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Policy(提言・報告書)  産業政策、行革、運輸流通、農業 2012年度経団連規制改革要望

2012年9月18日
一般社団法人 日本経済団体連合会

1.土地・住宅・都市再生・観光分野
2.運輸・流通分野
3.農業・食品分野
4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野
5.危険物・保安分野
6.エネルギー分野
  7.情報・通信、放送分野
8.金融・保険・証券分野
9.雇用・労働分野
10.通商・国際協力・インフラ輸出分野
11.外国人材分野
12.その他

はじめに

わが国が、豊かで安心・安全な国民生活を高水準で維持し続けるためには、持続的な経済成長と健全な財政状況の両立が不可欠である。しかしながら、経済成長の担い手である企業の国内事業環境は、長引く円高・デフレや公的負担(法人税や社会保険料負担)の増大、電力の供給不足・コスト増などにより、厳しさを増すばかりである。

こうした中、わが国経済を再び成長軌道に乗せるためには、民間の創意工夫の発揮を通じたイノベーションを推進するとともに、高コスト構造を是正し、自由で円滑な事業環境を整備するための大胆かつ継続的な規制改革の取り組みは、極めて重要である。また、新規財源を伴わない経済政策として、規制改革への期待も大きい。

近年、政府は、「行政刷新会議 規制・制度改革に関する委員会」において、民間有識者の知見を活用しつつ、規制改革を積極的に推進し、大きな成果を挙げている。直近では、「規制・制度改革に係る方針」(平成24年7月10日閣議決定)や「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」(平成24年4月3日閣議決定)を取りまとめるとともに、過去に閣議決定した規制改革項目の実施状況についてフォローアップを行い、その実施を推進している。

これら規制改革の一連の成果は、政治のリーダーシップの賜物であり、経団連として高く評価している。

今後も、現行の規制・制度をゼロベースで見直すとともに、現場のニーズを踏まえた規制改革を推進し着実に成果を挙げていくことを求めたい。

概要

本年5月15日から6月22日に、経団連全会員企業・団体を対象に「2012年度経団連規制改革要望に関する調査」を実施。

118社・団体から寄せられた589の回答を関係委員会で精査し、12分野179項目の個別要望を取りまとめた。

1.規制改革要望に関する調査結果と経団連がとりまとめた要望の項目数

  2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度
回答企業・団体数 118 111 106 162 114
寄せられた要望数
(重複分を含む)
594 648 530 885 635
規制改革要望として
取りまとめた項目数
179 174 208 162 152

2.分野別項目数一覧

分野名 項目数 分野名 項目数
1. 土地・住宅・都市再生・観光 23 7. 情報・通信、放送 26
2. 運輸・流通 29 8. 金融・保険・証券 13
3. 農業・食品 3 9. 雇用・労働 17
4. 廃棄物・リサイクル、環境保全 29 10. 通商・国際協力・インフラ輸出 8
5. 危険物・保安 1 11. 外国人材 1
6. エネルギー 15 12. その他 14

個別要望項目一覧

1.土地・住宅・都市再生・観光分野

  1. (1)建築物の屋上に設置する太陽光発電設備基準の見直し
  2. (2)免震建物におけるエレベータシャフトの容積不算入
  3. (3)既存不適格建築物の増改築に係る基準の緩和
  4. (4)用途規制上の既存不適格建築物の増改築に対する取扱いの合理化
  5. (5)避難安全検証法における大臣認定の弾力的運用
  6. (6)借地借家法における正当事由制度の見直し
  7. (7)事業用定期借地権の期間設定の柔軟化
  8. (8)区分所有法における決議要件の緩和
  9. (9)都市計画法における開発許可
  10. (10)建設業法上の法人の「役員」要件の見直し
  11. (11)建設現場へ配置する技術者の専任配置基準の見直し
  12. (12)住宅瑕疵担保履行法上の供託に関する販売戸数の合算
  13. (13)住宅瑕疵担保履行法上の保留床に対する供託金の取扱いの改善
  14. (14)集合住宅関連条例における駐車場附置義務の緩和
  15. (15)建物表題登記における添付建物図面の様式規格の緩和(A3版サイズの容認)
  16. (16)地域の自立型電源設置スペースとしての公共空間利用
  17. (17)太陽熱利用ガス温水システムの普及に向けた基準の明確化
  18. (18)水景施設における雨水活用の促進に向けた下水道規制の見直し
  19. (19)河川区域内の工作物の新築等に関する許可制度の見直し
  20. (20)公有地の拡大の推進に関する法律の届出義務の見直し
  21. (21)「セルフ」看板に対する屋外広告物法の適用除外
  22. (22)訪日外国人観光客に対する査証発給要件の緩和・見直し
  23. (23)日本籍クルーズ客船による公海上でのカジノの運営の解禁

