定及び実行に当たり、その司令塔機能を担う省庁横断的な「GX実現会議」の創設も求めております。この会議体のメンバーは、内閣総理大臣を議長とし、関係省庁の長のほか、産業界や学術界の有識者を加えることで、多様な立場の視点・知見を結集させる必要がございます。会議においては、GXに向けた効率的な資源配分や、社会全体でのコストの負担のあり方、そして、他の重要政策との連携等についても集中的な議論を行い、具体的な方向性を見出していくことが求められます。「総合的に俯瞰して統合的に実施する」というのがミソであります。

スライド10をお開けください。スライド8に掲げました8つの分野の政策について、それぞれご説明をさせていただきます。まず1つ目として、エネルギー供給構造の転換です。「2050年カーボンニュートラル」の実現には、GHG排出の大宗を占めるエネルギー分野での抜本的な構造転換が不可欠です。こうした中にあっても、エネルギーの政策の基本が「S+3E」であることは変わりません。「S」はSafety(安全性)のSです。そして「3E」はEnergy security(エネルギー安全保障)、Environment(環境適合性)、Economic efficiency(経済効率性)で「S+3E」です。とりわけ、昨今のウクライナ情勢を踏まえ、エネルギー安全保障の重要性が国際的に再認識されました。自給率の向上、調達先の多角化などを通じたエネルギー安全保障の強化に早急に取り組む必要があります。しかし、少し思い出せば、東日本大震災のときは、原子力発電の事故を契機として、SafetyのSが非常に重要視されました。そして今日お話ししている気候変動問題というのは環境問題であり中長期の問題です。その時代その時代で様々な課題が強調されますが、バランスが重要であり、「S+3E」のバランス確保が大事です。

また、わが国は資源が少なく、再エネの立地にも制約があるなど、国際的に見ましても、カーボンニュートラルを目指す上でのハンディキャップを抱えています。こうした「不都合な真実」を正しく認識し、3Eの確保に資する形での取り組みを進めていくことが重要です。

スライド32をご覧ください。これは国際連系線(グリッド網)を描いております。欧州はEUに属する国が連系線で接続されています。ドイツはゼロ・エミッションの電源である原子力由来の電気をフランスから融通できます。アイスランドも地熱発電でつくった電気を、グリッド網を通じて他国に輸出しています。北欧はこうした再生可能エネルギーが盛んであり、発電した電気をヨーロッパ諸国に輸出しています。他方、日本は、韓国や中国とのグリッド網はありません。島国で孤立しています。

スライド13をお開けください。平地面積当たりの太陽光発電の設備容量を描いております。太陽光発電が一番多い国は中国ですが、以下、米国、日本、ドイツです。ドイツと日本の国土面積はほぼ一緒で、太陽光発電の設備容量も日本が少し多いだけです。ただ、日本は国土の3分の2が山あるいは山間地です。ドイツは3分の1が山間地です。従って、太陽光発電を設置しようにも日本には平地が余りないということです。山間地を切り開いて設置するという手立てもありますが、そうすると自然災害につながっていくという面もあります。

スライド31をご覧ください。洋上風力の設置可能面積を比較した図です。英国には遠浅の海が多くありますが、他方、日本は海底地形が深く急です。従って、環境調査を含めて建設コストがかかりますし適地も少ないということで、設置可能面積も英国の約8分の1と言われております。それ以外にも、地熱エネルギー量は、米国、インドネシアに次いで日本は3番目ですが、国立公園や温泉の問題があって、なかなか地熱発電の議論が進みません。

10ページにお戻りください。エネルギー分野で取り組まねばならない課題は多岐にわたりますが、電源の脱炭素化と電力ネットワークの次世代化、そして産業・運輸・民生部門における熱・燃料の脱炭素化の2点を中心に取り組んでいく必要があります。

