(1)社会的保護の床に関する勧告
- 勧告案に、経済政策等との整合性、漸進的実施、手段の多様性が規定されている通り、社会的保護は各国の発展段階とニーズに応じた柔軟性が必要である。
- 社会保障制度を持続可能なものとするため、負担の先送りや現役世代に対する税や保険料への過度な依存を避け、国全体で財源を支えることが重要。
- 所得を生み出す雇用の源泉である企業活動の活性化に向け、環境整備を行う必要がある。
(2)若年者雇用の危機
- 若年者の安定した就業機会の確保・拡大のためには、経済成長を通じた企業活動の活性化が不可欠である。さらに中・高等教育期における多様なキャリア教育や、職業訓練の充実が必要である。
- 先進国を中心に高齢者雇用も同時に求める動きが強まる中、労働市場全般を活性化するための柔軟な法制・施策が必要である。
(3)労働における基本的原則及び権利
- ILOは、基本的原則及び権利の着実な実行が、経済の活力と持続可能性を高めるという好事例を収集し、情報提供すべきである。
- ILOは、条約批准という外形のみで評価したり、条約適用監視機構のみに頼ることなく、必要に応じて技術協力により加盟国政府及び労使団体のキャパシティ・ビルディングを通じて、条約の実効性確保の支援をすべきである。
以上