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Policy(提言・報告書)  労働政策、労使関係、人事賃金 仕事と育児との両立支援 事例集 住友金属鉱山株式会社

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仕事と育児との両立支援 事例集
住友金属鉱山株式会社
業種:非鉄金属製造業
従業員数:3,750名(男性:3,252名、女性:498名)
所在地:東京都港区

住友金属鉱山は、2019年当時、女性従業員の育児休業取得率が100%であり、女性については育休を取得した後に職場復帰することが当たり前になっていた。一方で、2018年度の男性従業員の育児休業取得率は1.0%に過ぎず、女性活躍・仕事と育児の両立の観点からも男性の育児参加(共育て)が重要であるため、男性従業員の育児休業取得の推進に関する取組みを本格的に開始した。取組みを開始してから4年目となる2023年度における男性従業員の育児休業取得率は65.5%(平均取得日数は63.4日)となり、大幅に向上している。

<主な取組み>

○職場風土づくり

同社は、2019年以降、子が生まれる男性従業員と上司を対象に、仕事と育児との両立支援制度に関する説明会を開催している。当初は本社地区から始めたところ、「男性が育児休業を取得しても良いと知らなかった」という声もあったことから、2020年度以降は全社展開し、2022年度からは育児・介護休業法の改正を機に、全管理職を必須参加としている。説明会においては、男性の育児休業の必要性や性別役割分担意識の払拭などについて説明することにより、男性従業員の意識が徐々に変わっていった。これに加え、同じく2022年度より、子が生まれる男性従業員との個別制度説明・育休取得意向確認面談を開始し、育児休業の取得対象となる従業員一人ひとりに対して丁寧な取組みを進めてきた。このような取組みを通じ、育児休業の取得対象者本人とその上司、管理職の意識改革が進んだほか、育児休業を取得した男性の口コミが広まり、育児休業を取得しやすい風土が醸成された。また、2023年度に男性の育児休業取得事例集を発行し、育児休業中の過ごし方や取得することのメリットなどを共有することで、さらなる取得促進を図っている。

なお、こうした取組みに付随し、両立支援に関する質問や相談に対応するための「ワークライフ支援デスク(相談窓口)」を2021年度に新設した。人権・ハラスメント相談、職場や仕事の悩み、育児・介護、キャリアに関する相談を幅広く受け付けている。

<今後の展望>

同社は、マイルストーンとして「2030年のありたい姿」を策定し、「多様な人材が集い、成長し活躍できる企業」を目標に掲げている。従業員のライフステージに対応した配置と支援の枠組みの中で、仕事と育児の両立支援に関する施策を展開し、2024年度のエンゲージメントサーベイにおいて、「育児・介護などの事情がある社員を理解し、働きやすい環境・風土がある」と約7割の従業員から評価された。

「共育て」が浸透し、男性の育児休業取得期間が増える一方、育児休業者の職場に対する組織的な支援が当面の課題となっており、今後、検討していくこととしている。

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