
日本特殊陶業は、「誰もが自分らしく活躍し続けられる環境」を職場で実現すべくDE&Iの理解浸透に注力しており、年に一度「DE&I WEEK」を開催し、従業員が自分事として「インクルージョン」を考える機会を創出している。
<主な取組み>
○男性の育児参画の促進
同社は、男性の育児参画をはじめ、従業員がワークライフバランスを実現できる環境・文化を醸成することを基本方針としている。以前は男性の育児休業取得率が低かったことから、男性の育児を促進するべく、①子育て世代や上司向けのセミナーの開催、②従業員の育児と仕事の悩みを解消するための交流会の実施、③両立支援ハンドブックの策定、④上司と復職者の面談機会の設定、⑤育児休業を取得した男性従業員やその上司、周りの従業員へインタビュー記事を毎月発刊している「フォーラム(社内メールマガジン)」で紹介するなどの取組みを行っている。⑤について、部長職の男性が育児休業を取得した内容を掲載したことで、役職問わず制度を利用しやすい風土であることを社内に周知した。
こうした取組みにより組織風土の醸成や男性の育児参画が進み、男性の育児休業の平均取得率・日数は、2021年度の22.3%・50.8日から、2023年度には59.8%・75.1日へと向上した。
○働き方改革
子育て中の従業員に限らず、短時間勤務制度や短時間勤務者のフレックス勤務制度を導入している。従業員一人ひとりが最適な働き方を選択できる環境を整備することで、ワークライフバランスの向上を図っている。
また、労使による働き方委員会において、長時間労働の抑制や生産性向上を目的に、①定時退社日の徹底(フレックス勤務を含む普通勤務者、毎週水曜日および最終金曜日)や②21時以降の勤務禁止(交代勤務者を除く)、③1日の所定外労働時間5時間超の禁止、④勤務間インターバル(原則10時間以上)などのワークルールを定めている。
<今後の展望>
男性の育児休業取得率や取得日数は増加傾向にあるものの、女性の取得状況と比較すると依然として乖離がある。引き続き、育児休業を取得した男性の体験談などを社内展開し、取得しやすい環境整備に一層取り組んでいく。
あわせて、次世代育成支援対策推進法の事業主行動計画において、2029年までに男性育児休業取得率を60%とする目標を設定しており、概ね達成していることから、今後の取組み目標を検討していくこととしている。