日ASEAN友好協力50周年を記念して12月16日に開催された日ASEAN経済共創フォーラムに際し、ASEAN経済諮問委員会(ASEAN-BAC)、日本経済団体連合会(経団連)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)(以下、「我々」という)は、以下の点を確認した:
我々は、持続可能で包摂的な経済成長、エネルギー安全保障、脱炭素化を同時に達成することの重要性を認識するとともに、アジア各国の異なる状況を考慮しつつ、多様かつ現実的な道筋を通じて、カーボンニュートラル/ネット・ゼロ排出に向けた公正かつ公平なエネルギー転換を行うことの重要性を認識する。
我々は、各セクターの状況を考慮しつつ、省エネルギー、再生可能エネルギー、水素、アンモニア、CCUSを含む様々な技術を通じて、全てのセクターにおいて脱炭素化への努力を加速し、トランジション・ファイナンスを促進することの重要性を強調する。
このような認識に基づき、我々は、経済成長とエネルギー安全保障と両立する形でクリーンエネルギーへのトランジションを進めるためアジア諸国が協力することを目的とした、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想を歓迎する。
AZEC構想は、ASEAN BACのASEANネット・ゼロ・ハブ、経団連カーボンニュートラル行動計画に基づく日本の国際協力、アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)の下でのERIAのエネルギー・トランジションのためのロードマップの作成とトランジション・ファイナンスの加速化といった既存の取り組みを基礎として、ASEAN地域における持続可能で包摂的な経済成長を達成するための我々の活動をさらに奨励し、発展させるものと期待している。
我々は、AZEC構想の下で、AZECパートナー国間における脱炭素化のための具体的なプロジェクト形成促進に取り組む。この目的のため、我々は、ERIAの支援の下、情報交換、セミナーの開催、ミッションの派遣を通じて協力する。また、ERIAを事務局として、日ASEAN関係者、ASEAN-BAC、経団連、ERIA、その他アジアの専門家から構成されるAZEC Advocacy Groupを発足させ、上記の活動を継続的に支援し、我々の共同の取組に助言と賛同を提供することに合意する。