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グローバル・サービス・コアリションとして サービス貿易に関する新たな協定(TiSA)の交渉官に対し 野心の高い合意に向けた努力の加速を求める
グローバル・サービス・コアリション(GSC)は、国際貿易ならびに投資上の課題について、コアリション参加メンバーのそれぞれの国のサービス産業界のために発言するとともに、グローバルなサービス産業界の代表である。サービス産業、とりわけデジタルの手法によって提供可能となるサービスは、今日の競争力のある経済圏において、その根幹をなすものである。コアリションの参加メンバーは、消費者にも企業にも同様にサービスを提供している。後者に対するサービスは、顧客である企業のグローバルなサプライチェーン、バリューチェーンにおいて不可欠なものである。その結果、サービス産業は先進国のGDPの主要な割合を占めるのみならず、新興経済圏においてもGDPに占める割合が急速に拡大している。GSCは、サービス分野の貿易と投資の自由化の継続やサービス分野の規制の現代化について共通の関心を有しており、これらは、経済成長、雇用創出、製造業や農業分野のサービス産業化、また、消費者の選択肢の拡大に資する。
GSCは、サービス貿易に関する新たな協定(Trade in Services Agreement:TiSA)の過去18回の交渉会合を緊密にフォローしてきた。これらの交渉会合を通じて望ましい進展がみられており、その背景には、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定、EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)の妥結や、EU米国間の環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)、日EU経済連携協定(EPA)の本年末までの妥結に向けた目下の取組みがある。
GSCは、TiSA交渉によってサービス貿易に関する規律の強化が図られ、広く商業的に意味のある分野において新たな市場アクセスが確保されるといった高い水準の合意がなされることを条件に、本年5月27日のG7伊勢志摩サミット首脳宣言および6月2日のOECD閣僚声明で合意されたとおり、本年末までに交渉を妥結させることを支持する。これにより、グローバル・バリューチェーンの強化、貿易・投資・雇用そしてGDPの増加という意味で多大な便益がもたらされるのであり、これらは、市場の開放、貿易・投資の内国民待遇、公正かつ透明な国内慣行、越境データフローの円滑化とデータローカライゼーションの禁止、国有企業に関する規律、そして規制協力によって実現するのである。当コアリションの代表団は第19回TiSA交渉会合に赴き、サービス産業界の見解についてさらなる視点を提供するとともに、市場アクセスのオファー改善とルール分野に関する作業の完了に向けて、全てのTiSA参加国が高いレベルのモメンタムを維持するよう、強く求める。
我々はこの目的が達成可能であると確信する。しかし、そのためには大きな推進力が必要であると考える。重要な課題、とりわけ金融や運送サービスにおける課題が網羅されなければならない。また、電子商取引、データの移転およびデータローカライゼーション、電気通信といった重要な分野においても、未だ意見の相違が残されている。「新たなサービス」、人の移動(モード4)、制度的事項についても進展が必要である。TiSA交渉が満足の得られる形で妥結に至るためには、交渉官はこれらの課題の解決策を見出す作業に集中すべきである。
GSCは、TiSA参加国の大層が改訂オファーを提出したことを歓迎し、本年秋に、その更なる改訂と改善を期待する。改訂オファーの提示あるいはその改善の基準として、以下のような内容が必要である:
- 明確に「GATSプラス」であること(すなわち、GATSの既存の自由化約束スケジュールを基準として、これを大きく上回る市場開放とさらなる約束範囲の拡大);
- 商業的に価値のあるサービス貿易分野における既存の自由化約束の改善;
- 過去最高水準のFTAに基づくこと;
- 一般的例外により政府には正当かつ無差別の政策について幅広い裁量の余地があるため、「政策余地」(Policy Space)は最小化すべき;
- モード4(人の移動)における質の高い約束;
- 「新たなサービス」を協定の対象範囲とし、その提供機会の創出を確保;
- 地方政府レベルにおける障壁の撤廃と残された措置の透明化
GSCは、TiSA参加国政府が世界各国のサービス産業界との協議の機会を提供していることを評価する。我々はTiSAの交渉官に対し、このような重要な段階において、交渉の進捗状況に関する情報を今後とも定期的に提供するよう求める。GSCとしては、交渉妥結に向けたモメンタムを後押しするとともに、コアリションのメンバーのそれぞれの国において、交渉への支持を構築すべく、引き続き密接に関与していく。