「気候変動」にどう向き合うか
世界経済フォーラムの「今後10年間の発生可能性が高いグローバルリスク」ランキングで、今年は「大規模自然災害」「異常気象」などの環境関連が上位5項目を独占した。政財界のリーダーへのアンケートに基づくこの調査結果は、社会・経済のサステナビリティ改善に向け気候変動への取り組みが急務となっている現実を映している。
世界経済フォーラムの「今後10年間の発生可能性が高いグローバルリスク」ランキングで、今年は「大規模自然災害」「異常気象」などの環境関連が上位5項目を独占した。政財界のリーダーへのアンケートに基づくこの調査結果は、社会・経済のサステナビリティ改善に向け気候変動への取り組みが急務となっている現実を映している。
地球規模の環境課題に対する国内外の関心が高まり、パリ協定やSDGsの採択、ESG投資の拡大などを背景に、企業の行動に大きな期待が寄せられている。経団連は1990年代から「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野を中心に、経済界による自主的取り組みを推進してきた。近年は、幅広い地球規模の課題を統合的にとらえながら、企業経営の重要課題の1つに据えて事業活動を遂行していくことが求められるとの認識のもと、「環境統合型経営」を提唱するとともに、気候変動問題に関し、2019年12月に「チャレンジ・ゼロ」構想を打ち出した。本座談会では、経団連の推進する自主的行動の意義を再確認しつつ、「環境と成長の好循環」の実現の鍵を握る企業が「環境統合型経営」を実践している事例や課題について議論を深めた。
官民を挙げた「環境と成長の好循環」の実現
梶山弘志(経済産業大臣)
持続可能なビジネスにおける2020年の企業の役割
―行動の10年を迎えて
ピーター・バッカー(持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)プレジデント・CEO)
気候変動問題に対する具体的な解決策を
―イノベーションを通じて「環境と成長の好循環」を実現
杉森 務(経団連副会長、環境安全委員長/JXTGホールディングス社長)
気候変動対策における企業の役割
デービッド・サンダロー(コロンビア大学世界エネルギー政策センター創立フェロー)
清涼飲料業界のイニシアティブ
プラスチック資源循環宣言
堀口英樹(全国清涼飲料連合会会長)
EU発「サーキュラーエコノミー」の日本企業の経営へのインパクト
梅田 靖(東京大学大学院工学系研究科教授/21世紀政策研究所研究主幹)
生態系減災(Eco-DRR)の可能性
一ノ瀬友博(慶應義塾大学環境情報学部教授)
ESG投資時代に目指す、住友林業の「環境統合型経営」
飯塚優子(住友林業サステナビリティ推進室長)
“豊かで持続可能な社会”実現に向けセブン&アイグループ横断でイノベーションに挑む
江上貴司(セブン&アイ・ホールディングス サステナビリティ推進部オフィサー)
「環境統合型経営」の実践により、環境と成長の好循環を実現する
―日本製鉄の取り組み
泉山雅明(日本製鉄環境部長)
「生物多様性の主流化」の現状と課題
―「生物多様性に関するアンケート〈2019年度調査結果〉」が示すもの
(経団連自然保護協議会事務局)
訪米し米国政府や米欧の経済界と意見交換
―日米協力への強い期待を実感
中西宏明(経団連会長)
【提言】
新たな「食料・農業・農村基本計画」に対する意見
―Society 5.0時代における農業構造改革に向けて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/015.html
十倉雅和(経団連審議員会副議長、農業活性化委員長/住友化学会長)
佐藤康博(経団連審議員会副議長、農業活性化委員長/みずほフィナンシャルグループ会長)
磯崎功典(経団連農業活性化委員長/キリンホールディングス社長)
あの時、あの言葉
「私」をつくった言霊
菊池宏行(東京石灰工業社長)
Essay「時の調べ」
盆栽の美を刳る
小林國雄(盆栽作家)