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月刊 経団連

月刊 経団連2020年3月号

特集 エンゲージメントと価値創造力の向上 ―2020年春季労使交渉・協議に向けて

巻頭言

イノベーションを通じた「環境と成長の好循環」の実現

杉森 務 (経団連副会長/JXTGホールディングス社長)

昨今の異常気象の世界的な増加や、昨年9月の国連気候行動サミット等を背景に、気候変動問題に対する国際社会の危機感が、これまでになく高まっている。 私が昨年12月にスペインのマドリードで開催されたCOP25(国連気候変動枠組条約第25回締約国会議)に参加した際にも、2030年の温室効果ガス削減目標引き上げに向けた国際的議論が活発化していると身をもって感じた。

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特集

エンゲージメントと価値創造力の向上 ―2020年春季労使交渉・協議に向けて

今年1月に公表された「2020年版経営労働政策特別委員会報告」では、Society 5.0時代を展望して、働き手のエンゲージメント向上を特に強調し、アウトプットを重視する働き方改革「フェーズⅡ」への深化、自律的なキャリア形成の支援の重要性、日本型雇用システムの課題と今後の方向性等について記述している。
本座談会では、Society 5.0時代にふさわしい働き方に向けて、各社の取り組みを紹介しつつ、働き方改革の深化、人材育成や雇用システムのあり方について検討する。さらに、2020年版経労委報告の内容を踏まえ、今次春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンスを明らかにし、主要な論点についても議論していく。

座談会:Society 5.0時代を切り拓くエンゲージメントと価値創造力の向上

  • 大橋 徹二 (経団連副会長、経営労働政策特別委員長/コマツ会長)
  • 岡本 毅 (経団連副会長、雇用政策委員長、教育・大学改革推進委員長/東京ガス相談役)
  • 畑中 好彦 (経団連審議員会副議長、イノベーション委員長/アステラス製薬会長)
  • 武石 恵美子 (法政大学キャリアデザイン学部教授)
  • ■ Society 5.0時代にふさわしい働き方を目指して
  • 「強いコマツ・良いコマツ」を目指して
  • 2030年に向けた羅針盤「Compass 2030」
  • 一人ひとりの創造的な働き方が社会課題の解決につながる
  • 地に足の着いた働き方改革が進んでいる
  • 「エンゲージメント」を高める施策・取り組み
  • 自ら動く人材には挑戦する機会を提供
  • 現場で課題を発見できる人材が不可欠
  • 予測困難な時代こそ多様な人材の育成が不可欠
  • 「ブロック塀」ではなく「石垣」のような組織が強い
  • メンバーシップ型雇用システムの「強み」は活かしたい
  • 海外のトップタレント獲得が不可欠
  • 「自社流」で自然体に雇用システムを変えていく
  • 学生たちは会社に「安定」を求めていない
  • ■ 2020年春季労使交渉における経営側の基本スタンス
  • 2020年版経労委報告に基づく経営側の基本スタンス
  • 労使協調が今後ますます重要になってくる
  • 「選ばれる企業」になるための努力を
  • 一律、横並びではない議論を
  • 企業内における労使のコミュニケーションが大切

ワーク・エンゲイジメントの向上に向けて
 加藤勝信(厚生労働大臣)

  • 価値創造社会の実現志向と隘路の自覚
  • 「働きがい」向上への関心の高まり
  • 労働経済白書の分析結果から
  • 正社員における状況
  • 企業パフォーマンスとの関係
  • 仕事に対する認識との関係
  • 働きがいの向上に向けて労使一体で取り組みを

「経済の自律的成長」「社会の持続性」実現のために、分配構造の転換につながり得る賃上げに取り組む
―2020春季生活闘争の意義と役割
 神津里季生(日本労働組合総連合会会長)

  • 「底上げ」の流れを止めず、「格差是正」「底支え」を実現する
  • 「取引の適正化」を追求、「働き方」の見直しも同時に取り組む
  • 「未来を変えていく」ために社会のすみずみに労使関係を

持続可能な社会に向けて徳島の挑戦
 林 香与子(徳島県経営者協会会長/マルハ物産会長)

  • 人口減と戦う徳島の現状と課題
  • 徳島が直面している現状
  • 徳島の挑戦
  • 持続可能な社会の構築
  • 当社の取り組み
  • 春季労使交渉・協議に向けて

日本型雇用システムの今後
 濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構(JILPT)労働政策研究所長)

  • 日本型雇用に対する評価の変遷
  • 日本型雇用の本質的な課題
    ~メンバーシップ型とジョブ型
  • 専門能力を活用するジョブ型正社員の中核化

アウトプット重視の働き方改革
 大橋智加(パナソニックコネクティッドソリューションズ社人事・総務担当常務)

  • 働き方改革の背景
  • カルチャー&マインド改革を最優先で実施
  • 働き方改革の4本柱

トヨタ生産方式で全業務を見直せ
―良き伝統をさらに磨き、悪しき習慣を断絶せよ
 瀧 康洋(水明館代表取締役)

  • 日本版DMOの成功とカイゼン
  • メインダイニングでのカイゼンとその成果
  • 全従業員とともに上質なおもてなしをつくり上げる

日吉の働き方改革に見るダイバーシティ
―中小企業だからこそできる不断のイノベーション
 大角浩子(日吉総務課課長)

  • 日吉の歩み
  • 女性、外国人の活躍推進
  • 「働き方改革」の実践と課題

2020年版経営労働政策特別委員会報告
―Society 5.0時代を切り拓くエンゲージメントと価値創造力の向上
 (経団連労働政策本部)

  • Society 5.0時代にふさわしい働き方を目指して
  • 雇用・労働分野における諸課題
  • 2020年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス

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