カナダ・サービス連盟
ザ・シティ・UK
コロンビア全国ビジネス協会
米国サービス産業連盟
欧州サービス産業連盟
香港サービス産業連盟
経団連/サービス貿易自由化協議会 (注)
メキシコ・サービス連盟
ビジネス・ニュージーランド
台湾サービス産業連盟
トリニーダード・トバコサービス産業連盟
ブラジル全国サービス連盟
シンガポールビジネス連盟
2015年末の数週間が鍵となる国際貿易と投資サービスに関する課題
グローバル・サービス・コアリション(GSC)は、国際貿易と投資について、各国のサービスセクターを代表して発言する。金融、保険、専門職サービス、情報・通信技術、急送貨物・運輸、小売、教育、電子セキュリティ、エネルギーと環境サービス、観光・輸送など、サービス産業は、近代的かつ競争力のある経済の根幹をなす。われわれは、サービス分野の貿易・投資の自由化を継続すること、また、経済成長、雇用創出、消費者の選択肢拡大をもたらすサービスに関するルールを近代化することに、共通の利益を有している。
2015年末にむけた数週間には、各国政府と交渉官にとり、多国間、複数国間、地域間のレベルにおいて、これらの恩恵を実現できる主要なステップとなるいくつかの重要な機会がある。今月初め、世界貿易の40%を占める12カ国によりTPP協定交渉が妥結した。12月15日~18日には、第10回WTO閣僚会議がナイロビにおいて開催される。また、世界的に重要な他の関連する交渉について、進展に向けた圧力が強まる。すなわち、TiSA(The Trade in Services Agreement:新サービス貿易協定)交渉、TTIP(米EU Transatlantic Trade & Investment Partnership:米EU環大西洋貿易投資パートナーシップ)協定、そして、日EU経済連携協定(EPA)である。これらのイニシアチブはともに、世界貿易全体とサービス分野の貿易投資の促進に資するものとなる。
GSC(グローバル・サービス・コアリション)は、WTOナイロビ閣僚会議の成功と、貿易政策担当者によるアジェンダ設定の進展の見通しについて、強い懸念を有している。世界は金融危機の深刻な局面から復活してきたものの、完全な成長と回復については確実でない。WTOは金融危機からの回復において重要な役割を担っており、WTO自身が遂行することを設定した主要課題において新たなモメンタムを創出しなければならない。これらの鍵は、ナイロビにおいて前向きな課題による現実的なパッケージを採択することにより、ドーハラウンドのアジェンダの先に進むことである。GSCは、ナイロビ閣僚会議におけるこれらの進展とともに、WTO貿易円滑化協定の批准の加速、ITA(情報技術協定)の拡大交渉の終結、そしてGATS(サービス貿易に関する一般協定)におけるLDC(後発開発途上国)向け特恵措置の可能性の実現を期待する。われわれは、継続中の環境物品協定交渉の妥結を各国政府に対し可能な限り早期に実現するよう求めるとともに、環境物品関税削減の効率性を最大化するため、環境物品関連サービスの交渉によって環境物品交渉を補完することを強く要請する。
しかしながら、多国間レベルの交渉の成功だけでは十分でない。TiSA、TTIP、そして日EU EPAの交渉完了、TPPの十分な履行が早急に求められる。これらの4つは、世界最大の市場において相互に関連する交渉目的を実現するものであり、グローバルバリューチェーンの強化と貿易・投資、雇用とGDPの拡大という意味で、極めて大きな期待を生むものである。これらはともに、市場開放、貿易投資の内国民待遇、公正かつ透明な国内慣行、越境データフローの円滑化、国有企業の規律、規制協力といった重要な課題における将来の貿易投資政策を導く基準となる可能性を有している。GSCは、これらの交渉に関わる全ての政府に対し、新たな経済成長をもたらすため、また、より広い経済圏を含む新たな協定の基礎とするため、市場開放に向けた高いレベルで野心的な約束によってこれらの交渉が妥結することを強く求める。
GSCは各国政府により世界のサービス産業界に対しこれまで提供されてきたコンサルテーションの機会に感謝する。われわれは、サービス産業に影響する貿易交渉の進展に関し、交渉官によって引き続き定期的な情報が提供されることを求める。
GSCは、主要な貿易投資交渉を注視し、これらの交渉とそれらの各国における履行に対する支持を構築するため、積極的に活動していく。
(注)サービス貿易自由化交渉に関し、わが国サービス産業間で情報・意見交換を行うとともに、諸外国のサービス産業団体等と連携してサービス貿易自由化交渉を推進するため、1999年より、経団連通商政策委員会(旧:貿易投資委員会)の関係機関として設置されている協議会。