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経営タイムス No.2693 (2003年9月25日)

政治寄付の政党評価基準/「優先政策事項」を日本経団連が発表

−政治寄付の意義の考え方も


日本経団連(奥田碩会長)は25日、今年5月に発表した新方式による企業・団体の政治寄付を行う際に政党を評価する基準となる「優先政策事項」と、企業の政治寄付の意義に関する考え方をとりまとめ、発表した。

日本経団連では、今年5月12日に発表した「政策本位の政治に向けた企業・団体寄付の促進について」の中で、日本経団連が定める「優先政策事項」に基づいて政党の政策評価を行い、企業・団体の自発的な政治寄付を促進するとの方針を明らかにした。
この方針に基づき、日本経団連では、会員企業・団体ならびに外部有識者などの意見を聞き、政党の政策評価の尺度となる「優先政策事項」をとりまとめた(全文下記)。

政治寄付の重要性指摘

ここで取り上げた政策は、今年1月に発表した新ビジョン「活力と魅力溢れる日本をめざして」で掲げた、民主導・自律型の経済社会を実現するために、緊急かつ重要な項目を列挙したもの。この政策評価を契機に、各政党の真剣な取り組みを期待するとともに、さまざまな機関が独自に政党を政策で評価し行動する気運が高まることを期待するとしている。
さらに、「優先政策事項」とあわせて、企業の政治寄付の意義に関する考え方を改めて整理。その中で、政策評価に基づく企業の政治寄付は、(1)政策本位の政治の実現への貢献 (2)議会制民主主義の健全な発展への貢献 (3)政治資金の透明性向上への貢献――の3点から、極めて重要であると指摘している。

<優先政策事項>

日本経団連では、本年1月「活力と魅力溢れる日本をめざして」と題するビジョンを発表した。日本の政治・経済・社会システムは、少子・高齢化の進展、グローバル競争の激化といった環境変化に、迅速に対応できなくなっている。そこで、ビジョンでは、従来の官主導型の成長モデルを転換し、民主導・自律型の経済社会のグランドデザインを示した。すなわち、われわれがめざすのは、個人や企業が自由に創意工夫を発揮し、個々の多様性に根ざした活力を全体の発展に結びつける経済社会である。
このためには、政治が強いリーダーシップを発揮し、経済・産業の活性化、資産デフレの克服と、簡素で効率的な政府づくりをめざした改革を強力に推進していかなければならない。
このような観点から、当面、下記の10項目の政策の推進が極めて重要であると考える。

  1. 経済再生、国際競争力強化に向けた税制改革

  2. 将来不安を払拭するための社会保障改革

  3. 民間の活力を引き出すための規制・行政改革

  4. 科学技術創造立国の実現のための環境整備

  5. エネルギー戦略の確立と産業界の自主的取り組みを重視した環境政策の推進

  6. 心豊かで個性ある人材を育成する教育改革の推進

  7. 個人の多様な力を活かす雇用・就労形態の促進

  8. 活力とゆとりを生み出すための都市・住環境の整備

  9. 地方の自立を促す制度改革と活性化対策の推進

  10. グローバル競争の激化に即応した通商・投資・経済協力政策の推進


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