2.運輸・流通分野

  1. (1)緊急通行車両手続きの簡素化
  2. (2)緊急通行車両への優先給油に係るルールの策定
  3. (3)トラック、トレーラーの車検期間延長
  4. (4)限定近海区域における内航船の航行基準の緩和
  5. (5)限定近海船の船舶料理士資格の緩和
  6. (6)瀬戸内海航路における航路内通行規定の緩和
  7. (7)東京国際空港の発着枠における規制値の緩和
  8. (8)地方空港等における出入国手続きの利便性向上
  9. (9)輸出通関申告先官署の自由化
  10. (10)輸入海上コンテナ揚地変更手続きの要件緩和
  11. (11)航空貨物の国際線航空機への直接機移しの承認
  12. (12)貨物管理責任者の要件見直し
  13. (13)検疫対象輸入航空貨物の空港外施設における取扱いの緩和
  14. (14)再輸出免税適用時の輸入申告における審査の簡素化
  15. (15)蔵置業務統括責任者の要件見直し
  16. (16)事業用航空機の修理改造検査の緩和
  17. (17)追加型式設計変更手続きの簡素化
  18. (18)乗務員室又は客室と隔離されていないヘリコプターにおける貨物室への危険物搭載要件の見直し
  19. (19)操縦士学科試験の受験機会増について
  20. (20)大規模小売店舗立地法に基づく届出手続の簡素化・迅速化
  21. (21)たばこ小売販売業の許可基準における距離基準の撤廃
  22. (22)たばこ小売販売業の許可手続の迅速化
  23. (23)保険薬局の指定に係る基準の見直し(近隣相場程度の賃貸借)
  24. (24)保険薬局の指定に係る基準の見直し(保険薬局による医療機関への不動産賃貸借)
  25. (25)保険薬局の指定に係る基準の見直し(医療機関との同一テナント内における薬局開設)
  26. (26)医薬品登録販売者制度の見直し
  27. (27)イモビライザを無効化する機器の所持等の制限を目的とした法令の制定
  28. (28)自動車リサイクルシステムを活用した盗難車の不正輸出防止
  29. (29)インターネットオークションにおける盗品カーナビの流通阻止

3.農業・食品分野

  1. (1)農業生産法人の構成員要件等の緩和
  2. (2)輸入麦の売渡制度、砂糖・でん粉の価格調整制度、豚肉差額関税制度の見直し
  3. (3)食品衛生管理者資格認定講習会受講の容易化(受講機会の拡充)

4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野

  1. (1)企業グループでの産業廃棄物の自ら処理の容認
  2. (2)建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する排出者責任の特例措置
  3. (3)廃棄物該当性の判断基準の見直し
  4. (4)廃棄物の定義等の明確化
  5. (5)バイオマス発電の普及に向けた廃棄物該当性の判断基準の緩和
  6. (6)バイオマス発電の普及に向けた廃棄物処理施設設置規制の見直し
  7. (7)産業廃棄物管理票写しの送付期限の緩和
  8. (8)再生利用が確実に担保されている廃棄物の取扱いの見直し
  9. (9)産業廃棄物処理管理票交付状況の報告様式の統一
  10. (10)産業廃棄物収集運搬業の許可に関わる申請書類の様式の統一
  11. (11)廃棄物処理法に係る許可手続の電子化
  12. (12)汚泥の脱水施設の取扱いの見直し
  13. (13)県外産業廃棄物流入規制の見直し
  14. (14)広域認定制度における他社製品の処理の緩和
  15. (15)広域認定制度の対象となる一般廃棄物の追加
  16. (16)産業廃棄物の収集運搬に伴う積替保管のみの許可制度の新設
  17. (17)建設基準法における廃棄物処理施設の新築・増築規制の緩和
  18. (18)JIS規格石炭灰の保管・輸送時の廃棄物処理法適用除外
  19. (19)プラスチック製容器包装の再商品化の際にセメントキルンに課せられる基準の緩和
  20. (20)容器包装リサイクル法における再商品化実施委託金等の支払い方法の見直し
  21. (21)バイオマス発電の普及に向けた食品リサイクル法の見直し
  22. (22)グリーン購入法における総合評価値の算出方法の見直し
  23. (23)特定産業廃棄物の基準の見直し
  24. (24)土地の形質変更時の届出の簡素化
  25. (25)地下水汚染調査にかかる手続きの簡素化
  26. (26)土地の形質変更時の届出にかかる要件の見直し
  27. (27)行政による土壌汚染物質の自然由来の証明
  28. (28)土壌汚染対策法における届出対象の見直し
  29. (29)特定粉じん(アスベスト)排出等作業の届出に係る例外規定(非常時の緊急作業)の弾力的な運用

