1. トップ
  2. Policy(提言・報告書)
  3. 産業政策、行革、運輸流通、農業
  4. 2011年度経団連規制改革要望

Policy(提言・報告書)  産業政策、行革、運輸流通、農業 2011年度経団連規制改革要望 ~“新生日本”の創造に向けた基盤整備を~

2011年9月20日
(社)日本経済団体連合会

1.土地・住宅・都市再生・観光分野
2.運輸・流通分野
3.農業・食品分野
4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野
5.危険物・防災・保安分野
6.エネルギー分野
  7.情報・通信、放送分野
8.金融・保険・証券分野
9.雇用・労働分野
10.通商・国際協力・インフラ輸出分野
11.外国人材分野
12.その他

はじめに

長期低迷を続ける日本経済、閉塞感漂う日本社会を再び成長軌道に乗せるとともに、大震災を乗り越え“新生日本”を創造するために重要なのは、民間の創意工夫の発揮を通じたイノベーションの推進である。その基盤となるのが、企業や個人の多様な挑戦と民間活力の発揮を促し、市場のニーズに適応した、より付加価値の高い競争力のある財・サービスを提供できるような事業環境の整備である。

そのためには、新産業・新事業等の創造や民間の自由で円滑な事業活動を阻害するとともに、高コスト構造の足枷や行政の無駄・非効率の温床となっている規制・制度等を不断に見直していくことが欠かせない。

政府は、2010年3月、行政刷新会議に「規制・制度改革に関する分科会」を設置して以来、国民全体から規制・制度改革の提案を受け付ける「国民の声」を設けるとともに、民間有識者の知見も活用しつつ政治主導で検討を行うなど、規制改革を積極的に推進している。直近では、「規制・制度改革に係る方針」(2011年4月8日閣議決定)や「規制・制度改革に係る追加方針」(同7月22日閣議決定)等を取りまとめるとともに、東日本大震災からの復旧・復興のための規制・制度の見直しについても政府全体で取り組んでいる。

こうした、政府の規制改革への一連の取り組みは、政治の強力なリーダーシップによる改革の成果であり、経団連として高く評価している。

今後も、行政刷新会議を司令塔に、「規制・制度改革に関する分科会」等の体制を充実させ、総合特区や復興特区などの手法を活用しつつ、現行の規制・制度をゼロベースで見直し果敢に規制改革を推進することを強く求めたい。

概要

本年6月17日~7月11日に、経団連全会員企業・団体を対象に「2011年度規制改革要望に関する調査」を実施。

111社・団体から寄せられた648の回答を関係委員会で精査し、12分野174項目の個別要望を取りまとめた。

1.規制改革要望に関する調査結果と経団連がとりまとめた要望の項目数

  2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度
回答企業・団体数 111 106 162 114 137
寄せられた要望数
(重複分を含む)
648 530 885 635 717
規制改革要望として
取りまとめた項目数
174 208 162 152 212

2.分野別項目数一覧

分野名 項目数   分野名 項目数
1. 土地・住宅・都市再生・観光 35 7. 情報・通信、放送 18
2. 運輸・流通 34 8. 金融・保険・証券 4
3. 農業・食品 4 9. 雇用・労働 12
4. 廃棄物・リサイクル、環境保全 20 10. 通商・国際協力・インフラ輸出 7
5. 危険物・防災・保安 2 11. 外国人材 4
6. エネルギー 13 12. その他 21

個別要望項目一覧

1.土地・住宅・都市再生・観光分野 (PDF形式、35ページ)

