経団連(榊原定征会長)は月末の金曜日に少し豊かな週末を楽しむことを提案するプレミアムフライデーを推進している。認知率は約9割に達し、3人に1人が「普段の週末にはできない過ごし方が出来た」といった意識調査(※)からも、徐々に定着の兆しをみせている。そうしたなか、導入から5回目を迎えた6月30日、東京国立近代美術館で、プレミアムフライデーのあり方を考えるPRイベント(主催=プレミアムフライデー推進協議会)が開催された。
イベントの第1部として、企業のプレミアムフライデー活用事例を紹介する「プレミアムフライデー・サミット」が実施された。開会あいさつに立った経団連の石塚邦雄副会長は、プレミアムフライデーの世間での広がりを説明するとともに、豊かな生活を送るためのきっかけとして定着するよう地道に活動を継続していきたいと述べた。
続いて、みずほ総合研究所の宮嶋貴之・経済調査部主任エコノミストが「データでわかるプレミアムフライデーの現状と期待」をテーマに講演し、活動開始から5カ月を経た手応えや、今後の可能性について言及した。
その後、石原伸晃経済再生担当大臣と企業の代表者らによるパネルディスカッションが行われ、地方や中小企業での取り組みを含め、消費喚起や働き方改革に向けたさまざまな活用事例について議論が交わされた。
水上印刷の河合克也社長は、「雇用の流動化や働き方の多様化が進んでいくなかで、人材を確保・育成し、質の高いサービスを提供していく必要がある。プレミアムフライデーを使いながら豊かな時間を送れる企業にしていくことで、人が集まる状況をつくっていきたい」と述べた。また、I Love しずおか協議会の森恵一会長は「地方こそプレミアムフライデーを活用するべき。地域経済の活性化、地域の人々の働き方改革、地方創生を達成するにあたり重要な手段となると考えている」と抱負を語った。
第2部では“文化”を切り口にプレミアムフライデーの新たな活用方法を提案する「プレミアム“カルチャー”フライデー」PRイベントが実施され、宮田亮平文化庁長官、神代浩東京国立近代美術館長、関ジャニ∞の横山裕さん、丸山隆平さんらがトークセッションに登壇した。
さらに、プレミアムフライデー推進協議会の提案する今後の活動テーマが発表された。
※ プレミアムフライデー推進協議会事務局調べ
【産業政策本部】