経団連は10月16日、「上場企業役員ジェンダー・バランスに関する経団連会員企業調査結果(2024年版)」を公表した。
政府は、(1)30年までにプライム市場上場企業役員に占める女性の割合を30%以上とすることを目指し、25年までの中間目標として同19%とする(2)25年をめどにプライム市場上場企業のうち、女性の役員を1人以上選任するよう努める――としている。この役員の概念には、取締役、監査役、執行役に加えて、会社法上は任意の役職であるが、各企業が女性登用目標の前提とした執行役員またはそれに準じる役職者も含むことができる。
同調査は、東京証券取引所のプライム市場・スタンダード市場に上場(24年7月1日現在)している経団連会員企業全社を対象として、有価証券報告書等で調査可能な会社法上の役員(会社法上の取締役、監査役、執行役)の状況をまとめた。これによれば、プライム市場上場企業役員に占める女性役員の割合は16.1%(昨年比2.8ポイント増)、経団連会員では16.8%(同2.7ポイント増)、経団連が展開する「2030年30%チャレンジ」に賛同する企業のうち、プライム市場に上場する146社では20.3%(同2.7ポイント増)に達した(図表1)。
また、プライム市場上場企業のうち、女性が登用されていない企業は、4.2%(同6.8ポイント減)だったが、経団連会員企業では1.5%(同3.7ポイント減)だった(図表2)。同チャレンジに賛同するプライム市場上場146社では、全社が女性役員を1人以上選任しており、登用なし0%を達成した。
この調査結果によって、経団連会員企業が女性役員の登用を牽引していることが示された。一方、(1)ガバナンス・コード等での経営のダイバーシティへの要請が強く働き、女性の社外役員の選任は進んでいるが、相対的に社内の女性幹部の役員登用が進んでいない(2)業務執行の責任者である執行役での女性登用が進んでいない(3)業種・業態によって登用の進捗に差がある――といった課題も明らかとなった。
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経団連は引き続き、キャリアステージに応じた研修やメンター制度などを積極的に展開し、タレントパイプラインの強化に努めるとともに、女性登用の進んでいない業種・業態に対する支援および働きかけを強化し、底上げを図っていく。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】