5.危険物・保安分野

  1. (1)研究開発設備に関する規制緩和

6.エネルギー分野

  1. (1)圧縮天然ガス自動車燃料装置用容器の転載
  2. (2)天然ガスディスペンサと軽油等給油ディスペンサの同一アイランド上への設置
  3. (3)水素スタンドにおける散水基準量の見直し
  4. (4)水素運送自動車用容器(水素トレーラー)への充填時の温度制限の見直し
  5. (5)火力発電所をリプレースする場合の環境影響評価手続きの簡素化
  6. (6)ガスタービン取替えにおける工事開始期間の短縮
  7. (7)改正省エネ法と環境確保条例の重複を解決する体系的な制度の構築
  8. (8)改正省エネ法における地縁的一体性を持った複数事業所の取り扱いの適用範囲拡大
  9. (9)主任技術者制度の解釈及び運用(内規)で定める外部委託時の点検内容の見直し
  10. (10)定期安全管理審査手数料体系の見直し
  11. (11)電気主任技術者の選任要件緩和
  12. (12)電力需給逼迫時における発電水利使用の緩和
  13. (13)電力等使用情報の第三者活用に向けた法整備
  14. (14)熱供給事業者の災害時における供給条件義務の緩和
  15. (15)溶接安全管理検査(火力設備)制度の廃止

7.情報・通信、放送分野

  1. (1)個人情報の利用制限に関する見直し(1)
  2. (2)個人情報の利用制限に関する見直し(2)
  3. (3)情報システム調達の政府調達に係る規則等の見直し
  4. (4)「健康保険組合の規程変更届」の電子申請システムでの受付
  5. (5)公的機関からの電子的手段による通知の推進
  6. (6)金融機関から自治体への支払調書のオンライン化
  7. (7)労働保険(雇用保険)および地方税申告などに置ける申請手続きのオンライン化および簡略化
  8. (8)戸籍システムの庁外設置
  9. (9)感染症予防に資する情報の電子データ化とその利活用
  10. (10)電子カルテ、電子薬歴における相互運用性について
  11. (11)医療情報データベース基盤整備事業で集積された医療情報の民間企業での利活用の開放
  12. (12)クラウド利用における医療情報の受託管理に関するガイドラインの見直し
  13. (13)外部委託先の監督についての明確化
  14. (14)公共調達におけるクラウドサービスの利用を可能とする契約形態
  15. (15)公的機関が保有するデータの原則公開と民間による商用利用可能化
  16. (16)公的機関が保有するデータに対する包括的著作権
  17. (17)公的機関が保有するデータに対する公開手続きの簡素化
  18. (18)行政情報の有効な利活用のための情報連携基盤の構築
  19. (19)「衛星放送分野のマスメディア集中排除原則」に関わる「支配の基準」の基準・要件の見直し
  20. (20)高周波利用設備許可申請書類の簡略化
  21. (21)道路占用手続きの簡素化・統一化
  22. (22)国際ローミング協定における認可対象範囲の縮減(規制緩和措置)
  23. (23)警備法上の申請・届出等手続きの電子化
  24. (24)住民税特別徴収関連手続き全般の電子化・オンライン化および窓口の一本化
  25. (25)全地方自治体における法人地方税、償却資産税の電子申告・届出(eLTAX)の可能化
  26. (26)電気通信事業法に基づく端末認証における絶縁抵抗要求の緩和

