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Policy(提言・報告書)  地域別・国別 欧州 英国のEU離脱に関する第二段階の交渉に向けた意見

英文正文
2018年3月16日
一般社団法人 日本経済団体連合会
在欧日系ビジネス協議会 (JBCE)
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英国とEUの離脱に関し、昨年12月8日、第一段階の優先事項について大筋で合意に達し、進展がみられたことを歓迎する。

しかしながら、移行期間および将来の関係に関する第二段階の交渉こそ、企業のビジネス戦略に大きく影響するものである。ノーディールの離脱といった最悪のシナリオは、未だに可能性として残る。英国とEUに対し、下記の事項を考慮し、経済を最優先に交渉に取り組み、欧州のみならず、世界経済への悪影響を最小限にとどめることに全力を尽くすよう強く求める。

1.移行期間

まずは、次のような移行期間に速やかに合意することが依然として最優先である。

第一に、経済活動のあらゆる側面において現状を維持できるよう、英国においてEUアキ(EU法・制度)の全てが引き続き同一の法的効果を持つこととすべきである。これには、移行期間において、EUの単一市場とEU関税同盟に英国が残留することが必要となる。

第二に、EUと英国が将来の関係に合意するとともに、ビジネスオペレーションの変更に伴う準備のための時間が確保できるよう、移行期間は十分な長さとすることが望ましい。

上記のような移行期間に速やかに合意がなされなければ、企業は最悪のシナリオを前提とする緊急時対応計画を実行に移さざるを得ない。ビジネスの継続性・安定性の観点から、新たな関係を規定する英国とEUの協定は、移行期間終了後ただちに発効させることが重要である。これが実現できない場合、英国とEUは柔軟性を発揮し、移行期間を延長すべきである。

また、移行期間に関する合意の確実な履行を担保するため、離脱協定の締結と批准・発効が可能な限り早い時点で実現することを強く期待する。

2.将来の英国とEUの関係

将来の英国とEUの関係については、外交・安全保障および司法・内務に関する協力の維持に加えて、可能な限り緊密な経済枠組の構築を求める。以下のような要素を有する将来の枠組みに遅滞なく合意し、それを公表することが、ビジネス活動の予見可能性を高めうえで不可欠である。

  • 英国とEUの間での出来る限り高いレベルの市場アクセスの実現、無関税貿易の維持
  • 簡素な通関手続き・原産地規則の実現(EUのAEO制度の維持、FTA締結第三国の原産品の累積)
  • 相互承認・同等性評価手続への合意を含む特別の合意を通じ、英国とEUの間での広範な経済分野における規制・基準の整合性の確保
  • 移行期間終了後の一定の期間において、許可、登録、認可、ライセンス等の権利の有効性を維持するための経過措置を導入

加えて、移行期間終了後も、研究助成制度などのEUの各種のプログラムに英国が参加を継続することが望ましい。

3.EUの有する第三国との協定と多国間協定の扱い

FTAなどのEUが第三国と締結した協定、ならびにEUとして締結した多国間協定については、英国について移行期間中そして移行期間終了後も権利・義務が継続されるための措置が必要である。

とりわけ日EU EPAについては、日EU EPAに基づく利益を、離脱前に発効した場合には発効後から継続して離脱後も移行期間中に亘り、離脱後に発効した場合にはその時点から移行期間中に亘り、日英双方が享受するために必要な措置をとるよう、英国、EUそして日本政府に対して求める。

将来における日英間のEPAについては、移行期間終了後ただちに発効可能とすべきである。

我々は引き続き交渉を注視し、共同あるいは個別に意見を述べていく。

以上

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