日EU経済連携協定:第3回日・EU業界対話会合をブリュッセルにおいて開催
3月31日の週に東京で開催される日EU経済連携協定(EPA)の第5回交渉会合および欧州委員会に与えられた交渉権限に基づいて行われる予定の日本側の取組みの進展に関するEU側レビューを控え、3月4日、経団連とビジネスヨーロッパは、ブリュッセルのビジネスヨーロッパ本部において第3回日・EU業界対話会合を開催した。
会合参加者が課題の一番に挙げたのは、昨年11月に公表された経団連・ビジネスヨーロッパ共同声明に盛り込まれた「日EU双方とも、他にいくつかの自由貿易協定(FTA)交渉を並行して進めていることに鑑み、先進国間で規制が不必要に乖離しないよう留意するとともに、グローバルに通用するルールを策定すべき」という点である。
日EU双方ともに、基本的な価値観と原則を共有する両者の協力なくして、グローバルなルールは実現できないことを認識した。先進国の規制制度の整合性確保や規制協力は、成長と雇用の創出に必要な構造改革の推進にも資するものである。
高水準の日EU EPAを締結することができれば、環大西洋貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)および環太平洋経済連携協定(TPP)と並んで、グローバルなルールへの重要なルートとなり得る。また、アジアの成長市場を含めた第三国における商機拡大の基盤ともなり得る。
政府間交渉が非常に重要な時期に差しかかっている今、経団連とビジネスヨーロッパは、日EU双方の交渉当事者に対して、EU側のレビューを念頭に懸案事項に関する進展を強く求めるものである。それは協定の早期締結に向けて交渉プロセスを促すことになる。
【参考】
2012年、2013年に続いて3回目となる経団連・ビジネスヨーロッパ共催日・EU業界対話会合は、日EU EPA交渉について意見交換するために開催される日欧双方の主要業界団体による会合。会合では、それぞれの業界が日EU間の対話の成果と取り組むべき課題を報告。
第3回会合には、日本から、日本自動車工業会、日本化学工業協会、電子情報技術産業協会、日本画像医療システム工業会、日本製薬工業協会、日本タンナーズ協会、東日本旅客鉄道が、また、EUからは、欧州自動車工業会(ACEA)、欧州化学工業連盟(Cefic)、欧州放射線医用電子機器産業連合会(COCIR)、欧州タンナーズ協会(COTANCE)、欧州情報通信民生電子技術産業協会(DIGITALEUROPE)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、欧州鉄道産業連合(UNIFE)が、参加。