1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2017年11月30日 No.3341
  5. SDGs達成に向けたJICAの取り組み聞く

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年11月30日 No.3341 SDGs達成に向けたJICAの取り組み聞く -企業行動・CSR委員会

説明する山田氏

経団連は10月27日、東京・大手町の経団連会館で企業行動・CSR委員会(三宅占二委員長、二宮雅也委員長、津賀一宏委員長)を開催した。JICA(国際協力機構)の山田順一理事から、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けたJICAの取り組みについて説明を受けるとともに、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ SDGs達成に向けた国内外の動き

SDGs達成に向けた各国の対応はさまざまだ。米国は現政権下で国連での取り組み報告はまだなく、民間部門の取り組みが先行。中国はSDGs国家計画を策定、韓国は5カ年計画を策定し国家指標を設定して推進する。日本では、内閣総理大臣を長とする政府のSDGs推進本部が実施指針を策定し、JICAも他省庁とともに具体的施策に取り組む。

■ JICAのSDGs取り組み方針の策定と実施

JICAは「人間の安全保障と質の高い成長を実現する」というミッションおよび「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもと、SDGs取り組み方針を次のとおり策定した。

  1. リーダーシップを発揮しSDGs達成に取り組む
  2. わが国自身と途上国支援の経験を活かし、特に10のゴールで中心的役割を担う
  3. 達成に向けた活動を加速させるべく、国内の知見の活用、国内外のパートナーとの連携やイノベーションを図り、インパクトを確保する

こうした方針を組織内に浸透させるため、内部向けSDGsの理解促進研修を20回以上実施し、事業とSDGs各ゴールとの関連づけを明確にするよう努めている。

JICAは円借款や開発投融資、無償資金協力、技術協力、ボランティアなど多様な支援スキームを持ち、これらによりSDGs達成に向けて取り組み、成果を得ている。

■ 途上国におけるビジネスの触媒となるJICA事業

途上国でのSDGs達成には、包摂的なインフラ整備や民間の知見が必須であり、従来のODAだけでなく、民間資金の導入、民間セクターとのパートナーシップが求められる。JICAは、これまで培ってきた途上国政府・機関とのつながり、国内外の拠点、専門人材とのネットワークなどのリソースを活用し、途上国でビジネス展開を行う企業を支援することで、触媒としての役割を果たしていきたい。

企業が途上国でビジネスモデル開発と事業計画策定を行うための調査費用をJICAが支援する制度もある。民間企業との連携事例としては、カンボジアで日本企業が出資する病院建設に向けた融資と技術指導、ガーナでの離乳食向け栄養補助食品普及に向けたビジネス調査などがある。

今後も、民間企業と手を携えて、SDGs達成に向け前進していきたい。

【教育・CSR本部】

「2017年11月30日 No.3341」一覧はこちら