はじめに、電源の脱炭素化につきまして、特に原子力に関しては、その重要性に鑑み、提言では1つの別の章を立てておりますため、ここではまず再エネと火力を中心にご説明します。

「第6次エネルギー基本計画」における2030年の電源構成ですが、2019年に8割弱あった化石燃料を、2030年には40%に少なくし、その代わり、24%だった非化石燃料を約60%に高めようとしています。

スライド10にお戻りください。再エネは、「2050年カーボンニュートラル」の主力となることが期待されるとともに、足元、化石電源に依存する日本のエネルギー安全保障の強化に資する電源です。低コスト、安定供給、責任ある事業規律を備えた主力電源として導入を拡大していくことが重要です。2030年度に向けては、エネルギーミックスの実現に向けて、競争力獲得が見込まれる洋上風力や屋根置き太陽光の導入等に官民の資源を集中する必要があります。こうした取り組みと並行して、2050年に向けて、技術の開発・普及と事業環境整備に今から取り組む必要があります。新しい技術としては例えば、ペロブスカイト太陽電池のように、軽量で柔軟性があり、窓ガラスとしての応用も可能な、そういう技術開発も進めようとしています。

次に、火力発電については、調整力(負荷追従性)・慣性力・同期化力に優れた現在の主力電源であります。他方、現在のわが国の火力発電依存度は、先ほど示しましたように8割近くとなっています。2030年に向けて、LNGといった低炭素燃料への転換を進めるとともに、火力依存度を低減していくことが基本となります。「2050年カーボンニュートラル」を見据えると、火力の脱炭素化に不可欠な、水素やアンモニア、CCUSに係る技術開発・実証に精力的に取り組むことが求められます。

CCUSは、Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage の略でありまして、CO2を捕まえて再利用する、ないしはストレージするという技術です。

電力分野でのカーボンニュートラルの実現に向けては、電源側だけでなく、ネットワーク側の対策も不可欠です。再エネの大量導入や分散化・デジタル化の進展といった今日の潮流を踏まえ、ネットワークの次世代化を図っていく必要があります。その際、ネットワーク投資を抑制しながら、多くの再エネ等の変動性電源を導入していくためにも、蓄電池や揚水発電等の活用を進めていく必要があります。

スライド12をご覧ください。原子力は3E、すなわちEnergy Security、Environment、そしてEconomic Efficiency、この3Eのバランスに優れる確立された脱炭素電源であり、カーボンニュートラル実現に不可欠な技術です。とりわけ、昨今のウクライナ情勢は、地政学リスクに左右されにくい原子力の重要性を再認識させました。安全性の確保と地元の理解を大前提に継続的に活用していくことが重要と考えます。

こうした中、2030年度のエネルギーミックスで示されている原子力比率20%の実現に向けては、約27基の原発の再稼働が必要となります。他方、東日本大震災後に再稼働した発電所は10基にとどまっており、現在実際に稼働しているものは3基(講演当時/現在は7基が営業運転中)となっています。原発の再稼働を急ぐ必要があります。また、既存設備の有効活用等の観点から、運転期間の60年への延長の円滑化も重要です。その上で、全てのプラントの運転期間を60年に延長しても、プラントの基数は2050年には23基、2060年には8基と急激に減少していく見込みです。仮に2050年の原子力比率を20%とする場合、約40基の稼働が必要となります。2030年時と比較して必要な基数が増えていますのは、データセンターの設置等により2050年には電力需要が飛躍的に増加し、約1.4倍の電力需要を想定しているからです。核融合が実現していればよいのですが、そうでなければ2050年以降も原子力発電は然るべき役割を担う必要があります。そこで革新軽水炉、水素製造にも活用可能な高温ガス炉、スモールモジュールリアクタ(SMR=小型炉)が求められます。従来の原発は1GW程度の発電能力ですが、0.3GWぐらいの小規模のSMRであれば、不測の事態が生じた際にも自然冷却が期待でき、安全性が確保できます。さらに、放射性廃棄物の減容化(量を減らす)や有害度低減に優れている高速炉等を念頭に、革新炉によるリプレース・新増設の是非を検討することが不可欠と考えます。並行して、安全性が高く、高レベル放射性廃棄物を出さない核融合の研究開発を強力に推進する必要があると考えます。核融合は「30年後に実現可能」と言われて、もう20年、30年が過ぎております。今度こそ本気で取り組まなければなりません。人類全体を考えますと、地球上に太陽をつくる核融合、これが究極の目標かと私は思います。