8.金融・保険・証券分野

  1. (1)銀行法第16条の3(5%ルール)、同法第52条の24(15%ルール)の対象から信託勘定を除外すること
  2. (2)カバードボンド市場の創設と必要な環境整備
  3. (3)特別勘定に関する現物資産による保険料受入、移受管
  4. (4)保険会社の特定子会社(ベンチャーキャピタル子会社)の保有比率10%超投資対象企業の範囲等の拡大
  5. (5)保険会社による外国資産運用会社等の買収、外国の関連法人等に係る子会社等業務範囲規制の特例・緩和
  6. (6)電磁的方法を活用した保険商品に関する情報提供に係るルール整備
  7. (7)少額短期保険主要株主承認申請に係る取締役等の住民票の抄本提出の廃止
  8. (8)投資法人における「減資」制度の導入
  9. (9)投資法人におけるコミットメント型ライツ・オファリング(新投資口予約権無償割当による増資)制度の導入
  10. (10)投資法人による自己投資口取得の解禁
  11. (11)内国信託受益権等における有価証券届出書・目論見書・有価証券報告書記載事項の簡素化
  12. (12)信託ABLにおける金銭債権の特定金銭債権としての取扱い
  13. (13)貸金業法の規制対象の明確化

9.雇用・労働分野

  1. (1)企画業務型裁量労働制にかかる対象業務・対象労働者の拡大
  2. (2)企画業務型裁量労働制にかかる手続きの簡素化
  3. (3)事務系や研究開発系等の労働者の働き方に適した労働時間制度の創設
  4. (4)1年単位の変形労働時間制にかかる天災時のカレンダーの変更
  5. (5)週休2日制の場合のフレックスタイム制にかかる法定労働時間枠の変更
  6. (6)フレックスタイム制の清算期間の延長
  7. (7)休憩時間の一斉付与の規制の廃止
  8. (8)専属産業医が、他の事業場の非専属産業医を兼務する場合の要件緩和
  9. (9)労働安全衛生法88条1項の計画の届出の見直し
  10. (10)職長教育の教育内容およびその時間指定の緩和
  11. (11)電気機械器具の防爆認証に関する試験・評価の国際整合性について
  12. (12)労働者派遣法施行令第4条(専門業務)2号業務における対象業務の範囲の見直し
  13. (13)専門26業務における「付随的業務」の範囲等の見直し
  14. (14)自由化業務における労働者派遣の受入期間制限の緩和
  15. (15)派遣元における無期雇用労働者に関する規制の緩和
  16. (16)医療関連業務における労働者派遣の拡大
  17. (17)『「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集』の改善

10.通商・国際協力・インフラ輸出分野

  1. (1)海外子会社向け輸出の許可不要化
  2. (2)輸入貨物等の返送の許可不要化
  3. (3)航空機の部分品等の輸出に係る手続の簡素化
  4. (4)クラウドサービスの利用に関する外為法上の取扱いの見直し
  5. (5)特定原産地証明書発給における自己証明制度の導入
  6. (6)貿易保険の民間保険会社への開放部分の拡大
  7. (7)官民連携によるインフラ輸出の推進
  8. (8)無償資金協力の見直しによる官民連携の推進

11.外国人材分野

  1. (1)外国人技能実習制度の期間延長

12.その他

〔経済法制〕

  1. (1)独占禁止法9条、11条(一般集中規制)の廃止
  2. (2)独占禁止法第11条に基づく銀行の議決権保有規制の対象から信託勘定を除外すること
  3. (3)グループ企業間の法律事務の取扱いと弁護士法第72条の関係について

〔医療、社会保険等〕

  1. (4)遠隔診療に関わる解釈通知の明確化
  2. (5)特定健診の保健指導におけるICTを活用した遠隔面談の実現
  3. (6)医療機器等における「認証」品目の承継制度の導入
  4. (7)健康保険における大規模な事業所編入時の権利義務の一部承継

〔その他〕

  1. (8)協調領域に相応しい技術普及志向の特許制度の検討
  2. (9)職務発明制度の見直し
  3. (10)抗体(未製品化)を輸出する際の検疫手続の見直し
  4. (11)レーザーディスプレイ製品の国内一般販売に向けた法令・規格の整備
  5. (12)電気医療機器に使用される部品等への電気用品安全法適用の見直し
  6. (13)電気用品安全法における輸出専用品への届出義務の適用除外
  7. (14)電気用品安全法における輸入事業者の適用範囲の見直し
以上

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