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Policy(提言・報告書)  地域別・国別 アジア・大洋州 第3回日中企業家及び元政府高官対話 共同声明

2017年12月5日
於:日本・東京

中国国際経済交流センター(CCIEE)と日本経済団体連合会(経団連)は2017年12月4日-5日に東京において第3回日中企業家及び元政府高官対話を共同で開催した。

双方は日中経済貿易関係およびその他共通の関心事項について掘り下げた率直な意見交換を行い、特に貿易、投資、金融、医療・ヘルスケア、省エネ・環境保護、観光など成長産業、第3市国市場の共同開発などの分野における協力の推進について共通認識を得た。双方は日中企業家と元政府高官対話のメカニズムが果たす重要な役割を高く評価し、この対話は両国間の理解の増進、共通認識の拡大、協力の強化に資する環境整備を進めるユニークなプラットホームであると考える。双方は今後も継続的に対話のプラットホームを利用し、重要な問題についてタイムリーにコミュニケーションを行い、両国企業の頻繁な交流を促し、日中関係の持続的な改善と良好な発展を推進していく。

世界各国の相互依存が益々深まり、平和・発展・協力へのニーズが高まっていることは双方共通の認識である。二国間の戦略的相互信頼関係を築き、深化させることは新時代における日中関係の安定的な発展にとって極めて重要である。今年は日中国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年であり、双方はこれらの契機に、両国国民の基本的な利益を出発点として、協調と実質的な協力をさらに強化し、日中関係を安定的に発展させ、持続的な平和と、共栄する調和のある世界を構築しなければならない。

経済協力は日中関係の推進装置であるということは、双方の代表が強調するところである。日中両国の経済は様々な面において相互補完性が高く、二国間の経済関係は常に両国関係の発展のための「安定装置」、「おもり」である。双方は今後とも、平和、友好、協力という基本的な方向をしっかりと踏まえ、貿易、投資、金融、製造、環境保護、観光、医療・ヘルスケア、文化、メディア、第3国市場、青少年など、多岐にわたる交流を強化し、互恵的でWIN-WINとなる協力と交流を進める。こうした交流を通じて、積極的に二国間および多国間の経済貿易制度の構築に努め、両国関係の発展に向けた民意を醸成し、日中間の戦略的互恵関係の継続的な発展に資する取り組みを推進していく。

双方は、日中両国経済の持続的で、バランスの取れた、健全な発展のために絶えず努力することに同意し、以下の共通認識に達した。

1.貿易、投資、金融協力

双方の代表は、貿易と投資は日中経済関係を推進する重要な牽引力であり、日中間の貿易と双方向の投資のポテンシャルは依然大きいとの認識を共有した。双方は、自由で開かれた貿易・投資体制を堅持することが、経済成長、雇用創出、科学技術のイノベーションにとって重要な意義を持つという点で同意する。双方は、開放的かつ包摂的で、WIN-WINの地域協力の枠組みを整備・構築する必要性を認め、地域経済統合を推進し、地域の貿易・投資の自由化と円滑化、そして経済技術の高いレベルで協力を促進する必要がある。双方は、日中首脳間の会談において、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)や日中韓FTAにつき、質の高い協定の早期締結に向けて、両国の連携強化で一致したことを歓迎し、関連作業を早急にスタートさせることを期待する。高い水準の自由貿易地域を実現する為に、引き続き日中企業家及び元政府高官対話による推進力を発揮して、日中経済分野での更なる実質的な行動と具体的な政策の実現を促し、二国間経済関係の実質的な進展を図ることで認識が一致した。

2.成長分野における協力

日中両国が更なる成長を遂げるためには、イノベーションがその基盤となるという認識の共有とともに、その推進にあたっては、研究開発分野における幅広い連携と協力が必要不可欠である。双方は、超スマート社会を目指すSociety 5.0や大衆創業・万衆創新等、双方のイノベーション関連政策に関しても、協力していく余地があることを確認した。併せて、デジタル経済、シェアリングエコノミー、スマート製造、クリーンエネルギー、省エネ・環境保護などの分野で実質的な協力を展開し、科学技術イノベーションや研究開発への投入に努め、経済の新たな成長ポイントを育成していくべきとの認識を共有した。双方は、両国企業には医療、ヘルスケア、観光などの成長産業分野で協力の可能性があり、互恵的でWIN-WINの発展を目指すことを確認した。

高齢化は日中両国が直面する共通の課題である。両国企業は、バイオ医薬研究・製造、医療介護サービスなどの分野で協力を進展させ、両国の国民さらには全人類に対して、貢献していくべきとの認識で一致した。

日中両国は互いに重要なインバウンド、アウトバウンドの相手国である。双方は観光分野での協力を更に進め、魅力ある商品の供給拡大、観光施設の能力増強、観光サービスのレベル向上、サービスに関する管理研修の進展など、各分野で協力を強化し、両国民の理解と交流を深め、両国の観光経済の健全な発展を促進する必要がある。

3.産業協力と第3国市場での協力

両国の経済は構造調整と産業構造の転換や高度化の段階にあり、双方は自発的に、グローバルな産業の役割分担の変化に適応し、世界のバリューチェーンの再構築を積極的に牽引している。今後もアジア地域が、成長センタとして持続的に発展するとともに、域内の発展の不均衡を解消し、全ての人々がグローバリゼーションの恩恵を享受していくためには、質量両面において地域のインフラ開発を着実に進めることが不可欠であるとの認識を共有した。そのなかで、「一帯一路」イニシアチブは全てのパートナーに対して開放され、透明性、経済性等を基盤として、両国の企業に更に幅広い、活力のある協力のプラットホームとなりうるものである。双方は「一帯一路」の枠組みを含めて、両国企業が優位性を発揮できる第3国市場における、緊密な協力を早急に図っていくことで一致した。

双方は日中企業家及び元政府高官対話による積極的な成果を前向きに評価し、このプラットホームが両国の相互信頼と交流、互恵的な協力の増進に積極的な役割を果たすことを期待している。双方は対話交流の深化と実質的な協力の場を継続的に拡大していくことを再確認し、来年の然るべき時期に北京で第4回会議を開催する事に同意した。

以上

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