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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年4月18日 No.3634 日本とのビジネスとパートナーシップに開かれた中南米地域 -中南米諸国駐日大使らとの懇談会を開催

経団連は3月15日、東京・大手町の経団連会館で、中南米諸国(GRULAC)駐日大使らとの懇談会を開催した。同懇談会は2022年11月の初開催(22年12月22日号既報)以来。GRULAC側からは、幹事のショーナ・ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使をはじめ20人が出席した。経団連側からは、加瀬豊中南米地域委員長、安永竜夫副会長・日本ブラジル経済委員長ら、中南米諸国に関心を寄せる会員企業代表者が多数参加した。概要は次のとおり。

■ 中南米諸国と日本とのさらなる経済関係強化への期待

GRULAC側を代表してあいさつしたリチャーズ大使は、人権や法の支配の尊重、民主主義など共通の価値観で結びつく中南米諸国と日本が、長年にわたる友好協力によって強固なビジネス関係を構築していることに言及。世界は地政学的緊張や気候変動といった難題に直面しているが、日本にとって、経済安全保障の観点から、食料や鉱物資源の世界的な供給源である中南米地域の重要性はますます高まっていると述べた。

前回会合において、GRULAC側が日本企業の中南米回帰を強く求めて以降、メルコスール(南米南部共同市場)諸国やメキシコへのミッション派遣など、経団連が関係強化を進めていることを高く評価。ブラジルとペルーがそれぞれG20とAPECの議長国を務める24年を、経済関係を強化する機会として活用することを提案した。また、中南米地域がグリーントランスフォーメーション(GX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた国際経済秩序の再構築に取り組むべく、日本との連携を継続的に強化していくことを強調した。

■ 幅広いテーマで経済連携の可能性をめぐり意見交換

意見交換では、経団連側から、日本とのEPAの早期交渉開始に向けたメルコスール各国の支援を望む声が聞かれたほか、日本と中南米諸国とのグリーン分野の連携促進に向けて、各国政府との二国間クレジット制度(JCM)の早期締結への期待が示された。GRULAC側からも、JCMは投資先の脱炭素化に貢献するとともに、日本企業とのビジネス関係の強化にもつながるウィンウィンのメカニズムであるとの認識のもと、その締結に高い関心が寄せられた。

このほか、環境・エネルギー、デジタルなど、同地域において日本企業の商機となり得る各種プロジェクトでの連携・協力、中南米地域の優秀な人材の活用、官民連携のあり方などをめぐり、活発に議論を交わした。

◇◇◇

GRULAC側からは、懇談会の定期開催を求める声が多く上がった。経団連は、今後もこうした中南米諸国との対話の機会を重視し、わが国との経済関係の強化に取り組んでいく。

【国際協力本部】

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