経団連は1月21日、女性活躍推進(男女間賃金差異の解消等)に関するアンケート結果を公表した。同調査は、企業における女性活躍推進の一環として、男女間賃金差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)の解消や女性の健康課題等に関する取り組み状況を把握するため、2024年8月7日から9月6日にかけて経団連企業会員を対象に実施したもの。226社が回答した(回答率13.9%)。概要は次のとおり。
■ 女性活躍推進(男女間賃金差異の解消等)に関する取り組みの状況

(図表のクリックで拡大表示)
男女間賃金差異の解消やアンコンシャス・バイアスの是正に向けた考え方・施策について、自社の一般事業主行動計画等に「盛り込んでいる」と回答した企業は62.2%(140社)だった。
男女間賃金差異の状況は、全体平均では、「全労働者」が68.9%、「正規雇用労働者」は71.8%、「非正規雇用労働者」は71.0%だった。差異の要因として、企業が特に大きいと分析している事項は、「管理職登用における男女割合の違い」(65.8%)が最も多い。この他、「雇用管理区分における男女割合の違い」(40.9%)や「新卒・経験者等の採用における男女割合の違い」(26.7%)などが多く挙げられている。
また、女性活躍や男女間賃金差異の解消に向けて取り組んでいる具体的な施策としては、「全社的な長時間労働の防止・業務効率化」(83.6%)が最も多く、これに「多様で柔軟な働き方の推進」(82.2%)や「男性の家事・育児促進」(80.0%)などが続いている。
取り組んでいる施策のうち、特に効果的と評価している施策は、「多様で柔軟な働き方の推進」(66.2%)が最多で、「仕事と育児等との両立支援の拡充」(47.1%)、「女性の積極的な採用」(40.9%)なども多い。
他方、取り組みにおいて特に困難さを感じている事項としては、「女性の積極的な採用」(29.1%)や、「女性の少ない職域への積極的な配置、働きやすい勤務形態や作業環境の整備」(28.3%)、「全社的な長時間労働の防止・業務効率化」(25.6%)などが多く挙げられている(図表参照)。
■ 女性の健康課題(月経随伴症、更年期症状、不妊治療等)に関する取り組みの状況
女性の健康の維持・向上に関する考え方・施策について、自社の一般事業主行動計画等に「盛り込んでいる」と回答した企業は54.2%だった。
女性の健康の維持・向上のために実施している具体的な施策としては、「健康に関する相談窓口の設置」(88.1%)が最も多く、これに「健康診断における婦人科検診の追加」(78.5%)、「女性の健康に関する情報提供」(76.3%)などが続いている。
なお、男性の健康課題(更年期症状、不妊治療、風疹対策等)に関する支援策に取り組んでいる企業は37.3%だった。
【労働法制本部】