2011年3月16日
(社)日本経済団体連合会
(社)日本経済団体連合会
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東北地方太平洋沖地震は、想像を絶する被害をもたらした。国民全員が力を合わせ、人命救助、被災地支援、生活・経済の復旧に総力を挙げなければならない。
今こそ、政治のリーダーシップが求められる。
政府に対しては、一刻も早い復旧に向け、あらゆる対策をとるよう要請する。与野党は一致協力して、国難といえる事態に際しての適切かつ迅速な対策の実施に取り組んでいただきたい。
経済界としても、電気使用の抑制及び計画停電への協力を行なうとともに、被災地支援並びに災害対応・復旧対策に全力で取り組む。
これを円滑に推進するため、強力な指揮命令系統をもった司令塔を確立するとともに、適切な情報収集と発信を強く求める。
1.政府への要請
今後、短期・中期・長期に分けた適切な対策が求められるが、当面、以下の措置を早急に講ずるべきである。
- (1)人命救助・被災地支援
- 人命救助・行方不明者の捜索の徹底
- 生活関連物資(燃料・水・食料・医薬品を含む)の輸送体制の早期確立と民間からの支援の受入窓口・体制の整備(自衛隊の一層の活用、民間輸送車への包括的通行許可証の迅速な発行)
- 正確かつ迅速な情報提供、医療支援・心理的ケア
- (2)生活再建
- ライフラインの確保・安定化への支援(電力、ガス、通信、水道、物流等)
- 輸送インフラの早期復旧(鉄道、道路、空港、港湾等)
- 仮設住宅の確保、医療・教育施設の早期復旧
- 被災者への所得税、住民税、固定資産税等の減免
- 義援金の適切な配分
- (3)地域・経済基盤復旧
- 緊急的雇用維持支援・創出策
- 農水漁業者を含む事業者への支援(金融支援を含む)
- 被災地向け公共事業費の大幅増額
- 被災企業の法人税優遇、震災損失の繰戻還付制度、固定資産税減免等
なお、今後必要となる補正予算を見据え、財源確保も含め適切に対応できる措置を講ずるべきである。
2.経済界の対応
- (1)義援金・寄附金、各種救援物資の拠出、被災地支援に携わるNPO・ボランティア等への協力(施設、物資、ノウハウ、情報の提供等)
- (2)事業の継続・早期再開、安全行動の徹底
- (3)節電への全面的協力(生産のシフト並びに、産業用、家庭用それぞれにおける適切な供給体制とそれへの対応)
以上