令和4年12月1日 健康保険組合連合会 全国健康保険協会 日本経済団体連合会 日本商工会議所 日本労働組合総連合会 |
医療保険制度改革に向けた被用者保険関係5団体の意見
急速な少子高齢化を迎える中、我が国が誇る国民皆保険の維持を見据えた全世代型社会保障の構築は最も重要な命題の一つである。これを踏まえ、全世代型社会保障構築本部及び骨太の方針2022において「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心」というこれまでの社会保障を見直すことが示されたところである。
現在、社会保障審議会・医療保険部会において医療保険制度改革の議論が行われているが、今般の改革の最大の目的は「現役世代の負担軽減」の実現にある。全世代型社会保障の構築に向け、分厚い中間層の復活などのためにも、子育て・若者世代をはじめとする現役世代の負担軽減が不可欠である。それらを踏まえ、社会保障審議会・医療保険部会に参画する被用者保険関係5団体において、下記のとおり改めて意見をとりまとめたので提出する。
1.現役世代の負担軽減に係る施策の確実な実現
本年10月から、一定以上所得の後期高齢者窓口負担2割が導入されたが、現役世代の負担は依然大きい。現在、議論が進められている、「後期高齢者の保険料賦課限度額の引き上げ」、「高齢者支援金の負担割合の見直し」および「後期高齢者医療制度も含めた出産育児一時金の負担の仕組みの導入」については、低所得者に配慮しつつ確実に実施すべきである。
2.被用者保険者間の格差是正を通じた保険者基盤強化の実現
被用者保険者間の格差是正を行う場合、企業、労働組合との連携を含め、保険者機能の発揮を阻害しないようにするとともに、各保険者における財政等の影響を勘案することが要諦である。また、これにより削減した公費財源は、現役世代の負担軽減に全額充てるべきである。
なお、全世代型社会保障構築会議で示された「賃上げ努力を促進する形」での支援の見直しについては、拠出金負担の軽減や保険者の解散抑止など既存の必要な支援の充実・強化をまず検討すべきである。