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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2021年11月8
一般社団法人 日本経済団体連合会

【経団連カーボンニュートラル行動計画】

この度、2050年カーボンニュートラルに向けた経団連初のアクションプランとして、カーボンニュートラル行動計画(以下、CN行動計画)をとりまとめた。要点は3つ。1点目は、2050年カーボンニュートラルに向けたビジョンの策定。全業種から、策定済みあるいは策定について検討中・検討予定との回答があった。策定済み23業種のCO2排出量は、参加業種全体のCO2排出量の9割に達する。2点目は、削減目標の見直し。参加業種に対し、2030年度の排出削減目標の見直し状況を確認したところ、CN行動計画を機に、21業種が目標の見直し、あるいは今後の見直しの予定を表明するなど、取り組みのペースが加速している。3点目は、削減実績。2013年度から2020年度にかけて、CO2排出量は22.3%削減された。

CN行動計画は、各業界がビジョンの提示によってカーボンニュートラルへのコミットメントを表明(決意表明)するものであり、また、グリーントランスフォーメーションに向けた機運の醸成を図るものである。

経団連は、CN行動計画を核に、気候変動問題に引き続き主体的に取り組むとともに、政府に対して後押しを働きかけ、わが国のグリーントランスフォーメーション、ひいては世界のカーボンニュートラルの実現に貢献していく。

同時に、政府に対して、2030年度46%減ならびに2050年カーボンニュートラルを実現するための道筋を具体的に示し、その実現に向け、国として行動していくよう促していく。例えば、エネルギーミックス、再エネの導入、原子力の活用をどう考えていくのかが問われている。産業界だけでは困難な領域もあり、新たな技術開発・社会実装やインフラ整備については、政府の支援も必要である。産業構造の変革が起きる中では、人々が応分の活躍ができるよう、リスキリング(再教育)の強化が重要だ。成長に資するカーボン・プライシングによる行動変容や、サステナブルファイナンスの促進、日本の優れた技術・製品の海外展開、といった課題もある。こうした点について、引き続きしっかりと提言し、政府に働きかけていく。

【提言「感染症対策と両立する社会経済活動の継続に向けて」

本年6月に会長に就任して以来、新型コロナに関する提言を重ねてきており、今回が4本目となる。前回9月の提言に引き続き、今般の岸田政権の本格始動に際し、新型コロナ対策と両立する形で、社会経済活動の活性化に向けた政策を一層前進させるべく、提言することとした。要点の第1は、早期治療と重症化予防を可能とする医療体制の確立。第2は、社会経済活動の活性化に向けた、入国管理の適正化をはじめとする各種政策の展開。入国管理について、政府は先週末、ビジネス目的等の入国者の自宅等待機期間を3日間に短縮する方針を示した。入国管理の適正化に向けた大きな一歩として評価したい。経済界は、入国者の適切な管理に協力し、着実な対応を重ね、さらなる国際的な往来の活性化につなげていく。今後も状況を踏まえ、接種したワクチンの種類の拡大を含め、さらに段階的な緩和がなされていくことを期待する。

【インバウンド観光の促進】

経済効果が大きく、日本という国を知ってもらう効果もあるので、段階を踏みながらインバウンド観光の促進に取り組む必要がある。

【Go Toキャンペーンの再開】

旅行などへの意欲は高まっており、もはやGo Toキャンペーンで支援しなくても、移動制限を緩和すれば消費は活性化するとの意見もあるが、コロナ禍で旅行業、飲食業等は大きな影響を受けている。Go Toキャンペーンのような取り組みは、観光客が過度に集中しないよう、また、効果が中小業者にも行き渡るよう留意しつつ、ワクチンパスポートや検査証明と適切に組み合わせながら進めるべきである。

【出勤者数7割削減の見直し】

テレワークは働き方改革の一環として、今後も続けるべきである。一方、出勤者数の7割を一律に削減すると経済活動に支障となる。ワクチンの効果などもあって、人流増加と新型コロナウイルス感染症の実効再生産数は相関しなくなってきているというデータも踏まえて、見直すべきである。

【女性活躍と男性の家事参画】

統計によると、共働き世帯(約1240万世帯)が専業主婦世帯(約571万世帯)の2倍強となっており(事務局注:総務省統計局「労働力調査」、2020年の数値)、男性の家事参画を後押しするのは当然である。日本人の男性が育児に割く時間は1時間台と、欧米の2時間台より少ない。夫の家事時間の長さと妻の就業継続割合との間には、正の相関がある。経団連は引き続き、女性の活躍を積極的に推進していく。

以上

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