スライド13をご覧ください。上側に示しているのは、IEAが試算したわが国における電源別の発電コストです。左側2つが原子力の新設と長期運転にかかわるコストであり、既設プラントによる発電は極めて経済性が高いという結果が示されています。この意味でも再稼働を急ぐ必要があると考えております。

スライド30をご覧ください。各電源の特性を比較しました。この表の見方は、横に化石燃料、原子力、再エネととっています。そして縦軸に3Eをとっております。化石燃料は、負荷追従電源すなわち調整電源です。原子力は長期固定電源すなわちベースロード電源、再エネは太陽や風力によって大きく変動する変動性電源であります。下の図は2050年カーボンニュートラルを実現する電力需給のイメージを示しています。昼間には太陽光が多く発電できますが、電力需要はそこまでありません。従って、余った電力を蓄電しなければいけません。太陽が沈む時間帯から太陽光の供給力が急減する一方で、電力需要は減らないため、火力発電で補っています。これを底上げするためにも、長期固定電源すなわちベースロード電源が必要になります。電源は、様々な選択肢を組み合わせ、ベストミックスを実現しなければいけないということです。そして、原子力や再エネの比率をできるだけ高めていく必要があります。

スライド11にお戻りください。電力は、現時点で脱炭素の技術が確立しているとは言えませんが、脱炭素への道筋は確立していると言えます。しかしながら、産業向けの熱需要をはじめ、技術や経済性の観点から電化が難しい領域もあります。こうした領域では、水素やアンモニア、合成メタン等の活用がカーボンニュートラル実現のカギを握ります。

産業・民生部門においては、2030年に向けて、LNGなどの低炭素エネルギーへの転換や、エネルギー利用の高度化を進めることが肝要です。また、2050年に向けては、水素、アンモニア、合成メタン等の社会実装と安価かつ安定的な供給を見据え、研究開発や国際的なサプライチェーン構築に、足元から取り組む必要があります。

また、運輸部門におきましては、まず自動車に関して、EV・水素ステーションの整備に加え、内燃機関で、水素や合成燃料、バイオ燃料などを活用するための技術開発や供給体制の整備に取り組む必要があります。併せて、航空機や船舶のカーボンニュートラル化を進めるべく、持続可能な航空燃料、いわゆるSAFやアンモニアなどの研究開発・実施を進めていくことも重要です。

スライド14をご覧ください。こうしたエネルギー供給構造の転換と併せて、エネルギー需要側における対応も求められます。

具体的には、第一に、省エネと電化です。さらなる省エネを進めつつ、既にコスト競争力を獲得している、ヒートポンプ等の電化製品の普及を促すことで、家庭やオフィスの電化を加速し、電化率の向上を図る必要があります。

第二に、エネルギー需要側におけるイノベーションです。既に数多くの企業・業界が、例えば、鉄鋼業界における水素還元製鉄や、化学業界におけるケミカルリサイクル技術、メタネーション技術、あるいは自動車業界における電動化、住宅産業におけるゼロ・エミッションビルディング、ゼロ・エミッションハウスといった電化・省エネ・脱炭素につながるイノベーションに積極的に取り組んでおります。また、バイオエネルギーの回収・貯蓄いわゆるBECCS、それから大気中のCO 2を直接回収して貯留するDACCSといった技術の開発にも取り組む必要がございます。政府は、こうした企業によるイノベーションへの挑戦を継続的かつ強力にバックアップするための施策の展開や投資環境の整備を進めるべきと考えます。

