於 JRホテルクレメント高松
経団連会長の榊原でございます。
本日は、常盤(ときわ)会長をはじめ、四国経済連合会の皆様には、ご多忙の中、本懇談会にご出席をいただき、誠にありがとうございます。
四国地域経済懇談会の開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
ご案内の通り、現下の日本経済の最重要課題は、デフレからの脱却を確実に果たして、経済の再生を実現するということでございます。先般公表された7-9月期のGDP速報値は、年率でマイナス1.6%と、2期連続のマイナス成長となりました。ただ、内容を見ますと、在庫の取り崩しの動きが成長率の表面上の数字を押し下げており、景気の実勢はヘッドラインで出ている数字ほどは悪くないと考えております。しかし、景気回復に力強さを欠く状況にあることは否めません。今は、経済再生に向けた正念場の時であり、政・官・民があらゆる政策、手立てを総動員すべき重要な時期であると考えております。ご案内の通り、先日、衆議院が解散いたしましたが、総選挙を通じて、山積する重要政策課題への取組みを、より迅速かつ強力に進めることのできる政治の態勢が築かれることを強く期待したいと思います。
経済界といたしましても、経済の好循環の拡大に向けて、積極的に行動する必要があると考えております。
まず注力すべきは、地域経済の活性化でございます。そのためには、地域の特徴を活かし、その自立的な発展を図ることが肝要であります。この点、四経連では、紙産業クラスターの高度化など、四国地域の特性を生かした産業競争力強化策を推進しておられ、高く評価されるべきものと受け止めております。
同時に、各企業としても、収益の持続的な拡大を図り、設備投資、あるいは研究開発投資の拡大、雇用機会の創出、賃上げなどに積極的に取組み、経済の好循環を確かなものとするために貢献していく必要があると考えております。私は、経済財政諮問会議の議員も務めておりますが、こうした場を通じて、政府に対して、そのための環境整備を強く働きかけているところでございます。
そのひとつは、企業活力の向上に資する、一層の規制・制度改革であり、もうひとつは、法人税実効税率の改革であります。法人税については、2015年度から実効税率の引き下げを開始し、3年を目途に20%台とする、最終的にはOECD諸国並みの25%程度まで引き下げることを求めております。また、民主導のイノベーションを後押しするためにも、研究開発促進税制の維持・拡充も訴えております。
一方、エネルギー問題も重要な課題となっております。エネルギーコストの上昇は非常に深刻であり、経済の好循環を実現する上で、大きな阻害要因となりつつあります。これを解決するためには、安全性が確認された原発については、再稼働プロセスを加速する必要があると考えております。また、電力価格上昇の大きな要因となっている、再生可能エネルギーの固定価格買取制度についても抜本的な見直しを訴えていることころです。
経団連といたしましては、只今申し上げた課題への対応を含め、経済再生に向けた取組みに全力を傾注してまいります。その実現に向けては、四国地域をはじめとする地方の経済界の皆様と、密接に連携していくことが非常に大事であると考えております。本日は限られた時間ではございますが、ご当地の経済活動の現状をお伺いするとともに、経済の活性化に向けた課題や問題意識をお伺いして、率直な意見交換をさせていただきたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。
以上、簡単でございますが、私の挨拶とさせていただきます。