経団連は13日、「採用選考に関する指針」(以下、指針)および「採用選考に関する指針の手引き」(以下、手引き)を取りまとめ、公表した。
政府から要請のあった「採用選考活動の開始時期の後ろ倒し」の対応の方向性については、7月8日に公表(7月18日号既報)しており、指針、手引きはこの方向性を踏まえて策定されたもの。概要は次のとおり。
■ 指針について
改訂のポイントは次の3点である。
第1は、指針に基づき採用選考活動を行う際に、手引きを踏まえていく旨を指針本文中に明記したことである。
第2に、採用選考活動の開始時期については、「日本再興戦略(6月14日閣議決定)」を引用するかたちで、(1)広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降とする(2)選考活動は卒業・修了年度の8月1日以降とする――と規定した(広報活動はプレエントリー・会社説明会など、選考活動は面接・試験を指す)。
第3に、対象は2016年4月入社予定者以降とした。
■ 手引きについて
今回、手引きに新たに規定したものとして、(1)エントリーシートなどによる事前スクリーニングを「広義の選考活動」と定義し、自粛すべき選考活動とみなさないこと(2)夏季における服装の取り扱いを周知すること(3)指針および手引きの見直し条項を設けること――の3点がある。
倫理憲章から移行したものは、(1)広報活動開始前の学内セミナー等への参加自粛規定(2)高校卒業予定者の取り扱い規定――の2点である。
なお、広報活動の開始前に行うことができるインターンシップは、従来どおり就業体験の機会提供と位置づけ、具体的な実施要件もこれまでと同内容の規定とした。
■ 今後の対応
今後は会員企業に対し、指針と手引きの周知徹底を図るとともに、さまざまな関係者と十分に連携しながら、必要な取り組みを行っていく。
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なお、15年4月入社予定者の採用選考活動については、引き続き、11年3月15日改訂の倫理憲章と参考資料を適用することに留意されたい。
【労働政策本部】