1. トップ
  2. Policy(提言・報告書)
  3. 税、会計、経済法制、金融制度
  4. 「仲裁法等の改正に関する中間試案」に対する意見

Policy(提言・報告書)  税、会計、経済法制、金融制度 「仲裁法等の改正に関する中間試案」に対する意見

2021年5月7
一般社団法人 日本経済団体連合会
経済法規委員会 企画部会

今般、法制審議会仲裁法制部会が取りまとめた「仲裁法等の改正に関する中間試案」は、国際仲裁・調停の活性化の一助となるものであり、中間試案に対する意見を述べる機会に感謝する。

グローバル化が進む現代において、国際仲裁は、国際的な商事紛争を解決する手段として広く普及しており、最新の国際水準に見合った法制度を備える必要がある。わが国の国際仲裁を活性化させるためには、改正国際商事仲裁モデル法への対応を、早急に実現すべきである。

また、近時、国際商事紛争の解決手段として、世界的に国際調停の有用性が注目されており、国際仲裁と国際調停の相互利用が図られるなど、国際仲裁と国際調停の効果的な連携も求められている。国際仲裁・調停の活性化には、国際仲裁のみならず、国際調停でも、最新の国際水準に見合った法制度を備える必要があり、調停による国際的な和解合意に関する国際連合条約(シンガポール条約)への対応も急務である。

今般の仲裁法等の見直しにあたって、下記の点について、留意いただきたい。

1.仲裁法の見直しについて

東京地方裁判所、または、大阪地方裁判所にも競合管轄を認める規律には賛成する。ノウハウの蓄積、外国語への対応、人材育成を一層推進する観点から、将来的には専属管轄を認めることも視野に検討すべきである。

また、外国語資料の訳文添付の省略については、時間的・金銭的なコスト軽減につながり得るものであり、広く認めるべきである。訳文が不要となる事件や文書の対象範囲を具体的かつ明確に示すべきである。

2.調停による和解合意の執行決定等に関する規律の創設について

国際調停では、和解合意に執行力を付与する手段に乏しいという実情がある。企業間紛争において、執行力が付与されない手段の利用は難しく、スピード感をもって、国際水準に見合った法制度への対応を進めるべきである。

以上

「税、会計、経済法制、金融制度」はこちら