経団連が事務局を務めるユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)日本協会(藤田讓会長=朝日生命保険最高顧問)は6月9日、東京・大手町の経団連会館で、今夏から世界各地のカレッジ(高校)に赴く2017年度UWC派遣奨学生の激励会を開催した。激励会には、新派遣生27名と保護者、協会役員、UWC卒業生ら約120名が出席した。
冒頭のあいさつでは、藤田会長が「派遣生の皆さんにはあえて、二歩、三歩先を見据えながら物事を考えることを期待する。国連の『持続可能な開発計画(SDGs)』の達成年である2030年には、自分は持続可能な社会をつくる一翼を担うという崇高な目標を掲げてもらいたい。また、社会で生きていくうえでは、必ず課題解決に直面するので、世界各地のカレッジで背景や習慣、考え方の異なる生徒たちと議論し、協力しながら、課題への対処法を身につけてほしい」と述べたうえで、「各分野で夢を実現し世界で羽ばたくことを望む」と激励した。
続いて、あいさつした来賓のグラント・ポゴシャン駐日アルメニア大使は「変化が激しい世の中にあって、安心して投資できるのはグローバル人材を育成する教育だ。私は2年間でとても成長したカレッジの生徒を見てきた」と指摘。イルダ・マリア・サンティエスバン・モンテロ・コスタリカ公使参事官は「カレッジでの生活は、ほかの日本人の生徒が経験できない素晴らしいものだ。カレッジ生活が人生における最上の経験になるよう楽しんでほしい」とエールを送った。
その後、派遣生一人ひとりが自己紹介し、留学に向けての抱負を語った。今年度の派遣生が向かうのは、世界12カ国・地域(イギリス・カナダ・イタリア・アメリカ・香港・ノルウェー・インド・オランダ・コスタリカ・ドイツ・アルメニア・中国)のカレッジ。
グローバル人材の育成に向け、高校生の留学への支援を
UWC(本部=ロンドン)は、世界各国のUWC支部が実施する選抜試験を経て派遣される高校生を、世界各地にある傘下のカレッジで2年間受け入れ、国際バカロレア課程に基づく教育を通じて国際感覚豊かな人材を育成する民間の教育機関。経団連は、1972年に「UWC日本国内委員会(現・UWC日本協会)」が設立されて以来、グローバル人材育成の趣旨に賛同し、同協会の事務局を務めている。
2017年5月までに派遣した生徒数は561名に上り、派遣生は卒業後、国内外の大学を経て大手企業・報道機関、日本政府、国際機関などに就職して国際的に活躍している。
カレッジ生活を支える奨学金はUWCの趣旨に賛同する経団連会員企業58社ならびに個人の寄付金等を原資としており、同協会では賛同企業を募集している。
詳細は、UWC日本協会のウェブサイトを参照。
※ http://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/UWC/index.html
【教育・CSR本部】