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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年1月30日 No.3669 「AI利活用に伴う契約時の留意事項検討会」に関する説明会を開催

宇田川氏

AI技術が急速に進展するなか、データ利活用による新たな価値創造を実現するためには、AIの利活用を促しつつ、AIに係る契約を結ぶ当事者間で利益・リスクを適切に分配することが不可欠となる。

こうした問題意識を踏まえ、経済産業省は「AI利活用に伴う契約時の留意事項検討会」(2024年10月設置)のもと、AI利活用に関する契約時に留意すべき事項を整理し、実務上使いやすい「チェックリスト」を作成すべく、検討を進めている。

そこで経団連は12月26日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、経産省商務情報政策局情報経済課の宇田川翔ガバナンス戦略国際調整官から、同検討会における検討状況等について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 検討の背景

経産省は18年6月、データ共有・利活用およびAIの開発・利用の促進を図るため、契約の観点から事業者が参考とすべき手引として、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」を公表した。同ガイドラインが「1.1版」へと改訂された19年12月から約5年が経過し、AIを取り巻く市場環境は大きく変化している。

具体的には、同ガイドラインが念頭に置いていた「識別系AI」(特定の物体や状況を認識し、分類・識別するAI)とは異なる「生成AI」(学習した既存のデータを基に新しいデータを作り出すAI)が新たに登場したことなどを背景に、AIモデルの開発だけではなく、その利活用の局面における契約の重要性も、以前よりさらに高まっている。

こうした環境変化を踏まえ、企業がAIの利用型契約を結ぶ場面もカバーできるような参考資料として、チェックリストを新たに作成することとした。

■ チェックリストの概要

主にAIの利用者による参照を想定し、利用型契約および開発契約の双方の契約タイプを対象としたチェックリストを検討している。

具体的には、(1)AI利用者がAI提供者による汎用的AIサービスを契約等に基づき利用する「汎用的AIサービス利用型」(2)AI利用者が自社のためにカスタマイズされたAIサービスを契約等に基づき利用する「カスタマイズ型」(3)AI利用者がAI開発者・AI提供者と提携して独自のAIシステムを開発・利用する「新規開発型」――の3類型を想定している。

チェックリストには、これら類型の概要や事業者が取り得る対応をそれぞれ記載し、確認すべきポイントが分かるような形に具体化していく。また、大部にならないよう簡便な内容とし、実務的な論点等についても必要に応じて記載していく。

チェックリストの公表は、25年1月下旬以降を予定している。

【産業技術本部】

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