一般社団法人 日本経済団体連合会
岸田政権は、2021年の発足以降、ポストコロナへの移行を果たしつつ、「新しい資本主義」を掲げ、デフレからの脱却・力強い経済の再生に加え、GX(グリーントランスフォーメーション)に向けた環境・エネルギー政策の推進や、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、こども・子育て政策の強化など、わが国の積年の課題に真正面から精力的に取り組んでいる。
また、わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中にあって、G7広島サミットの議長国としての取りまとめや、日韓関係の改善、日米韓首脳会談の実現、防衛力の抜本的な強化など、積極的な外交・安全保障政策を展開してきた。この間の政権運営は、高く評価できるものである。
ポストコロナの時代が幕を開けた今こそ、成長と分配の好循環の実現を通じ、わが国経済にダイナミズムを取り戻すことが求められる。そのためには、経済と政治が力を合わせ、国内投資の活性化などにより、産業競争力の強化を図るとともに、財政健全化、税・社会保障一体改革といった課題に取り組んでいく必要がある。同時に、厳しさを増す国際情勢の下、自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に努めていく必要がある。岸田政権には、引き続き、国民との積極的な対話と、スピード感をもった政策の実行・推進を期待する。
経団連はこれまでも、民主導の経済社会の実現に向けた改革を加速するため、政治との連携を図ってきた。引き続き、経済活力と国民生活の向上に資する政策提言、政党・政治家とのコミュニケーション、官民一体となった経済外交の推進、企業人の政治参加意識の高揚などの活動をより一層積極的に行い、政治との連携を強めていく。
一方、政治寄附については、経団連はかねてより、民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠であり、企業の政治寄附は、企業の社会貢献の一環として重要性を有するとの見解を示してきた。
政策本位の政治の実現、議会制民主主義の健全な発展、政治資金の一層の透明性向上に向けて、クリーンな民間寄附の拡大を図っていくことが求められる。
そこで、経団連は、会員企業・団体に対し、自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本経済の次なる成長のステージに向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかける。また、経団連としての政党の政策評価も実施していく。
あわせて、企業・経済界は、わが国経済にダイナミズムを取り戻すべく、社会性の視座に立脚し、サステイナブルな資本主義の実践に取り組んでいく。