第三はグローバル・バリューチェーンです。グローバル化が進んだ今日、多くの経済活動は国境を超えて展開されており、企業のバリューチェーンも世界中に張りめぐらされています。こうした中では、製品の製造段階のみならず、原料調達から生産、使用、廃棄、リサイクルといったライフサイクル全体を通じた排出量に注目し、その総量の削減を図っていくことが重要です。すなわちLCA(Life Cycle Assessment)の観点から、グローバル・バリューチェーンを通じた削減を後押しすることも欠かせません。

スライド15をお開けください。「2050年カーボンニュートラル」の実現のためには、継続的に巨額の投資が必要となります。例えば、国際エネルギー機関(IEA)の分析によれば、「2050年カーボンニュートラル」に必要となる世界の年間投資額は約4兆ドルとされています。これを、世界に占める日本のCO2排出割合である3%で割り戻しますと、日本国内での必要年間投資額は14.2兆円と試算されます。経団連では、2050年までの累計投資額を約400兆円としております。政府もまた、10年で150兆円、年間15兆円という試算を提示しています。この400兆円程度の投資を官民で実現し、産業競争力強化と持続的成長へとつなげていかなければなりません。そこで、わが国におけるグリーンディール政策の推進が必要となります。

現在、日本政府は10年間で2兆円という規模の「グリーンイノベーション基金」の運営を始めています。これは菅前総理の英断であると思います。1兆円でまとまるところを、2兆円に倍増されたと聞いております。企業の研究開発投資を非常に後押しするものとして、経済界としても高く評価しております。しかし、対象としてカバーするプロジェクトの範囲、社会実装・商用化のフェーズまでを視野に入れた規模の面等の観点からは、必ずしも十分とは言えません。欧米の事例を踏まえ、日本で必要となる政府負担額を計算しますと、年間で約2兆円程度と経団連では試算しております。

あくまでも、投資は基本的には民間活力によるべきです。しかし、政府には、われわれ企業の予見可能性を高めるとともに、民間の継続的な投資を促す火付け役として、年間2兆円程度の中長期の財政支出にコミットしていただきたいと考えます。また、その財源については、GXに向けた投資が今後の成長をもたらすものであることや、諸外国でいわゆるグリーン国債の発行が始まっていることなどに鑑み、GXボンドを発行すべきと考えております。

GXボンドはカーボンニュートラルに向けたトランジションやイノベーションに関する技術、社会実装に使途を限定とした国債です。メリットは将来世代が享受します。政府も10年間で20兆円、すなわち年間2兆円程度の財政支出を「GX経済移行債」によって調達することを検討すると表明しており、英断であると評価しています。

政府の役割として、一企業では背負えないようなリスクの大きい革新的技術の研究開発や水素サプライチェーンなど大規模なインフラ整備など、市場原理だけでは取り組みが進みにくい分野への投資が特に重要です。これらの分野に対する、強力な財政的支援をはじめ、民間投資促進のインセンティブとなる研究開発税制の拡充や、規制改革なども講じていくべきです。

こうしたグリーンディールの実現によって、実質2%を超える持続的成長が実現され、2050年には、カーボンニュートラルを達成しつつ、GDPは1000兆円を超えるとの試算も得ております。

スライド16をご覧ください。このように、カーボンニュートラル実現に向けた必要投資額は膨大なものとなります。こうした莫大な資金需要に対して、35兆ドルとも言われる国内外のESG資金を国内に取り込むことは、GXの実現可能性を大きく左右します。また、今後著しい成長が予測されるアジア全体においても、莫大なGXの資金需要が見込まれます。わが国がアジアにおけるサステナブル・ファイナンスの機能の中心としての地位を確立することで、GXを軸とした投資循環を創出する必要がございます。

