2017年11月28日、ロシア産業家企業家連盟(以下「RSPP」)と日本経済団体連合会(以下「経団連」)はモスクワに参集し、第14回日本ロシア経済合同会議(以下「合同会議」)を開催した。
両者は、両国を含む世界を取り巻く地政学的な現状にもかかわらず、双方の官民のハイレベルによるかつてない頻度の会合や交流によって、とりわけここ2年の間に日露経済関係が著しく強化されたことに留意した。
なかんずく、2016年5月のソチにおける日露首脳会談で安倍晋三首相の確固としたリーダーシップの下で打ち出された8項目の「協力プラン」が、最初の成果を着実に生み出していることを両者は歓迎した。
こうした中、両者は二国間貿易・投資のさらなる発展を目的として、構造的な課題を特定することの重要性を認識した。これによって、ロシアと日本がウィン・ウインのビジネス関係を深化・拡大するため、より効果的に協力することが可能となる。
ビジネスチャンスを掘り起こす観点から、両者は、(1) 現状分析、(2) 日本企業がロシアでビジネスを展開する際に直面する課題、(3) 一層の協力が有望な分野、ならびにその実施に対する既存の障壁を除去するための明確な行動指針について、議論を深めた。
より多様でこれまでにない分野におけるビジネス関係を活性化する最近の機運を反映し、合同会議における議題は、「日露協力とロシア経済の近代化」、「優先分野での経済協力」、「地域間協力」という3つのセッションで、デジタル経済から観光にまで及んだ。
合同会議を通じて、両者は、前述の分野における様々な問題や課題の相互理解を深めることに関心を表明した。両者はとりわけ、超スマート社会を実現する日本のイニシアティブである「Society 5.0」#1を活用し、ロシア経済の近代化に向けた現行の協力の重要性を共有した。
優先分野における協力や地域間協力(特にロシアの極東)に関する意見交換を踏まえ、両者は、ロシア連邦・日本の両政府に対し、必要な場合は共同政策提言の形式を含め、短期的かつ中長期的な行動を取る必要性を認識した。
RSPP側が工業生産の拠点の整備または近代化のための大型投資プロジェクトを支援するための手段として、特別投資契約(SPIC)を活用する展望を強調した一方、経団連側は、ロシアのビジネス環境に関する経団連の最新の調査に示された具体例#2を引き合いに、日本企業が直面している積年の問題にRSPP側の関心を喚起した。
経団連側はまた、(1) ロシアの地域(ハバロフスク地方 、チュヴァシ共和国等)代表による提案、(2) 2018年のモスクワ最大の工業団地、(3) 2018年6月のロシア最大の技術会議「スタートアップ・ビレッジ」ならびに2018年後半のイベント「日本ビジネスデー」へのスコルコヴォ財団からの招待に留意した。
2018年が「ロシアにおける日本年」および「日本におけるロシア年」であることを考慮し、RSPPと経団連は両者の都合が良い時期に、日本の東京で第15回合同会議を開催することに合意した。
本共同声明は2017年11月28日に編纂され、英語の2本の正本に署名された。
RSPPロシア日本経済協力委員長 アレクサンドル・ショーヒン |
経団連日本ロシア経済委員長 朝田 照男 |
- Society 5.0は、「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細やかに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な制約を乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」と定義される。
- http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/064.html