採用と大学教育の未来に関する産学協議会
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、企業による2021年度入社対象の採用選考活動は、多数の学生を集める合同企業説明会をはじめ各種の採用関連イベントが中止・延期されるなど、例年とは異なる状況が生じています。
また、緊急事態宣言が全国で解除されたものの、今後も、「三つの密」の回避やテレワークの励行など「新しい生活様式」に沿った行動をとることが重要であり、採用選考活動も、オンラインによる面接など、方法、時期、回数がこれまでにない形になります。
さらに、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の縮小で、一部の企業では、業績の悪化や雇用の維持が難しくなってきているとの報道もあり、採用予定人数の減少などを心配されている人もいるかも知れません。このように、例年とは異なる状況の中で、これからの就職活動に不安を抱いている方がいると聞いています。
産業界と大学のトップで構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」では3月31日、学生の皆さんの不安を和らげる観点から、企業は現行の採用選考日程を基本としつつ弾力的な採用選考活動を実施すること、大学は学生に対して適切な情報提供と支援の強化を行うことを宣言しました。
今般、あらためて、現在、就職活動を行っている皆さんの不安を払拭するため、産学協議会として、以下に取り組むことを表明します。
1.弾力的な採用選考活動の実施と情報開示
企業は、弾力的な採用選考活動を実施し、自社の採用選考活動に関する情報の開示に努めます。また、年間を通じて、複数回の採用選考の機会を確保するよう最大限努めるとともに、地方の学生が都会の学生に比べて不利とならないよう配慮します。
2.入学・卒業時期の複線化
大学は、自らのアドミッション・ポリシーやディプロマ・ポリシー#1に基づき、春入学・卒業に加えて、秋入学・卒業を導入するなど、学生のキャリア形成を支援するため、多様な選択肢を提供します。
企業も、大学の自主的な秋卒業の動きに対して、通年採用、ジョブ型採用など、採用の更なる多様化・複線化で対応します。
3.産学協議会による「産学共同ジョブ・フェア(仮称)」の開催
政府や自治体の感染拡大予防ガイドラインに従いつつ、2020年夏から秋に、産学協議会として「産学共同ジョブ・フェア(仮称)」の開催を検討のうえ具体化し、学生の皆さんに、企業説明会・採用選考会に参加する追加的な機会を提供します。
- 各大学に策定・公表が義務づけれている方針で、アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)は、どのように入学者を受け入れるか、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与方針)は、どのような能力を身に付けた者に卒業を認定し学位を授与するかの方針