一般社団法人 日本経済団体連合会
環境エネルギー本部
1.基本原則
<該当箇所>
2ページ 22行目~34行目
<意見概要>
使用後のプラスチックは、その素材特性や経済合理性、技術可能性を踏まえ、各種手法を最適に組み合わせて、効果的・効率的な資源循環を推進すべき。
<意見内容>
使用後のプラスチックの循環利用にあたっては、繰り返し使用することで劣化するプラスチックの素材特性や経済合理性、技術可能性を踏まえて、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、熱・エネルギー回収を最適に組み合わせることで、効果的・効率的な資源循環を行うべきである。
2.レジ袋の有料化義務化
<該当箇所>
3ページ 22行目~29行目
<意見概要>
政府が「レジ袋の有料化義務化(無料配布禁止等)」を行うのであれば、全国一律の制度となるよう、法的措置が必要。
<意見内容>
既に大手小売事業者を中心に、レジ袋の有料化に自主的に取り組むとともに、消費者にマイバッグ持参を働きかけるなど、レジ袋の削減などの3Rを推進してきた。レジ袋の有料化を国民生活により一層定着させ、政策目的であるワンウエイ容器の使用削減に繋げるためには、政府・地方自治体の主体的な取組みが不可欠である。
今般、政府が前面に立って「レジ袋の有料化義務化(無料配布禁止等)」を行うのであれば、政府・地方自治体等が率先して国民理解の醸成に努めるとともに、事業者間の不公平感がなく、また、消費者に混乱をきたすことがないようなかたちで、レジ袋の定義を明確化するなど全国一律の制度となるよう、法的措置を講ずる必要がある。
3.効果的・効率的で持続可能なリサイクル
<該当箇所>
4ページ 10行目~31行目
<意見概要>
材料・ケミカルリサイクル、熱・エネルギー回収を資源有効利用率の最大化と費用最小化の観点から最適に活用し、効果的・効率的な資源循環が推進されるよう検討すべき。
<意見内容>
プラスチックはその素材の特性上、繰り返し使用することで劣化することなどから 、材料リサイクルのみならず、ケミカルリサイクル、熱・エネルギー回収の有用性も認識し、それらを資源有効利用率の最大化と費用最小化に向けて最適に活用しながら、素材特性に合った効果的・効率的な資源循環を行うよう、検討を深めるべきである。
その一環として、容リ法の再商品化手法に関し、再商品化事業者の入札にあたって材料リサイクル手法が優先的な扱いを受けている現状を見直すことが求められ、ケミカルリサイクル手法をさらに活用していくことが地球温暖化対策の観点からも必要である。
4.効果的・効率的で持続可能なリサイクル
<該当箇所>
4ページ 10行目~14行目
<意見概要>
容器包装リサイクル制度への製品プラスチックなどの品目追加は、制度の根幹の見直しや、事業活動等への多大な影響、混乱の発生が強く懸念され、極めて慎重に検討すべき。
<意見内容>
容器包装リサイクル制度に製品プラスチックなどの品目を追加することは、制度の根幹を見直すことに繋がり、事業活動等に多大な影響を及ぼし、混乱が生じることが強く懸念されるため、極めて慎重に検討する必要がある。EUにおけるサーキュラーエコノミー戦略の動きも踏まえ、拡大生産者責任の観点から循環型システムのあり方を見直す場合には、日本独特の廃棄物処理法の抜本的な見直しも視野に入れて検討すべきである。
5.バイオプラスチック
<該当箇所>
5ページ 5行目~25行目
<意見概要>
バイオプラスチック等の定義を明確に示すべき。
<意見内容>
戦略案には、バイオプラスチック、バイオマスプラスチックおよび生分解性プラスチックの3つの用語が記載されている。これらは専門用語であり、さらに相互に包含関係があることから、国民にプラスチックに関する正しい理解を促すため、それぞれの定義を記載すべきである。
6.海洋プラスチック対策
<該当箇所>
5ページ 26行目~6ページ2行目
<意見概要>
犯罪行為であるポイ捨てや不法投棄の撲滅に向けた施策の強化が必要。また、一般廃棄物の収集・処理等の徹底やポイ捨て防止、街の美化など、市町村の取組み強化が重要。
<意見内容>
地球規模の海洋プラスチック問題の解決に向けては、まずは各国において、国内のプラスチックごみを適正に管理・処理し、海洋への流出を防止することが急務である。
日本においては、高度経済成長期より、廃棄物の適正処理の推進と不法投棄撲滅に向けて対策が講じれられ、実績をあげてきた。
そうしたなか、日本でも川ごみ・海ごみ問題が指摘されているところ、まずは、ポイ捨てや不法投棄が犯罪 であることを改めて国民に周知徹底を図り、それらの撲滅に向けた施策を強化していく必要がある。
一般廃棄物については市町村がその処理責任を負うことから、一般廃棄物の収集・処理等の徹底やポイ捨て防止、街の美化など、市町村の取組み強化が重要である。また、公共スペースにおけるごみ箱の適切な設置のあり方について、テロ対策も勘案しつつ、検討が求められる。
7.マイルストーン
<該当箇所>
8ページ 23行目~9ページ15行目
<意見概要>
「目指すべき方向性」であるマイルストーンは、業種や品目ごとに数値目標を割り当てたり、事業者や消費者等に達成を義務付けたりすべきでない。
<意見内容>
「プラスチック資源循環戦略(案)」で示された「マイルストーン」は、世界トップレベルの野心的な「目指すべき方向性」として掲げられている。2000年頃から3Rに積極的に取り組んできた経済界としては、本マイルストーンは極めて野心的な内容であると認識している。
本マイルストーンは、戦略(案)に記載されている通り、「国民各界各層の連携協働を通じて、その達成を目指すもの」であり、今後、業種や品目ごとに数値目標を割り当てるといった政策手段を講じるものではなく、また、事業者や消費者等に達成を義務付けるべきではない。
意見募集ページ(環境省)
https://www.env.go.jp/press/106186.html