  1. (1) 防災及び環境負荷低減に資する設備の規制緩和
  2. (2) 防災型マンションコージェネ備蓄燃料貯蔵の緩和
  3. (3) 防火性能に係る大臣認定手続きの迅速化・簡素化
  4. (4) 建築物等に係る大臣認定制度の見直し
  5. (5) 建築物の仮使用承認手続及び完了検査制度の見直し
  6. (6) 住宅に係る型式適合認定制度の簡素化
  7. (7) 既存不適格建築物の増改築に係る基準の緩和
  8. (8) 住居系用途地域における共同住宅の附属駐車場の面積制限の緩和
  9. (9) 北側斜線制限の緩和
  10. (10) 天井高1.4m以下の収納に関する床面積非算入
  11. (11) 都市再生特区における日影規制適用除外
  12. (12) 避難安全検証法に関する規定の拡大
  13. (13) 風車支持構造物における使用材料の緩和
  14. (14) 鉄筋コンクリート造等の建築物等の柱に取り付けるはりの引張り鉄筋の定着長さの緩和
  15. (15) 定期借家制度の見直し
  16. (16) 借地借家法における正当事由制度の見直し
  17. (17) 区分所有法における決議要件の緩和
  18. (18) 再々開発事業に向けた都市再開発法の見直し
  19. (19) 特例容積率適用地区の拡大
  20. (20) 都市再開発法における借家継続規定の緩和
  21. (21) 市街地再開発事業の施行区域の要件の緩和
  22. (22) 市街地再開発事業における一団地の総合的設計制度等に係る同意基準の緩和
  23. (23) 建設業法上の法人の「役員」の範囲の見直し
  24. (24) 改修工事における監理技術者等の専任規定の緩和
  25. (25) 監理技術者等の途中交代ルールの徹底
  26. (26) 同一の監理技術者等による複数工事の管理についてのルールの徹底
  27. (27) 電気通信工事業の監理技術者等の資格要件の緩和
  28. (28) 住宅瑕疵担保履行法上の供託に関する販売戸数の合算
  29. (29) 地方公共団体による金銭信託を可能とする地方自治法の見直し
  30. (30) 信託による公共施設の建設等を可能とするための地方自治法の見直し
  31. (31) 太陽光発電を促進するための工場立地規制の見直し
  32. (32) 国内投資促進を目的とした工場立地届出期間の短縮
  33. (33) ヒートアイランド対策のための河川水利用に関する下水道規制の見直し
  34. (34) 中国人観光客に対する査証の要件緩和・見直し
  35. (35) 日本籍クルーズ客船による公海上でのカジノの運営の解禁

2.運輸・流通分野 (PDF形式、34ページ)

  1. (1) 45フィートコンテナ等大型貨物の輸送許可制度の創設
  2. (2) 国内輸送におけるISO規格大型海上コンテナの活用
  3. (3) 緊急自動車の指定範囲の拡大
  4. (4) 緊急通行車両手続きの簡素化等
  5. (5) 積載制限外積載許可申請に係る手続きの簡素化
  6. (6) 車高規制の緩和
  7. (7) 現金輸送用車両および機械警備警報対応用車両への駐車規制の緩和
  8. (8) 中古自動車の移転等登録のワンストップサービス(OSS)の導入
  9. (9) 中古並行輸入車の走行距離の表示
  10. (10) 営業用トラックの車検期間延長
  11. (11) 港湾計画変更の迅速化
  12. (12) 日本籍旅客船船舶検査の緩和
  13. (13) 船舶部材の国際規格の導入(国際船級間の相互承認)
  14. (14) 船舶職員法と船員法における定員基準の緩和
  15. (15) 米国、欧州等先進国との乗員資格、飛行模擬装置、整備施設等に関する相互承認の推進
  16. (16) 国内航空運賃の自由化
  17. (17) 航空機製造事業法の適用基準の見直し
  18. (18) 海外における航空機搭載無線装置借用基準の緩和
  19. (19) AEO事業者に対する輸出の事後届出制
  20. (20) AEO特定輸出者を対象とした輸出事前許可申請手続の簡略化
  21. (21) 帳簿書類の電子的保存に係る要件の見直しおよび手続の簡素化
  22. (22) 帳簿書類の保存期間の短縮
  23. (23) 通関申告先官署の自由化
  24. (24) 不開港へのNACCSシステムの適用
  25. (25) 複数の保税蔵置場を一括した保税蔵置場として許可する要件の緩和
  26. (26) 保税舶用重油の包括承認申告に関する運用の緩和
  27. (27) 大規模小売店舗に対する都市計画法による用途規制の緩和
  28. (28) 大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針における必要駐車台数の見直し
  29. (29) 大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針における騒音の評価方法の見直し
  30. (30) 大規模小売店舗立地法に基づく届出に際しての手続きの簡素化
  31. (31) 医薬品登録販売者制度の見直し
  32. (32) 一般用医薬品のインターネットを含む通信販売規制の見直し
  33. (33) クリーニング業における都道府県の衛生措置規制の見直し
  34. (34) 保健所の営業許可におけるコンビニエンスストアへの規制の適用

3.農業・食品分野 (PDF形式、4ページ)

