(仮訳/正文中国語)
日本経済団体連合会、中国国際貿易促進委員会、韓国全国経済人連合会は、第5回日中韓首脳会議の開催に併せて、2012年5月13日、北京において第4回日中韓ビジネス・サミットを共催した。会議では、日中韓三国が、EUと北米に次ぐ第3の経済力を有し、GDPは世界の20%近く、外貨準備高は世界の外貨準備高総額の40%を占めているという共通認識を基に、三国が地域経済協力と地球規模の課題への官民連携での取り組みを強め、アジア地域並びに世界の持続的発展に貢献する事を確認し、下記の通り、共同声明を採択した。
1.日中韓自由貿易協定の早期実現
- (1)日中韓自由貿易協定は、東アジア経済協力の深化と地域経済繁栄の実現に重要な役割を果すものであり、三国経済界の協力による早期実現が不可欠である。
- (2)日中韓自由貿易協定によって、関税の引き下げ、輸出制限の緩和、外資制限の緩和及び不透明な国内規制の是正が期待され、投資とサービスの利便化や専門的な知識・技能を有する人材の国境を越えた交流が促進される。
- (3)三国の経済界は三国政府が三国の経済協力の大局と長期的視点に立ち、第1回政府間交渉を早期に開催することを求め、積極的な成果を得るべく三国政府に協力する。
2.日中韓産業界の協力の促進
- (1)日中韓三国はエネルギー生産と消費に関して多くの共通利益を有しているため、エネルギー分野での協力強化は極めて重要な意義がある。三国経済界は、新エネルギーに関する協力の拡大、国際的なエネルギー問題への対応、新エネルギー技術に関する交流など、大きな協力のポテンシャルを有している。
- (2)東アジア地域の持続可能な発展を実現するためには、省エネ・環境保護を一層推進する必要がある。日中韓の経済界は環境分野での協力強化、各分野の省エネ技術の選定と標準化を進め、積極的にこれを普及させる。
- (3)物流分野での協力の深化は三国の経済協力を推進する上で、極めて意義深く、三国経済協力の空間の拡大、貿易・投資と経済協力のレベルアップや、三国の企業により多くのビジネスチャンスを提供することが期待できる。
- (4)三国経済界はハイテク分野での協力を強化し、知的財産権の保護に努める。これにより、三国企業の各自の優位性の発揮と、国際市場でのコア競争力の形成が期待できる。また、技術人材の交流と育成、知的財産権分野での協力強化および知的財産権の立法と執行の強化が不可欠である。
3.金融分野での三国の協力強化
- (1)金融分野における三国の協力強化は積極的かつ現実的な意義を有している。これは三国連携による金融リスクの回避、金融危機による経済発展へのマイナス影響の克服、金融に関する地域内の責任分担に有益である。
- (2)日中韓三国はチェンマイ・イニシアチブのマルチ化契約を積極的に貫徹・実行し、債券・通貨スワップ、企業融資などの分野で三国協力のレベルアップを図り、三国の通貨取引市場の発展を促す必要がある。
- (3)日中韓三国は金融機関の協調と連携を一層強化し、金融分野での人材育成と交流を進め、世界規模の幅広い協力が必要である。
以上の目標の実現に向けて、日中韓の経済界は三国政府と連携しながら、三国の経済協力の一層のレベルアップを図り、三国と東アジア地域の経済の繁栄に貢献する。第5回日中韓ビジネス・サミットは、三国首脳会議の際に韓国において開催する。
2012年5月13日 北京