一般社団法人 日本経済団体連合会
「夏季フォーラム2013」では、メインテーマとして、「強い日本を再生する」を掲げ、外交・安全保障、経済、人材育成という国家としての基本問題をめぐり、幅広く討議した。
1.世界の中の日本。日本のグローバル戦略
第1セッションでは、わが国を取り巻く国際情勢と世界的なパワーバランスの変化、グローバルなガバナンスとルールメイキングのあり方、日米同盟の深化、近隣諸国をはじめとする諸外国との関係強化、経済外交や技術力を活用した国際協力の推進等の課題について討議し、国際社会におけるプレゼンス向上をはじめとするグローバル戦略のあり方について検討を深めた。
2.デフレ脱却と経済再生。成長戦略の実行
特別セッション、第2セッションでは、金融政策の適切な遂行、「日本再興戦略」の実行、需要創造につながる規制改革や新産業の創出、TPPをはじめとする経済連携の推進、エネルギー政策の再構築、労働市場の改革と多様な労働力の活用、法人税率の引下げと消費税率の着実な引上げ、持続可能な社会保障制度の確立と財政健全化方策等の課題について討議し、日本経済の真の再生に向けた道筋を探った。
3.日本の底力。人材育成を通じた経済活力強化
第3セッションでは、初等・中等教育の改革、大学教育の充実と国際競争力の強化、グローバルでタフな人材や理工系人材の育成、教育・人材育成における多様性の確保、海外からの留学生および日本人留学生の拡大、イノベーション戦略とIT活用の重要性、生産性向上を実現する企業組織と産学官連携、女性の活躍促進のための方策等の課題について討議し、わが国の最大の資産である人材力強化の必要性について、改めて認識を深めた。
4.総括:今後のアクション
日本経済の復活は、自らの国益であるとともに、世界経済の発展にも必要不可欠である。今後は、政治の安定が見込まれる中で、経済の本格的再生に向けて邁進しなければならない。
大胆な金融政策、機動的な財政政策、「日本再興戦略」というアベノミクスの三本の矢が出そろった今こそ、民主導の経済成長に向け、民間の出番である。企業、経済界は、先頭に立って、投資の促進、雇用・所得の創出、消費の拡大という好循環の実現を目指す。とりわけ、経済社会の進化のカギとなる女性の活躍促進に取り組む。そのためにも、政府に対し、時代にそぐわない過剰な規制の撤廃、縦割り行政の排除を強く求めていく。
これにより、今度こそ失われた20年を完全に脱却し、「強い日本を再生する」決意である。