2011年1月14日
(社)日本経済団体連合会
(社)日本経済団体連合会
資源エネルギー庁が12月24日に公表した「買取制度小委員会報告書(案)」に対し、以下の通り意見を述べる。
記
<意見>
再生可能エネルギーの全量買取制度は、拙速に導入するのではなく、以下の点に十分配慮したうえで、導入の是非、制度の詳細、実施時期等を慎重に検討すべきである。
- (1) 地域間調整にかかるコストや系統安定化対策費用も含めた負担額全体を国民・企業に具体的に明示し、納得を得ることを前提とすること。
- (2) 他の対策も含めた温暖化対策全体の費用対効果を踏まえ本制度の是非等を検討すること。
- (3) 国民生活や雇用、企業の産業競争力に与える影響、炭素リーケージやサーチャージ負担等による企業の温暖化対策の停滞など地球規模の温暖化対策に与える影響を十分に踏まえ、導入規模を最小限に抑えること。
- (4) 2011年10月から導入が予定される地球温暖化対策税と併せて、これらの政策が企業の産業競争力(特に電力多消費産業)に与える影響等を勘案し、国内でものづくりを続けることができるよう、予算措置も含め適切な支援措置を講じること。
<理由>
- (1) 再生可能エネルギーの全量買取制度は、コストが高い再生可能エネルギーを、国民の負担の下に導入拡大を図る施策であり、負担者たる国民の理解と合意が前提となる。
- (2) 例えば原子力エネルギー等と比較してコストの高い再生可能エネルギーに多くを依存することは、温暖化対策としての費用対効果の観点からは合理的でないとも考えられる。
- (3) 再生可能エネルギーの全量買取制度の負担が、国民生活や雇用、企業の産業競争力に悪影響を与える。また、炭素リーケージを招いたり、企業の省エネ・研究開発投資の原資を奪うこととなり、地球規模の温暖化対策に逆行する懸念がある。
- (4) 特に多くの負担を強いられる産業については、特段の配慮が必要である。
以上