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ザ・シティ・UK
コロンビア全国ビジネス協会
米国サービス産業連盟
欧州サービス産業連盟、香港サービス産業連盟
経団連/サービス貿易自由化協議会
台湾サービス産業連盟
グローバル・サービス・コアリションはデータローカリゼーションに関し
強力かつ明確なTiSAの規律を求める
グローバル・サービス・コアリション(GSC)は、メンバー各国・地域のサービス産業のため、とりわけ国際貿易・投資に関する課題について発言する。電子的手段によって可能となるサービスは、現代の競争力ある経済の核心にある。世界中のビジネスがグローバル市場で競争する中にあって、国境を越えたデータの自由な流通は、通商の活力の源泉となっている。全ての財・サービスの貿易―発注から配送の確認まで―が今やデータの電子的な移転が関与している。データ移転は今日、ビジネスのコミュニケーション上、あらゆる目的に資する手段であり、全ての産業における経済成長とイノベーションを促進するものである。これが意味するのは、強制的なデータローカリゼーション政策と慣行の存在や提案が通商上の重大な障壁となっていること、また、そうした政策や提案によって、世界規模での持続的な成長と通商・商業の成功が阻害される懸念があるということである。
財・サービスの貿易が自由に流通するうえで、個々人にとっては自身の個人情報が安全に保持されることへの信頼がなくてはならない。また同時にビジネスにとっては、データ保護の制度が透明かつ予測可能であり、可能な限り貿易制限的でないことが必要不可欠である。GSCは、データセキュリティと適切かつ効果的な個人情報保護が重要であり、これは適用可能なプライバシーとセキュリティに関する規制の遵守を通じて担保可能であることを認識している。しかしながら、データの自由な流通に対する例外は、正当な公共政策上の目的に限定されるべきであり、GATS(サービスの貿易に関する一般協定)におけるデータプライバシーを含む条項(GATS 第14条)#1に完全に従わなければならない。
サービス貿易に関する新たな協定(Trade in Services Agreement:TISA)は、あらゆる産業分野にまたがるグローバルなサービス貿易に関する高いレベルの規律を創造し、国境を越えるデータの自由な流通を保障する強力な規律を提供しなければならない。GSCは各国の交渉官に対し、あらゆるサービス分野においてデータの自由な流通を保障し強制的なデータローカリゼーションを禁止する強力かつ効果的な規律に合意するための努力を倍加するよう求める。
2016年9月
- GATS(General Agreement on Trade in Services )は「世界貿易機関を設立するマラケッシュ協定(WTO協定)」の一部であり、サービス貿易の障害となる政府規制を対象とした初の多国間国際協定。一般的義務として最恵国待遇(全加盟国のサービス提供者に他の加盟国と同等の最も有利な待遇を付与する)、国ごとに約束した分野における自由化等が義務とされる。ただしGATS第14条により、恣意的・不当な差別又は偽装した貿易制限とならないことを条件とする一般的例外が認められており、加盟国は、GATS規定に反しない法令の遵守を確保するために必要な措置として、プライバシーの保護、安全等にかかわる措置を採用・実施することができる(14条c)。