一般社団法人 日本経済団体連合会
一般社団法人 日韓経済協会
わが国と韓国は、貿易・投資交流はじめ密接な経済関係を有し、互いに重要なパートナーとなっている。かかる経済関係の緊密化に伴い、人的交流も拡大しており、韓国における在留邦人の長期滞在者は約2万8千人#1、わが国における韓国籍の中長期在留者は約8万5千人#2に上っている。
こうした中、2005年に発効された日韓社会保障協定により、年金の二重加入の問題は解消されたものの、同協定には年金加入期間の通算規定が設けられておらず、韓国年金に加入する現地採用の邦人社員や派遣期間5年超10年未満の社員等については保険料が掛け捨てとなる状態が発生している。こうした課題の改善は、日韓の人材交流を一層活性化するとともに、企業のグローバルな事業展開における人材配置の柔軟性を高める要因となる。
また、近年わが国経済界は、若年層の高い失業率が社会問題となっている韓国の経済界と協力し、わが国における韓国の若者雇用の促進に取り組んでおり、年金制度を含めた就労環境の改善は、韓国の有能な若者のわが国での就職を一層促進するとともに、わが国企業の競争力強化にも資するものである。
本年は「日韓パートナーシップ宣言」が発表されてから20年という節目の年である。両国の友好協力関係をより高い次元に発展させるとの同宣言の趣旨に基づき、両国の経済及び人的交流のさらなる拡大に向け、両国政府が日韓社会保障協定の改定交渉の早期開始に合意することを強く望むものである。
なお、先般の「ベトナムとの社会保障協定の早期締結を求める」(2018年6月19日付 経団連、日本在外企業協会、日本貿易会)で要望したベトナム、メキシコ、タイ、インドネシアとの社会保障協定の交渉開始や中国との社会保障協定の早期発効についても取り組みを期待している。
- 外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成30年要約版)における長期滞在者の数。
- 法務省「平成29年末現在における在留外国人について」における中長期滞在者の数(永住者を除く)。