経団連は12月13日、東京・大手町の経団連会館で、内閣官房地域活性化統合事務局の藤原豊総括参事官、経済産業省の木村聡産業構造課長を招き、新たな規制改革の枠組みに関する説明会を開催した。
同会合は、先の臨時国会で成立した国家戦略特別区域法で創設された国家戦略特区、産業競争力強化法で制度化された企業実証特例制度・グレーゾーン解消制度の理解を深めるために開催したもの。当日は、400名を超える参加者があり、会員企業の関心の高さがうかがえた。
会合冒頭、古賀信行審議員会副議長・産業問題委員会共同委員長が、「規制改革会議による全国一律の規制改革の推進に加えて、地域単位・企業単位で規制の特例が認められるという選択肢が増えれば、企業の創意工夫がより発揮しやすくなり、新たな事業活動への道筋がつけやすくなる」と新制度への強い期待を述べた。制度説明および質疑応答の概要は次のとおり。
■ 国家戦略特区
国家戦略特区は、日本における国際的な経済活動の拠点形成を促進する観点から設けた制度である。総理大臣および国家戦略特区諮問会議主導によって、特区となる地域を指定し、規制の特例措置のほか、金融支援(利子補給金の給付)、税制支援措置を総合的かつ集中的に推進していく。
■ 企業実証特例制度・グレーゾーン解消制度
企業実証特例制度は、企業自らが安全性等を確保する措置を講じることを前提に、企業単位で規制の特例措置を適用する制度である。その前段階としてグレーゾーン解消制度の活用が有効である。企業が、現行の規制の適用範囲が不明確な分野においても安心して新分野進出等の取り組みを行えるよう、あらかじめ規制の適用の有無を確認することができる。
<質疑応答>
質疑応答では、「国家戦略特区における財政支援措置のさらなる拡充(例えば、利子補給率の向上)の予定はあるのか」、また、「複数企業の連携による技術や仕組みなどについて、企業実証特例制度の提案対象となり得るのか」との質問があった。
これに対して「国家戦略特区は規制改革を柱に据えたものであり、これ以上、財政支援を拡充するのは現時点では難しい」(内閣官房)、「企業実証特例制度は、規制の根拠法令等における元来の目的を担保する代替措置が取られていれば、複数の申請主体でも活用可能である」(経済産業省)とのコメントがあった。
【産業政策本部】