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経営タイムス No.2694 (2003年10月2日)

日本経団連、年内目途に政党の政策評価実施

−宮原副会長(政治・企業委員長)が表明


日本経団連は9月25日、今年5月に発表した新方式による企業・団体の政治寄付を行う際に政党の政策を評価する基準となる「優先政策事項」(詳細9月25日号既報)と、各項目ごとの具体的施策を示した「解説」を発表し同日、政治・企業委員長の宮原賢次副会長が記者会見した。その中で宮原副会長は、優先政策事項の内容を与野党のマニフェスト(政権公約)作りに反映させたいとの意向を示すとともに、年内を目途に政党の政策評価を実施することを明らかにした。

宮原副会長はまず、優先政策事項について、「(1月発表の)新ビジョン『活力と魅力溢れる日本をめざして』が掲げた民主導・自律型の経済社会を実現するために、緊急かつ重要な項目を列挙したもの」と説明。さらに、「10項目の政策をどのように実現するか、各党に検討していただきたい」と語った。
今後のスケジュールについては、優先政策事項をベースに、年内を目途に政党の政策評価を実施する予定であるとし、「(11月に見込まれる)総選挙の際に各政党が発表するマニフェストとの合致度や取り組み状況を勘案して評価を行う」との考えを示した。また、具体的な手法や評価方法は政経行動委員会(前田又兵衞委員長)で有識者の意見も参考に検討するとした上で、「今回は初めての試みであり、数値目標はあまり入らなかったが、優先政策事項を毎年改定し、よりよいものにしていきたい」と語った。
さらに宮原副会長は、「よりよい社会を築くために企業が政治に積極的に関与して、政治寄付を通じて政治を活性化することが社会全体にとって必要である」と述べるとともに、「企業の政治寄付は社会的責任の一端であり、社会貢献である」と政治寄付の意義を強調。企業の政治寄付に対するこれまでの社会の認識を変えたいと訴えた。

【優先政策事項】

  1. 経済再生、国際競争力強化に向けた税制改革

  2. 将来不安を払拭するための社会保障改革

  3. 民間の活力を引き出すための規制・行政改革

  4. 科学技術創造立国の実現のための環境整備

  5. エネルギー戦略の確立と産業界の自主的取り組みを重視した環境政策の推進

  6. 心豊かで個性ある人材を育成する教育改革の推進

  7. 個人の多様な力を活かす雇用・就労形態の促進

  8. 活力とゆとりを生み出すための都市・住環境の整備

  9. 地方の自立を促す制度改革と活性化対策の進推

  10. グローバル競争の激化に即応した通商・投資・経済協力政策の推進


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