2019年10月30日
経団連 知的財産委員会企画部会
経団連 知的財産委員会企画部会
現在、悪質な海賊版による被害が深刻化している。これを踏まえ、総合的な海賊版対策として、侵害コンテンツの違法ダウンロードの対象を全ての種類の著作物に拡大することを含めた著作権法改正案の、第198回通常国会への提出が目指されたが、国民の正当な情報収集等に委縮を生じさせる懸念があるという指摘がなされ、著作権法改正案の提出が見送りとなった。
しかし依然としてインターネット上での著作権侵害による権利者の経済的損失は重大であり、我が国におけるコンテンツの創造及び消費に対する脅威となっているため、悪質な海賊版への対策を行うことは不可欠である。
その際には、現在インターネット上で通常行われる行為が違法行為となることにより、国民の正当な情報収集等に委縮を生じさせたり表現の自由が脅かされたりすることのないよう、諸外国の制度との比較検討を行いつつ、①違法となる行為についてより適切な要件設定を行うこと、②制度改正の内容を広く周知し、併せて啓発活動を行うこと、③必要に応じ権利制限規定の拡充を図ること等の適切な対策を講じるべきである。
以上