常態化する想定外と企業の役割
2020年は、多くの人々にとって想定外の状況となった。日本では、56年ぶりに東京にオリンピック・パラリンピックを迎え、さまざまなイベントが盛り上がりを見せているはずだったが、現実は予期せぬ方向に進んだ。
2020年は、多くの人々にとって想定外の状況となった。日本では、56年ぶりに東京にオリンピック・パラリンピックを迎え、さまざまなイベントが盛り上がりを見せているはずだったが、現実は予期せぬ方向に進んだ。
近年、わが国において、台風による大規模水害や地震等、さまざまな自然災害の規模・頻度が増している。早急に従来の想定を再検証し、災害対策のあり方についてあらためて検討しなければならない。政府、自治体には、人口動態やSociety 5.0をはじめとする今後の社会像を踏まえ、公共事業の経済性に配慮しつつ、老朽化したインフラの整備も含めた災害対策の強化を行うことが求められる。一方、経済界としても、事業活動の維持継続や早期復旧に向けた体制整備に万全を期すとともに、新たな災害対策技術の開発・社会実装に取り組む必要があろう。本座談会では、Society 5.0時代の災害対策のあり方を展望するとともに、今後、政府・経済界に求められる取り組みを整理する。
わが国の国土強靱化に向けた取り組み
宮崎 祥一(内閣官房国土強靱化推進室内閣審議官)
データを活用した防災まちづくり
北村 知久(国土交通省都市局長)
東京都の災害対策における民間企業との連携
小林 茂(東京都危機管理監)
災害対応の強化に向け企業に求められる役割
髙橋 孝一(SOMPOリスクマネジメント首席フェロー)
インフラの強靱化に先端ICT技術を
藤野 陽三(城西大学学長)
風水害被害に対する防災対策の積み重ねと効果
―大雨による「災害」は増えているのか
牛山 素行(静岡大学防災総合センター教授)
各州知事および連邦議会議員と対話
―NGA冬季会合にミッション派遣
早川 茂(経団連副会長、アメリカ委員長/トヨタ自動車副会長)
永野 毅(経団連アメリカ委員長/東京海上ホールディングス会長)
【提言】
Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言
―2019年度経団連規制改革要望
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/023.html
筒井 義信(経団連審議員会副議長、行政改革推進委員長/日本生命保険会長)
山本 正已(経団連行政改革推進委員長/富士通取締役シニアアドバイザー)
【提言】
戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて
―2019年度版提言を公表
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/024.html
飯島 彰己(経団連開発協力推進委員長/三井物産会長)
遠藤 信博(経団連審議員会副議長、開発協力推進委員長/日本電気会長)
【提言】
EdTechを活用したSociety 5.0時代の学び ~初等中等教育を中心に
―テクノロジーで日本の教育を変える
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/022.html
小宮山 利恵子(経団連イノベーション委員会企画部会エドテック戦略検討会座長
/リクルートマーケティングパートナーズ スタディサプリ教育AI研究所所長/東京学芸大学大学院准教授)
日露地域交流の拡大と深化に向けて
―日本ロシア経済合同会議をモスクワで開催するとともにニジニ・ノヴゴロド州を視察
朝田 照男(経団連日本ロシア経済委員長/丸紅特別顧問)
あの時、あの言葉
約束
岡藤 正広(伊藤忠商事会長)
Essay「時の調べ」
東京の創造力と市民の創造力をシンクロさせ、新たな社会関係資本を生み出す「東京ビエンナーレ2020」
中村 政人(東京藝術大学教授)