そこで、情報開示や評価に関する基盤整備を進め、わが国の市場機能を強化していかなければなりません。その際、米国やアジアとも連携しつつ、サステナブル・ファイナンスをめぐる国際的な基準づくり、ルール形成等において主導権を発揮していくことが求められます。

情報開示は、事業者と投資家の建設的な対話の起点となるものです。気候変動開示の国際枠組みであるTCFD(Task force on Climate-related Financial Disclosures )提言に賛同する企業・機関数は日本が世界第1位です。世界では約3400社が賛同しておりますが、日本ではその4分の1に当たる880社が賛同しており、取り組みが大きく進展しています。また昨年には、コーポレートガバナンス・コードが改訂され、現在、プライム市場に上場する企業にはTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実が求められています。今後わが国として、コーポレートガバナンス・コードに基づくTCFD開示のベストプラクティスを蓄積するとともに、国内外のESG投資家等の啓発、TCFD開示企業の裾野の拡大など、開示の質と量の充実に一層取り組む必要がございます。

もう1つは評価の基盤整備であります。情報開示基盤の整備に加えて、サステナブル・ファイナンスの信認・信頼性を確保するため、評価基盤の整備も求められます。また、排出量が実質ゼロの水準である技術のみならず、先ほど来申していますように、カーボンニュートラルに向けたトランジションに必要な幅広い技術・活動に対しても投融資を促すことが重要となります。こうした観点から、トランジション・ファイナンスの国内外での普及を図っていくことが肝要です。

スライド17は、産業構造変化への対応について触れております。わが国の雇用状況を見ますと、カーボンニュートラルの影響を少なからず受ける鉄鋼、化学、セメントといったエネルギー多消費産業や化石燃料に携わるエネルギー産業における常時従業者数は約250万人と推定しております。

スライド37をご覧ください。日本の就業者数は6600万人強であります。そのうち製造業は530万人でそのうち約半分程度が気候変動による産業構造の変換にかかわる産業です。輸送機器から化学、鉄鋼、電力、ガスに至る人数を記載しています。

こうした中、既存のCO2多排出事業は転換を迫られることになる一方で、カーボンニュートラルに大きな役割を果たす新事業が生まれ、新たな雇用機会が創出されることも示唆されています。

そこで政府は、GXへの挑戦を新たな経済成長につなげるべく、社内・社外における新事業への転換や労働移動を円滑に進めていく必要があります。円滑な事業転換に向けた支援策として、カーボンニュートラルに伴う円滑な事業転換等を促す時限立法的な措置をはじめ、国内の複数企業による産業構造転換に向けた自律的な連携および企業・組織再編を促す環境を構築していくべきと考えます。

いま1つ重要なのは円滑な労働移動であります。この推進策としては、リカレント教育やリスキリングの充実・強化や、働き手の意識改革、国・自治体等による積極的な支援策を進めていくべきと考えます。社会全体での労働移動を促すための通年採用の拡大、多様で柔軟な働き方の推進なども、これの根底に横たわる非常に重要な問題であると考えます。政府は、こうした取り組みに3年間で4000億円規模の施策パッケージを展開すると表明されています。

スライド18をお開けください。カーボンプライシングもGXを目指す上で避けて通ることのできない重要課題の一つです。これは、炭素排出に価格をつけることで、削減手段を特定することなく、経済的インセンティブによって、民間活力を活かしながら排出主体の削減を促していく政策手法です。抜本的なイノベーションにつながる制度設計を行い、産業競争力への影響を検証したうえで適切なタイミングで導入することができれば、「2050年カーボンニュートラル」を実現する手段となり得ると考えています。

カーボンプライシングには、炭素排出量に応じて課税する炭素税や、排出量の上限規制を行なうキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度があります。排出量取引制度は、ヨーロッパでは20年近く前にスタートしており、EU-ETSと呼ばれています。このほか、エネルギー関係諸税、FITの賦課金、クレジット取引、インターナル・カーボンプライシング等々、様々な類型が存在しております。