  1. (1) 所有者不明農地の地権者同意要件の緩和
  2. (2) 食品表示に関する一般法の制定における実態に即したルールの設定
  3. (3) 輸入麦の売渡制度並びに砂糖・でん粉にかかる価格調整制度の見直し
  4. (4) 食鳥処理衛生管理者資格取得講習会の開催増加

4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野 (PDF形式、20ページ)

  1. (1) 企業グループでの産業廃棄物の自ら処理
  2. (2) 産業廃棄物管理票交付状況の報告様式の統一
  3. (3) 県外産業廃棄物流入規制の見直し
  4. (4) 自治体による事業系一般廃棄物の搬入規制の緩和
  5. (5) 産業廃棄物収集運搬業の許可主体の広域化と許可申請時の添付書類の統一
  6. (6) 広域認定制度における申請者の手続き簡素化
  7. (7) 再生利用認定制度の拡充によるリサイクルのさらなる推進
  8. (8) 産業廃棄物の保管数量制限の引上げとマニフェスト返送期限の延長
  9. (9) 廃棄物熱回収施設設置者認定要件の見直し
  10. (10) 廃棄物処理業および廃棄物処理施設設置許可の欠格要件の見直し
  11. (11) 建設系廃棄物に関する処理責任の元請一元化の特例措置
  12. (12) 産業廃棄物の輸出に関する規制緩和
  13. (13) 廃棄物判断基準における輸送費の取扱いの柔軟化
  14. (14) 林業系廃棄物の焼却処理に係るダイオキシン対策規制の緩和
  15. (15) 産業廃棄物処理施設の設置者に係る一般廃棄物処理施設の設置についての特例の適切な運用
  16. (16) 食品リサイクル促進に向けた廃掃法の特例の明確化及び拡充
  17. (17) 資源有効利用促進法における石炭灰の有効利用用途の拡大
  18. (18) 微量PCBで汚染された大型機器の筐体処理の実現
  19. (19) 微量PCB汚染物の定義の明確化と低温焼却による無害化認定の推進
  20. (20) 土壌汚染対策法第4条第1項の届出における地歴調査結果の添付の容認

5.危険物・防災・保安分野 (PDF形式、2ページ)

  1. (1) リチウムイオン電池設置時の危険物数量に関する規制緩和
  2. (2) 工場等のエレベーターの定期自主検査実施期限日の見直し

6.エネルギー分野 (PDF形式、13ページ)

  1. (1) 火力発電所をリプレイスする場合の環境影響評価手続簡素化
  2. (2) 環境影響評価手続の合理化
  3. (3) ガスタービン発電機のための海外規格品消火設備の適用
  4. (4) 地熱発電用地熱井の許認可の見直し
  5. (5) 自然公園特別地域・特別保護区に賦存する地熱資源に係る開発規制の緩和
  6. (6) 液化石油ガス事業者の緊急時連絡方法の緩和
  7. (7) 農用地区域内において行う開発行為の許可不要事業の拡大
  8. (8) 耕作できない農地を有効活用するための規制緩和(第1種農地の転用)
  9. (9) 都市公園における占有許可
  10. (10) 河川縦断時の埋設許可要件の見直し
  11. (11) ガスタービン取替えにおける工事計画の事前届出が必要な出力の緩和
  12. (12) 圧縮天然ガス自動車の充てん設備(CNGスタンド)の畜ガス最上限の緩和
  13. (13) 温室効果ガス排出量に関する報告の一元化・統一化

7.情報・通信、放送分野 (PDF形式、18ページ)

  1. (1) 行政情報の有効な利活用のための情報連携基盤の構築
  2. (2) 行政機関への提出書類の電子化および情報連携基盤の構築
  3. (3) 申請・届出等手続きの電子化
  4. (4) 戸籍データの遠隔地保存
  5. (5) 公的個人認証サービスの民間事業者への利用拡大
  6. (6) 情報処理事業者が医療情報を受託する際のデータセンターに関する要件の見直し
  7. (7) 情報システムの政府調達に係る規制の見直し
  8. (8) 住民税特別徴収関連手続き全般の電子化・オンライン化および窓口の一本化
  9. (9) 電子帳簿保存の承認要件の緩和
  10. (10) 全地方自治体における法人地方税、償却資産税の電子申告・届出(eLTAX)の可能化
  11. (11) 電気通信事業法に基づく端末認証における絶縁抵抗要求の緩和
  12. (12) 国際ローミング協定における認可対象範囲の縮減
  13. (13) 簡易無線局における空中線量および空中線利得の緩和
  14. (14) アンテナ(空中線)指向特性の規格の変更
  15. (15) 公共業務用無線局(固定局)の免許申請に関する規制緩和
  16. (16) 未認証無線通信機器の運用規制の緩和
  17. (17) 技術基準適合証明等の要件の緩和
  18. (18) 広帯域電力搬送通信(高速PLC)の規制緩和