こうした中、わが国では、炭素税の1つである地球温暖化対策税に加え、省エネ法、FIT賦課金、J-クレジットといった様々な制度を、既に導入しております。

これらのポリシーミックスの中から、成長に資する仕組みを導入していくべきというのが、経団連のカーボンプライシングに対する基本的な考え方であります。

望ましいカーボンプライシングの選択に当たっては、排出削減効果はもとより、マクロ経済や産業競争力への影響、国民負担のあり方、国際的整合性などについても考慮していく必要があると考えます。

スライド19をお開けください。現在、わが国では、各業界のCO2削減に向けた主体的な取り組みである「経団連カーボンニュートラル行動計画」があります。こうした主体的な取り組みはこれまで着実な成果を上げてきたことから、昨年10月に閣議決定されました「地球温暖化対策計画」では、経済界の対策の柱として位置づけられています。

スライド20をお開けください。また、政府は、企業がクレジット市場を通じた自主的な排出量取引などを行う「GXリーグ」構想を提案しているところです。現在、国内440社が構想に賛同しており、来年度からの稼働に向けた制度設計の議論が行われます。

スライド21をご覧ください。野心的な政府目標の達成には、こうした枠組みや、カーボンプライシングも含む、様々なポリシーミックスを検討しなければなりません。

カーボンプライシングの一つであるキャップ&トレード型の排出量取引制度は、CO2削減の確実性を担保しつつ、産業競争力への影響について、国際競争の状況や代替技術の進展なども踏まえた柔軟な設計が可能である制度と考えられます。タイミングも含め、日本の実情に即した適切な制度設計ができれば、有力な選択肢となり得るものであります。

そこで経団連の提言では、今後の対応の方向性として、まず、カーボンニュートラル行動計画の着実な実施やGXリーグの推進を行なうことを求めております。同時に、きめ細かな配慮が必要となるキャップ&トレード型の排出量取引制度についての検討を今から開始することを提案いたしました。

わが国では、他国に比べ、排出量取引制度に関する知見の蓄積が乏しいことから、各業を所管する省庁と、様々な業種の参加の下で、諸外国の先行事例の詳細な実態調査を行い、成長に資する制度のあり方を議論すべきです。この排出量取引制度は、EUのほか、中国、韓国も導入しておりますし、米国の一部の州でも導入されております。

また、制度の議論に当たりましては、既に実施が決まっているGXリーグを排出量取引制度に発展させることが現実的かつ効率的であり、望ましいと考えます。GXリーグは、経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行なう場として極めて有意義です。経済界としてもこれに積極的に参画し、様々な実践を行なう中で、キャップ&トレード型の排出量取引制度に関する知見・ノウハウの蓄積を図り、排出量取引制度に発展させることが可能かどうか、検討を深めていくことが求められます。

なお、カーボンプライシングのうち、炭素税の新規導入や地球温暖化対策税の税率の引き上げでは、着実な削減を担保することができず、効果は限定的です。逆に十分な排出削減効果を得ようとすれば、非常に高い税率とならざるを得ません。

日本は、揮発油税などを含めた暗示的なエネルギーコストは、CO2 1トン当たり6000円から7000円かかっています。これに例えば炭素価格1万円とか1万5000円を上乗せすると、CO2 1トン当たり2万円近くの負担になります。そうしますと、気候の厳しい地域をはじめとする国民生活への大幅な負担の増加を招くだけではなく、国際的に見てすでに高いエネルギーコストを負担している産業の国際競争力を損なうことになります。

また、財源論としての炭素税という議論もあるかと思いますが、GX実現のために必要な財源につきましては、GXボンドを活用すべきと考えております。こうしたことから、炭素税の新規導入や地球温暖化対策税の引き上げは少なくとも現状では合理的とは考えられず、慎重な議論が必要です。