8.金融・保険・証券分野 (PDF形式、4ページ)

  1. (1) 銀行法第16条の3(5%ルール)、同法第52条の24(15%ルール)の適用対象から信託勘定を除外すること
  2. (2) 特別勘定に関する現物資産による保険料受入、移受管
  3. (3) 投資法人における「減資」制度の導入
  4. (4) 貸金業法の対象の緩和

9.雇用・労働分野 (PDF形式、12ページ)

  1. (1) 企画業務型裁量労働制に関する対象業務・労働者の拡大
  2. (2) 企画業務型裁量労働制に関する手続きの見直し・簡素化
  3. (3) 事務系労働者の働き方に適した労働時間制度の創設
  4. (4) 週休2日制の場合のフレックスタイム制における法定労働時間枠の変更
  5. (5) 専門26業務における「付随的業務」の範囲等の見直し
  6. (6) 自由化業務における労働者派遣の受入期間制限の緩和
  7. (7) 常用雇用の派遣労働者に対する自由化業務における期間制限等の対象からの除外
  8. (8) 医療関連業務における労働者派遣の拡大
  9. (9) 「専門26業務に関する疑義応答集」の改善
  10. (10) 『「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集』の改善
  11. (11) 化学物質規制の統合
  12. (12) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用の緩和

10.通商・国際協力・インフラ輸出分野 (PDF形式、7ページ)

  1. (1) 炭素繊維の輸出等に関する規制の見直し
  2. (2) 輸出管理内部規程(CP)の内容に関する柔軟性の確保
  3. (3) 規制品目番号体系の国際化
  4. (4) リスト規制品目等の見直し
  5. (5) エンドユース・エンドユーザー規制への移行
  6. (6) 貿易保険の民間保険会社への開放部分の拡大
  7. (7) わが国政府情報システムの海外展開促進に向けた官民の役割分担や著作権の扱いに関する環境整備

11.外国人材分野 (PDF形式、4ページ)

  1. (1) 在留資格認定証明書の電子申請の導入
  2. (2) 技能実習中の海外出張の可能化
  3. (3) EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士が活躍するための環境整備
  4. (4) 年金脱退一時金制度の見直し

12.その他 (PDF形式、21ページ)

〔経済法制〕

  1. (1) 独占禁止法9条(一般集中規制)の廃止等
  2. (2) 独占禁止法9条ガイドラインの改正
  3. (3) 独占禁止法第11条に基づく銀行の議決権保有規制の対象から信託勘定を除外すること
  4. (4) 企業結合の範囲の見直し
  5. (5) 企業結合規制における届出書類の簡素化
  6. (6) グループ企業間の法律事務サービス提供の解禁

〔医療、社会保険等〕

  1. (7) 遠隔診療の有効活用に向けた適用範囲の柔軟な見直し
  2. (8) レセプトオンライン請求に関わる例外規定の見直し
  3. (9) レセプト情報・特定健診情報データベースの提供範囲の拡大
  4. (10) 処方箋の電子化
  5. (11) 処方箋・調剤録等の外部保存
  6. (12) 医療機器等における「認証」制度の運用改善
  7. (13) 後期高齢者支援金の加減算制度の評価内容の柔軟化
  8. (14) 健保組合保有の「重要財産の処分」に関わる申請手続きの見直し(認可制から届出制への変更)

〔その他〕

  1. (15) 生命保険会社による住民票の写し等の請求事務の負担軽減
  2. (16) 森林法(保安林解除)の行政手続きの簡素・迅速化
  3. (17) 企業内診療所における管理医師の兼務診療所数の拡大
  4. (18) 工業用水の給水地区規制の撤廃
  5. (19) サーバ用免震台の普及加速のための規格標準化
  6. (20) 職務発明制度の見直し
  7. (21) 黒すかし製造規制の緩和
以上

「産業政策、行革、運輸流通、農業」はこちら