スライド22をお開けください。わが国の温室効果ガス排出量は世界全体の約3%であります。地球規模でのカーボンニュートラルに貢献することが重要です。カーボンニュートラルは、一国だけでは絶対に達成できず、中国、インドも含めて、世界全体で達成しなければなりません。したがって、技術での世界貢献が日本に期待されます。世界への貢献と同時に、アジアをはじめとする海外の旺盛なグリーン需要を取り込むことで国内の成長へとつなげていかなければなりません。

そこで攻めの外交戦略として3点提言しております。第一に、途上国・新興国の脱炭素化の後押しと、わが国企業のビジネス機会の創出です。特に、今後、エネルギー需要の著しい拡大が見込まれるアジア諸国の果たす役割は極めて大きいと考えられます。アジアの国々における産業構造やエネルギー供給構造、地理的条件の違いなども配慮した、実効ある脱炭素への移行、すなわちエネルギー・トランジションを支援していくべきです。これにより、日本の優れた技術・製品の普及と展開を促し、アジア全体での脱炭素化を主導していくことで、岸田総理の掲げておられます「アジア・ゼロエミッション共同体」を構築していくべきと考えます。

第二に、水素、アンモニア、それから太陽光発電や蓄電池等で使うレアアースといった、カーボンニュートラルの実現に不可欠なエネルギー資源の確保です。関係国との緊密な連携・協調の下、官民挙げて国際サプライチェーンの構築を加速していくべきです。

現下のウクライナ情勢は、従来からの地政学リスクと併せて、わが国のエネルギー安全保障の脆弱性を改めて認識させました。円滑なトランジションの実現のためには、既存のLNG等の化石燃料の安定確保も引き続き重要な課題であり、経済安全保障の観点を踏まえたエネルギー源の調達先の多角化に向け、資源外交を積極的に展開していく必要があります。

第三に、EUが導入予定をしております炭素国境措置、いわゆるCBAM(Carbon Border Adjustment Mechanism )への対応です。これは、気候変動対策を強化しているEUに、気候変動対策を十分に講じていない国からの安価な財が入ってきますと、競争上不利を被るということで、関税等を課そうという動きであります。国際貿易上の悪影響を回避するため、関係国との連携・対話を進めつつ、WTOへの整合性確保を求めていく必要があります。また、並行して、製品単位当たりの炭素排出量に関する信頼性の高い計測・評価等に係るルールの策定・適用などに関する国際的な議論を主導していくことが求められます。いわゆるカーボン・フットプリントの計測・評価にかかわるルールのことであります。

スライド23をお開けください。以上、GXを進める際に欠かすことのできないGX政策パッケージのポイントをご説明いたしました。提言の公表後、私は岸田総理が主宰されました「クリーンエネルギー戦略に関する有識者懇談会」に招かれ、内容を説明する機会をいただきました。その場で総理からロードマップの明示や司令塔の設置、10年間で20兆円の財政支出のコミットメントなど、経団連の提言と軌を一にする方針が表明されました。総理の英断は非常に心強く、経済界として高く評価しております。

スライド24をお開けください。最後となりますが、GXは成長戦略の柱であるとともに、産業革命以来の人類史を画する、経済社会の大規模な変革であり、国民や企業は大きな変化に挑戦することが求められます。これは、未来に向けて避けて通ることのできない課題であり、わが国が世界に先駆けて経済社会の変革を成し遂げていかなければなりません。今こそ、国全体でグランドデザインを共有し、GXに向けて、あらゆる主体が協働していく必要があります。その際、科学的・論理的・定量的に、わが国の置かれている状況について、国民が理解を深めていくことが肝要かと考えます。

経団連は、社会性の視座を持ち、公のため、社会のため、国民のために、今後も積極的な情報発信や政策提言を行ない、GXに関する国民的議論を喚起してまいります。

以上で私の説明を終わらせていただきます。
ご清聴どうもありがとうございました。

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